世界の理想郷伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 09:36 UTC 版)
アイティオピア(英語版):ギリシャ神話における南の果ての国エチオピア。緑豊かな土地であったがパエトーンによる太陽神の御車暴走によって砂漠と化してしまった。ユートピアの語源との説も。 アヴァロン:ケルト神話に登場する霧に包まれた伝説の島。アーサー王をはじめとして英雄達が集っているとされる。 アガルタ:大洪水によって地底に移住したとされる人々の王国。モンゴルやチベットのラマ僧などにより、口承として流布されてきたという。地球空洞説の一つ。ちなみにその首都は「シャンバラ」である。 アトランティス:プラトンの対話篇『ティマイオス』『クリティアス』に登場する古代の理想国家。豊かで強大であったが地震によって一夜にして海に沈んだという。 アルカディア:ギリシャ南部に実在する地名だが、古より牧歌的な理想郷として知られている。 エデン:旧約聖書の『創世記』に登場する理想郷。アダムとイヴが住んでいたというエデンの園。失楽園を経て、世界終末と共に再び地上にもたらされる至福の1000年が千年王国である。 エリュシオン:ギリシャ神話における死後の楽園だが、「幸福諸島」として大航海時代の船乗りたちの探索の対象となった。フランス語でシャンゼリゼという。 エル・ドラード:南米大陸を開拓したスペイン人(コンキスタドール)達のあいだで信じられた黄金の国(黄金郷)。 オフィール(英語版):旧約聖書に出てくる黄金郷。現在のマリ共和国(あるいはジンバブウェ)ではないかとされている。17世紀末のドイツにディストピアとして作者不明のパロディ本(偽書)が出ている。 カナアン:旧約聖書で神がイスラエルの民に約束したとされる乳と蜜の流れる地。 キーテジ:近世ロシア人に伝わるロシア正教古儀式派の聖地。『奥ヴォルガの彼方の地』にあるとされた。古くは13世紀モンゴル帝国の侵攻により逃れたロシア正教徒によって造られ、古い純正な信仰が保たれていると言われている。そして17世紀のロシア・ツァーリ国(後のロシア帝国)による上からの宗教改革によって弾圧された、ロシア正教古儀式派(旧教徒)の理想郷とされ信じられた。 ザナドゥ(上都):サミュエル・コールリッジの『クーブラ・カーン』に描かれている理想郷。元の夏期の首都、上都がモデル。 シバの女王の国:旧約聖書に出てくる謎の国。女王とソロモン王の邂逅の話。現在のエチオピア周辺(イエメン?)と推測されている。 ジパング:マルコ・ポーロによって伝えられた東方の黄金郷(東方見聞録)。昔の日本の事だと考えられている。 シャンバラ(シャングリ・ラ):チベットでカイラス山の麓にあると信じられている理想郷。 ティル・ナ・ノーグ:ケルト神話で、戦いに敗れた後に妖精になって暮らすという「常若の国」。 桃源郷:陶淵明が『桃花源記』の中で描いた理想郷。秦の時代の戦乱を逃れた者達の子孫が平和に暮らす里。 常世の国:日本神話に登場する、海の彼方にある理想郷。死者の国ともされる。 ニライカナイ:琉球列島に伝わる、海の彼方の理想郷。ここから福も災いももたらされるとされる。沖縄の墓などが海に向かって作られているのはこのためである。 パイパティローマ:波照間島に伝承される、南方にあるという理想郷。 ヒュペルボレイオス:ギリシャ神話北風神ボレアスの住むトラキアより、さらに北方にあるとされた長寿国。 プレスター・ジョンの国:ヨーロッパ伝説の東方キリスト教王プレスビュテル・ヨハンネス(プレスター・ジョン)の治める国。 ヘスペリス:ギリシャ神話西果てのアトラス山脈の麓にあるとされる。スペインのヒスパリス(セビリア)。天空を背負って立っているアトラースの娘たちの世話する「ヘスペリデスの園」にはヘーラーの果樹園があり、龍に護られた黄金の林檎のなる樹など、パラダイスの語源、モデルになったとされる。 蓬萊:中国の東方に浮かぶ島で、神仙が平和に暮らし不死の仙薬が手に入るとされる。蓬莱のほか、方丈・瀛州をふくめて三神山とよばれる。四霊の一体である霊亀の背の上に存在するとも言われている。 マグ・メル:ケルト神話で、死や栄光によって到達できるという喜びの島。アイルランド西方の島、もしくは海中の王国とされている。この島には様々なアイルランドの英雄や修道士が訪れた。 無何有郷:中国、老荘思想の理想郷。 龍宮(竜宮城):浦島太郎にでてくる理想郷。浦島太郎が助けた亀の背中に乗って行った乙姫のいる宮。四方四季という一度に四つの四季が同時に見られる場所である。 ワクワク:中世アラブ世界で、東方の彼方にあると考えられていた土地。日本(倭国)が由来とする説がある。
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