ニライカナイ
「ニライカナイ」の基本的な意味
「ニライカナイ」とは、沖縄県や鹿児島県奄美群島の各地に伝わる海の向こうや海底にある神の世界を意味する言葉であり、他界概念のひとつである。奄美大島ではネリヤ、宮古列島・八重山諸島ではニーラ、ニールともいう。「ニライカナイ」は人間の生命が生まれる場所であり、死後に行く浄土であると信じられている。ニライカナイにいる亡くなった祖先の魂は、七代生まれ変わると親族の守護神になると言い伝えられている。火や稲、粟の種子もニライカナイから伝わったとされる。美しい海に囲まれた沖縄では、人々は海から食糧など様々な恩恵を授かってきた。そのため、沖縄の人々は海の彼方に神様が暮らす理想郷があると考えたようである。「ニライカナイ」は太陽が昇る東の方角、日本列島がある方向とは反対側の人間が辿り着けない場所にあるとされる。
年初にニライカナイから神様がきて琉球諸島に豊穣をもたらし、年末に帰るといわれている。そのため、神様を浜辺で迎える儀式や仮面をつけて神様の来訪を表現する儀式が各地で行われている。
沖縄で信仰されている琉球神道の主神はニライカナイのアマミキヨという女性の神様である。アマミキヨがニライカナイからきて島を作って男女を住まわせたという神話があり、アマミキヨが最初に降り立った場所が久高島の岬であると言い伝えられている。
沖縄や奄美群島にはオボツカグラという他界概念もある。オボツカグラは空の上にある異世界であり、琉球王朝が権力を維持するために用いたようであるが、廃れていった。一方、ニライカナイは民衆に寄り添う存在であり、民間信仰として沖縄・奄美群島の人々の間で広く浸透していった。
「ニライカナイ」の語源・由来
「ニライカナイ」の「ニライ」は日本の上代語である根の方を意味する言葉であるという説が有力である。「カナイ」は韻をよくするために置かれているとされる。「カナイ」は彼方という意味の言葉であるとする説もある。「ニライカナイ」の語源として少し怖い説もある。サンスクリッド語の「niraya」「kanaya」の発音に基づいた説である。サンスクリッド語では「ニライ」は地獄、「カナイ」は消えるという意味をもち、「ニライカナイ」とつなげると、地獄に消えるという意味になる。
「ニライカナイ橋」とは
「ニライカナイ橋」とは沖縄本島南部、南城市にある全長1200mの橋である。県道86号線のつきしろ方面から国道331号線の吉富交差点を山側に少し下ったところにある。ニライ橋と海側にあるカナイ橋で構成されている。海へ向かって大きくS字にカーブしており、透き通った青い海や空を見渡すことができる絶景スポットである。海の向こうにあるニライカナイまで見渡せる橋という意味で「ニライカナイ橋」と名づけられている。高低差のある橋を渡っていくと高い場所にトンネルがあり、上には見晴らしのよい展望台がある。展望台からは知念岬や遠くに神の島・久高島、コマカ島などを見ることができる。昼ごろにニライカナイ橋をドライブするのもよいが、夕方に行くと夕日が海に沈んでいく景色を見ることができる。
「ニライカナイ」の使い方・例文
ニライカナイは沖縄・琉球群島に古くから伝えられる神の世界であるが、以下のように使われる。・「ニライカナイは海の向こう側にある神々の国である。」
・「死者の魂はニライカナイへ帰っていった。」
・「ニライカナイからは火や稲などが伝えられた一方で、害虫などの悪いものももたらされた。」
・「ニライカナイは民衆の間で語り継がれてきた理想郷である。」
・「アマミキヨはニライカナイの女性の神様である。」
・「ニライカナイ橋から美しい海を眺めて、はるか海の彼方にある神様の国ニライカナイに想いを馳せる。」
・「ニライカナイは人間生活万般につながる聖地と観念される。人間の生命もそこから生まれ、死後に行く浄土でもある。」
ニライカナイ
ニライカナイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 18:45 UTC 版)
九州沖にある根来(にらい)島とその横に建設された海上実験都市の神至(かない)市とを総称した呼び方。根来島には六道や樹、功刀の家や逆神隠しの祠が、神至市側にはTERRA本部や商業施設や集合住宅、内海には神殿を含むネリヤ遺跡がある。
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