三畳紀の生物とは? わかりやすく解説

三畳紀の生物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/07 02:29 UTC 版)

三畳紀」の記事における「三畳紀の生物」の解説

ペルム紀末の大量絶滅の後、空席になったニッチ生態的地位)を埋めるように、海生生物では、古生代型の海生動物かわって新しい分類群がつぎつぎ出現した六放サンゴさまざまな翼形よくけい二枚貝などが発展するようになり、アンモナイトは、中生代まで生き残った数種をもとにセラタイト型が爆発的に増えたまた、類縁するベレムナイト著しく多数わたって現れた。棘皮動物のうちウニ類古生代においてはまだ十分な発達をとげなかったが、中生代には急激に進化しはじめ、多くの種を生じたこのような新しい種の出現によって、三畳紀後期にはいったん損なわれ生物多様性を再び回復した三畳紀海成層示準化石として重要なものとしては、セラタイト型アンモナイト翼形二枚貝(ダオネラ、ハロビア、モノティス等)のほか、原生動物の放散虫、貝エステリア)、ウミユリ棘皮動物)の一種エンクリヌス・リリイフォルミスがあり、歯状微化石コノドント生物学上の位置づけ未解決部分もあるが、層位学的にはきわめて重要である。なお、ダオネラは、現在のホタテガイ近縁する絶滅種であり、ダオネラ頁岩堆積学見地からも重視される。 これに対し陸上動植物ペルム紀中に変革終えており、P-T境界においては海生生物におけるほどの劇的な変化ともなっていない。ペルム紀においてすでに主竜類などをはじめとする爬虫類水中のみならず陸上生活に適したものが増加し三畳紀には体躯大きなものも出現し繁栄した主竜類の中から三畳紀中期にはエオラプトルヘレラサウルスなどの恐竜翼竜ワニ出現、また主竜類に近い系統からカメ類現れた。爬虫類また、肺呼吸を完全にし、種類によっては皮膚ウロコ硬い甲羅でおおうことによって乾燥した陸地への生活に適応していった。 この時代恐竜初期恐竜)は、陸生脊椎動物のなかにあって特に大型であったわけではなく初期恐竜併存していた恐竜以外の爬虫類のなかに、それよりもはるかに大きく個体数の多い種もあったと推定される中でもこの時代ワニ類輩出したクルロタルシ類繁栄絶頂にあり、陸上生態系において支配的地位占めていた。三畳紀恐竜化石は特に南アメリカ大陸多数検出されており、北米・アフリカ・ヨーロッパなどでも確認されている。湿地帯などにのこされ爬虫類足跡化石多く発見されるうになるのも三畳紀入ってからであり、これにより、肉食種が植物食種を捕食するシステム成立していたことが推測されるカメは、現存種には歯のある種はないものの、オドントケリスプロガノケリスなど初期カメには顎に歯があったことが確認されている。また、四肢現在のゾウガメ類似しており、陸上生活者であると考えられている。三畳紀ワニ類もまた陸上生活者であり、全長は1メートルにおよばなかった。 非哺乳類単弓類最後に繁栄したのも三畳紀だった。初頭には大型ディキノドン類リストロサウルス最後大型テロケファルス類モスコリヌス加え小型トリナクソドンのようなキノドン類多種多様な爬虫類共存した前期にはカンネメイエリアキノグナトゥスさらなる大型化多様化達成し中期後期かけても大型種では植物食プラケリアス雑食エクサエレトドンやディアデモドン、肉食トルシキノドン変わらぬ繁栄見せ小型種ではトラベルソドン類やイクチドサウルス類が生態系隙間埋めたこうした三畳紀特有の生物相は、南米ロス・コロラドス層を見るに、三畳紀中盤から末期にかけて概ね維持されていた。ただし竜脚形類新獣脚類台頭など、留意すべき点もある。 なお最初哺乳類現れたのも三畳紀であった哺乳類は、中生代通じて小型であり、大きくてネコ小型犬ほどの大きさであり多くの種はドブネズミハツカネズミ大きさほどしかなかった。 これらの内、一部系統では歩行/走行呼吸並行して行うことが出来るようになっていた。これにより、後代生物には真の恒温性獲得することになる。 三畳紀には、従前陸上でしかみられなかった爬虫類であったが、三畳紀入ってその一部が海に進出したイクチオサウルスなどの魚竜や、泳ぐのに特化したひれ状の足をもつプラコドンなどの鰭竜類(Sauropterygia)、タラットサウルス類、板歯目などがそれである。 魚類のうち、サメのなかまはペルム紀末の大量絶滅によって打撃を受け、その繁殖限定的であったが、硬骨魚類海中において顕著に繁殖した両生類は、中期体長5メートルを越すと推定されるマストドンサウルスがあり、これは史上最大級の両生類一つ考えられている。両生類には、分椎目アファネランマ代表されるトレマトサウルス類のように海水適応した種さえあったが、三畳紀通じてその多く衰退していった。 陸上植物ではシダ植物裸子植物著しく分布域広げ、ボルチアやアメリカ合衆国アリゾナ州におけるアラウカリオキシロンの珪化森林みられるようにマツスギ遠祖となる針葉樹現れた。種子植物ありながら独立した精子をつくるイチョウ類ソテツ類、ベネティティス類も多かった湿地帯には、現在のシダ植物ヒカゲノカズラ科類縁種である古代リンボク豊富にのこり、シダトクサ密に分布したまた、古生代後期からひきつづき、ゴンドワナ植物群とアンガラ植物群とが植生競いあっていた。

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