マストドンサウルスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 古生物 > 分椎目 > マストドンサウルスの意味・解説 

マストドンサウルス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/06 13:23 UTC 版)

マストドンサウルス
生息年代: 245.00–199.60 Ma
Є
O
S
D
C
P
T
J
K
Pg
N
Mastodonsaurus torvus
(生態復元想像図)
地質時代
約2億4500万- 約1億9960万年前
中生代前期三畳紀[サイシアン世〈en〉]終盤オレネキアン期末 - 後期[コイパー世〈en〉]終盤レーティアン期)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 顎口上綱 Gnathostomata
もしくは
四肢動物上綱 Tetrapoda
: 両生綱 Amphibia
亜綱 : 迷歯亜綱 Labyrinthodontia
: 分椎目 Temnospondyli
上科 : カピトサウルス上科
Capitosauridea
: マストドンサウルス科
Mastodonsauridae
: マストドンサウルス属
Mastodonsaurus
学名
genus Mastodonsaurus
Jaeger, 1828
タイプ種
Mastodonsaurus jaegeri
Jaeger, 1828
和名
マストドンサウルス
  • M. cappelensis Wepfer, 1923
  • M. giganteus
  • M. jaegeri Jaeger, 1828 (模式種
  • M. torvus Konzhukova, 1955

マストドンサウルス学名genus Mastodonsaurus)は、約2億4500万- 約1億9960万年前(中生代前期三畳紀[サイシアンen〉]終盤オレネキアン期末 - 後期[コイパー世〈en〉]終盤レーティアン期)のパンゲア大陸淡水域に広く分布していた、大型両生類の一種(1)。迷歯亜綱- 分椎目- マストドンサウルス科英語版分類される。

最大全長約6mに達する本属は、後期三畳紀の大陸部における最大級の動物であったと考えられる。

呼称

属名 Mastodonsaurus は、古代ギリシア語: μαστός (mastos) 「乳房」 + ὀδούς (odous; 語幹: odont-) 「歯」 + σαῦρος (sauros) 「とかげ」による合成語で、乳房を思わせる円錐形の歯を指しての命名である。

しかしながら、-saurus の名に反して、本種は爬虫類ではない。これは化石の発掘当初は研究の不足から恐竜(爬虫類)だと考えられたためである[注釈 1]

生物的特徴

分布

化石北アメリカ大陸ユーラシア大陸アフリカ大陸、および、日本列島などで発見されており、このことから、当時の超大陸パンゲアの非常に広範な地域の淡水系に分布していたことが分かっている。

日本では2006年宮城県南三陸町歌津の唐島にある約2億4500万年前((中生代前期三畳紀[サイシアンen〉]終盤オレネキアン期末))の地層から産出した下顎骨の化石が、東京大学ドイツシュトゥットガルト州立自然史博物館 (de) の共同研究により、2008年になってマストドンサウルスと同レベルで近縁のものであると判明し、当地もかつてマストドンサウルス類の分布域であったことが明らかとなった。同時にこの発見によって、マストドンサウルス類の棲息年代を中期三畳紀から前期三畳紀にまで遡れることが分かった。

形態と生態

最大全長約6mに達する本種は、三畳紀後期の大陸部における最大級の動物であったと考えられ、当時の頂点捕食者の一つであったと見られる。

巨大なを具えた非常に大きく扁平な頭部、短く頑丈な胴、体格に比べて小さいが頑丈な四肢、非常に短い尾を持つ。確認される最大個体は頭骨長約1.4mにおよぶ。近年の研究ではもっと尾が長く、ワニと相似をなす体形であったのではないかとも言われている。下顎の先端に長いがあり、口を閉じたときには口蓋にある孔を通して頭蓋骨の上にまで突き出ていた。この牙によるものらしき歯形のついた小型分椎類の化石が発見されている。また、それ以外にも咥えた獲物を逃がさないための円錐状の小さく鋭い歯を多数有していた。

旱魃によって干上がった湖底で大量死したと見られる痕跡が発見されており、おそらくは湖沼に棲息する動物で、陸に上がる能力は無かったと見られる。

水底で待ち伏せし、浅い湖では魚(サウリクティス条鰭類ハイギョなど)や他の小~中型両生類(PlagiosuchusCallistomordaxTrematolestes)などの水棲動物や[1]、水辺に近づく小さな主竜類などの陸棲動物を捕食していたと思われる。糞石(化石)の分析により、主な獲物は魚類であったらしいことが判明している。

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ このように「発掘当初は恐竜の一種だと思われていたために -saurus の名が命けられた」例は他にもバシロサウルス哺乳類であり原クジラ亜目の生物である)をはじめ何例も見られる。

出典

  1. ^ Mittag, Juliane Katharina. "The Nothosaurs of the Southern German Lettenkeuper (Triassic, Late Ladinian)." Diss. Universität Tübingen, 2021.
  2. ^ Mastodonsaurus” (英語). Where to Find Great Dinosaur Pictures. search4dinosaurs.com. 2010年4月4日閲覧。

関連項目

外部リンク


「マストドンサウルス」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



マストドンサウルスと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マストドンサウルス」の関連用語

マストドンサウルスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マストドンサウルスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマストドンサウルス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS