三畳紀に形成された厚保層群と美祢層群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 03:11 UTC 版)
「大嶺炭田」の記事における「三畳紀に形成された厚保層群と美祢層群」の解説
日本列島は約7億年前、先カンブリア時代末期に超大陸ロディニアから分離した中国南部の大陸塊である揚子地塊の外縁でその形成が始まったと考えられている。その後、約4億5年万年前のオルドビス紀末期以降、揚子地塊辺縁の沈み込み帯に付加体が順次形成されていく。地塊辺縁から海洋側に向かって順次付加体が形成されていく中で、徐々に日本列島が形作られていった。そのため、現在の日本列島では日本海側に近い部分には古い時代に付加された地質体が存在し、太平洋側に向かうにつれてより新しい時代に付加された地質体が見られるようになっている。中国地方では例えば山口県の秋吉台で知られる山口県、島根県、広島県に広がる秋吉帯は、大洋域の島々や海山のサンゴ礁で形成された石灰石などが古生代末の後期ペルム紀に付加体となったものと考えられている。 中生代に入ると、中国地方では山口県西部の厚保層群、美祢層群、岡山県の成羽層群といった三畳紀に形成された地層群のように、秋吉帯などの付加体や周防帯などの変成帯の上部に、浅い海や汽水域で形成された地層や陸成層の堆積が始まった。中でも美祢市南部の厚保層群と美祢市西部から下関市北東部に見られる美祢層群は、これまで多くの植物、昆虫、貝類の化石が発見されたことで知られている。厚保層群は中期三畳紀の後期ラディニアン期から後期三畳紀のカーニアン期にかけて、美祢層群は後期三畳紀の後期カーニアン期からノーリアン期にかけ、ともに淡水域から浅海といった環境下で形成されたと考えられている。大嶺炭田は中生界三畳系である厚保層群、美祢層群内に炭層が分布しており、かつては日本最大の無煙炭の産地であった。
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