ヴォルデモート卿時代
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「ヴォルデモート」の記事における「ヴォルデモート卿時代」の解説
失踪している期間に、のちに隠れ潜むアルバニアの森を訪れている。また、ひそかに自分に忠実な部下・死喰い人を集めていた。闇の魔術の研究を行なっていたのもこの時期である。 失踪から約10年後である1956年ごろの冬、ふたたび「闇の魔術に対する防衛術」の教授に志願し、校長に就任していたダンブルドアと会合を行なう。表面的には友好的な会話のあと、ダンブルドアは再度ヴォルデモートの頼みを拒否する。ヴォルデモートは戦闘寸前に至るもののそのまま立ち去るが、代償として自分の命ある限り「闇の魔術に対する防衛術の教授の任期が1年以上続く」という事象を排除した。この時点でダンブルドアは、ヴォルデモートに罪を償わせることができる時は過ぎ去ったと判断した。 1970年ごろから、活動を本格化。死喰い人を率いて、「マグル生まれ」や「半純血」の魔法使いの粛清に乗り出した。その過程で反対勢力を容赦なく殺戮し、英国魔法界の暗黒時代を招いた。「不死鳥の騎士団」との抗争がもっとも激しかった時期であり、この当時、ヴォルデモート側の勢力は騎士団側の20倍とされる。ヴォルデモート陣営に抗戦した闇祓い、魔法省職員、騎士団員らを中心に多数の死者を出し、一家全滅に追い込まれた者も少なくない。ヴォルデモートはマッキノン家、ボーン家、プルウェット家といった当時もっとも強力とされた魔法使いの一族を次々と駆逐していき、殺害した犠牲者で亡者の軍隊ができるほどであったという。 英国魔法界の人々はヴォルデモートを恐れ、その名を口にするのを避けるようになる。その所業は、それまで史上最悪の闇の魔法使いと言われたゲラート・グリンデルバルドの存在を人々の記憶から完全に忘却させたほどだと言われている。 1979年ごろ、手下のひとりセブルス・スネイプの報告によって、みずからを滅ぼす可能性を持つ者の出現がシビル・トレローニーによって予言されたことを知る。この時、予言された人物が将来ポッター家に産まれる子供だと考え、ポッター家を狙うようになる。 1981年10月31日未明、ピーター・ペティグリューの密告によってポッター家の居場所を突き止め、ゴドリックの谷を襲撃し、ジェームズ・ポッターとリリー・ポッター夫妻を殺害する。しかし、当時1歳だったハリー・ポッターに放った「死の呪い」がリリーの遺した「守りの魔法」で撥ね返り、自身の肉体を失う。同時に、魂の一部がハリーに憑依し、ハリーとのあいだに精神的な交感が生まれる。分霊箱に魂を保存していたことで死こそ免れたものの、非常に弱い生命体になったヴォルデモートは逃亡し、アルバニアの森に潜伏する。この事件で魔法界はヴォルデモートが「消滅」したと考え、早朝から祭り騒ぎとなり、ハリーの名は英雄として広まった。配下の死喰い人は裁判のすえアズカバンに投獄されたり、立場を翻すなどして組織は解体された。 1991年夏、潜伏先のアルバニアにやって来たクィリナス・クィレルを操ってその肉体に憑依する。自身の肉体を取り戻すべく「賢者の石」を求めるが、ハリーたちの活躍によって失敗に終わり、クィレルも死亡したため、ふたたびアルバニアへ逃亡する。 1992年10月31日、学生時代の日記(分霊箱のひとつ)に封じていた自身の魂が約50年ぶりにホグワーツの「秘密の部屋」を開き、バジリスクを解き放つ。しかし翌年、ハリーによってバジリスクは倒され、それを操っていた魂も日記ごと破壊される。 1994年夏、ピーター・ペティグリューの協力を得てイギリスに帰国。同時に、脱獄したかつての配下バーテミウス・クラウチ・ジュニアをひそかにホグワーツへ送り込む。翌1995年6月、クラウチ・ジュニアの協力によって、「ハリーの血」を用いて肉体を取り戻し、ハリーと決闘する。しかし、ヴォルデモートの杖とハリーの杖が「兄弟杖」であったため正常に働かず、結果ハリーを逃がすことになる。 復活後は、魔法大臣コーネリウス・ファッジの現実逃避した態度に乗じ、かつての配下を呼び寄せふたたび組織を固めるとともに、水面下でハリーを倒す手がかりを手に入れようとする。1996年6月、精神的な交感を利用してハリーを魔法省の神秘部へ誘い出し、待ち受けていた死喰い人とハリーを守る「不死鳥の騎士団」との戦いを引き起こす(神秘部の戦い)。戦いの最中、手がかりとなる予言の球が破壊されたと知ると、魔法省に姿を現しハリーを殺そうとするが、ダンブルドアに阻止される。このとき、多くの人々に姿を目撃され、公式に復活が認知される。 その後は活動を活発化させ、魔法界にふたたび暗黒時代をもたらす。そして、自分にとって最大の敵であるダンブルドアを殺害するようドラコ・マルフォイに命じる。1997年6月、セブルス・スネイプがドラコの代わりにこれを成し遂げる。同年8月1日、魔法大臣ルーファス・スクリムジョールを殺害し、傀儡パイアス・シックネスを代わりの大臣に据える。こうして魔法省を掌握し、ついに魔法界の実質的な支配者となる。以後、「純血主義」にもとづき、「マグル生まれ」を徹底的に排除する政策を推し進める。 そして、宿敵ハリーを倒すため、最強の杖と呼ばれる「ニワトコの杖」を捜索。1998年春、これを入手する。5月に入り、ハリーの手によって分霊箱が破壊されつつあることを知ると、ハリーと決着をつけるためホグワーツへ乗り込む。死喰い人・吸魂鬼・巨人で構成されたヴォルデモート陣営と、不死鳥の騎士団やダンブルドア軍団などで構成されるホグワーツ防衛隊による戦闘となり(ホグワーツの戦い)、ホグワーツ側の半数を死傷させる。しかしこのあいだに、ほとんどの分霊箱を破壊される。 5月2日未明、投降に応じたハリーの「殺害」を図るが、ハリーが死ぬことはなく、ヴォルデモート自身の魂の一部が破壊される。しかし、ナルシッサ・マルフォイの保身により、ハリーが絶命していないことに気づかなかったばかりか、凱旋の最中に一瞬の隙を突かれ、最後の分霊箱だった愛蛇ナギニがネビル・ロングボトムに「破壊」される。ついで、ホグワーツ側の大増援が到着し、混戦の中で主要な部下をすべて失い、ついにハリーと対峙することとなる。 ハリーから自分が「ニワトコの杖」の「真の所有者」ではないと告げられ、分割された魂を元に戻す唯一の手段である悔恨のチャンスを与えられるが、これを無視。「真の所有者」であるハリーに、「ニワトコの杖」を用いて死の呪文を放ったため、呪文がみずからにはね返り、名実ともに死亡する。71歳没。生前の行ないによって損傷を負ったヴォルデモートの魂は、死後の世界に進むこともゴーストになって現世に戻ることもできず、永遠に生死の狭間の世界(リンボ)に釘付けとなる。
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