マーズグローバル‐サーベイヤーとは? わかりやすく解説

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マーズグローバル‐サーベイヤー【Mars Global Surveyor】


マーズ・グローバル・サーベイヤー

グローバル・サーべイヤーは、地形を調べる「測量士」

1996年11月7日ケネディ宇宙センターからデルタIIロケットによって打ち上げられアメリカの「マーズ・グローバル・サーべイヤー」は、1997年9月12日火星の軌道入りました。その直後から火星表面観測開始されいましたが、火星大気空気抵抗利用したエアロブレーキングによる軌道高度変更時間がかかり、本格的な観測1999年3月からの開始となりました。「測量士(サーベイヤー)」の名前のとおり火星地形詳しく調べるのが主な目的で、2001年1月第1次ミッションを、2003年末に第2次ミッション終え、現在は2006年9月まで続く第3次ミッション最中です。

マーズ・サーベイヤー計画の第1弾として打ち上げられ、火星を観測する「マーズ・グローバルサーベイヤー」(想像図)
マーズ・サーベイヤー計画第1弾として打ち上げられ火星観測する「マーズ・グローバルサーベイヤー」(想像図)

高解像度カメラとレーザー高度計で火星地形図を完成

サーベイヤーには1.4mの大きさのものまで見分けることが可能な高解像度カメラ搭載されており、17万枚にも達す画像撮影してます。また、レーザー高度計地表高低測定し、これらによって火星地形図作成されました。

火星周回軌道での観測で火星の強い磁場を確認

「マーズ・グローバル・サーベイヤー」は、火星周回軌道入ってからの観測で、火星磁場があることを発見しました。これは「測量士(サーベイヤー)」と名づけられた同探査機最初科学的成果です。これまでの探査機による観測では、火星には磁場がないか、あってもごく弱いものと推定されていたからです。

火星探査機「マーズ・グローバルサーベイヤー」
火星探査機「マーズ・グローバルサーベイヤー」

撮影した写真から"火星の顔"は幻だったと結論

今回観測では、磁場データ分析した結果火星中心部地球など他の多く太陽系惑星違い高温溶解した状態にないこともわかりましたまた、同機1998年4月9日撮影した火星表面写真から、通称"火星の顔"と呼ばれていた物体は幻で、小さな丘が続く細かい起伏のある地形にすぎなかったこともわかりました

バイキング探査機が1976年7月に撮影した「火星の顔」
バイキング探査機1976年7月撮影した火星の顔」

マーズ・グローバルサーベイヤーが1998年4月に撮影した同じ地域の火星表面
マーズ・グローバルサーベイヤーが1998年4月撮影した同じ地域火星表面

マーズ・グローバル・サーベイヤーが火星の南極の撮影に初成功

2000年3月NASA(米航空宇宙局)の無人火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーから火星南極画像届きましたサーベイヤーには、火星表面の1.4mの大きさまで見分けられる望遠カメラと250mまで見え広角カメラなどがついていて、火星軌道周りながら火星表面の地形気象観測してます。1999年3月から本格的な観測始まっていて、火星極めて弱い磁場があるという大きな発見をしたり、火星の詳しい画像送信したりしてきましたが、南極をはっきりと撮影できたのは、これが初めてです。

マーズ・グローバルサーベイヤーがとらえた火星南極の極冠のアップ
マーズ・グローバルサーベイヤーがとらえた火星南極極冠アップ

ドライアイスでできた南極の極冠

サーベイヤーとらえた南極極冠は丸い形が並んだ幾何学模様で、まるでスイスチーズようです。この極冠は、固体二酸化炭素つまりドライアイスでできています。北極極冠はほとんどが氷で細かい穴が無数にあいたスポンジのようなものですから、全くようすが違います。これは、北極南極数百万年の間、気象条件異なっていたということ示してます。
NASA2000年4月公開した写真には、火星南極地方見られる風変わりな層状地形写し出されいました。これは、サーベイヤー撮影した画像集めて作られたもので、地層構成しているのは、ドライアイスや氷、細かいちりだと考えられます。科学者らによると、過去1億年以上の間火星気候がどう影響してこのような地層作られたのか、画像から詳しく知ることができるといいます


マーズ・グローバル・サーベイヤー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 07:15 UTC 版)

マーズ・グローバル・サーベイヤー (Mars Global Surveyor, MGS) は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) ジェット推進研究所 (JPL) の無人火星探査計画、またはその火星探査機の名称である。


  1. ^ Albee, A., Arvidson, R., Palluconi, F., Thorpe, T. (2001). “Overview of the Mars Global Surveyor mission”. Journal of geophysical research 106 (E10): 23291–23316. doi:10.1029/2000JE001306. https://doi.org/10.1029/2000JE001306. 
  2. ^ Malin, M.C., et al. (1991). “Design and Development of the Mars Observer Camera”. Journal of Imaging Systems and Technology 3: 76–91. http://www.msss.com/mars/observer/camera/papers/moc_ijist/moc_ijist.html. 
  3. ^ Mars Global Surveyor: MOLA MEGDRs”. Planetary Data System, NASA. 2008年5月16日閲覧。
  4. ^ Malin, M.C., et al. (2006). “Present-Day Impact Cratering Rate and Contemporary Gully Activity on Mars”. Science 314: 1573–1577. doi:10.1126/science.1135156. 
  5. ^ Faulty Software May Have Doomed Mars Orbiter”. Space.com. 2007年1月11日閲覧。
  6. ^ Report Reveals Likely Causes of Mars Spacecraft Loss”. NASA. 2007年4月13日閲覧。


「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の続きの解説一覧

マーズ・グローバル・サーベイヤー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 23:21 UTC 版)

マーズ・サーベイヤー計画」の記事における「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の解説

ランダーとしてすでに計画進んでいたマーズ・パスファインダーとほぼ同時期に打ち上げられオービターである。これら低コスト探査機は共に大きな成功を収めることとなった

※この「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の解説は、「マーズ・サーベイヤー計画」の解説の一部です。
「マーズ・グローバル・サーベイヤー」を含む「マーズ・サーベイヤー計画」の記事については、「マーズ・サーベイヤー計画」の概要を参照ください。

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