マリナー3号
名称:マリナー3号、マリナー4号、マリナー6号、マリナー7号、マリナー8号、マリナー9号/Mariner3、Mariner4、Mariner6、Mariner7、Mariner8、Mariner9
小分類:火星探査
開発機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)
運用機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)
打ち上げ年月日:マリナー3号:1964年11月5日/マリナー4号:1964年11月28日/マリナー6号:1969年2月24日/マリナー7号:1969年3月27日/マリナー8号:1971年5月8日/マリナー9号:1971年5月30日
運用停止年月日:マリナー3号:1964年11月5日/マリナー4号:1965年10月1日/マリナー6号:1969年7月31日/マリナー7号:1969年8月5日/マリナー8号:1971年5月8日/マリナー9号:1972年10月27日
打ち上げ国名:アメリカ
打ち上げロケット:アトラス・アジェナD(マリナー3〜4号)、アトラス・セントール(マリナー6〜9号)
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地
国際標識番号:マリナー3号:1964073A/マリナー4号:1964077A/マリナー6号:1969014A/マリナー7号:1969030A/マリナー9号:1971051A
マリナー(航海者の意味)4号は、初めて火星を間近から観測した探査機で(マリナー3号は打ち上げに失敗)、表面が月のように多くのクレーターで覆われている火星の画像を送ってきました。また火星にはほとんど磁場がなく、表面の気圧や気温が低いことも分りました。マリナー6号と7号も火星の近くを通りながら、もっと詳しい画像を撮影しました。マリナー8号は打ち上げに失敗しましたが、9号は火星を周回する衛星になって(他の惑星の人工衛星は初めて)、7,629枚にも及ぶ火星表面と衛星フォボスとダイモスの画像を撮影しました。マリナー9号の画像からは、火星がそれまで想像されていたよりもずっと豊かな地形を持ち、気象の変化も激しいことが分りました。火星には巨大な死火山も見られ、かつては豊富な水が存在していたことを思わせる川や湖の跡のような地形さえ発見されました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
八角柱の本体に4枚の太陽電池板を備えています。打ち上げ重量は998kgです。
2.どんな目的に使用されたの?
火星とふたつの衛星の画像撮影と、赤外線・紫外線による観測です。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
火星の地形および気象を観測し、ふたつの衛星のTV画像を送信(合計7629枚)してきました。また、火星表面の気圧が2.8〜8.9mbであることを確認しました。
4.打ち上げ・飛行の順序はどうなっているの?
直行打上げで火星への太陽中心軌道へ。1971年6月4日軌道修正。11月26日火星から2753kmの距離で減速を開始、同日火星の周回軌道に入りました。そして、11月15日に軌道を修正しました。
5.このほかに、同じシリーズでどんな機種があるの?
マリナー1号、マリナー2号、マリナー5号、マリナー10号があります。
マリナー9号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 22:19 UTC 版)
![]() |
|
---|---|
概要 | |
名称 | マリナー9号 |
国 | アメリカ合衆国 |
目的 | 火星の70 %の地形図の作成と、火星の大気と表面の経時変化の調査 |
宇宙機 | Mariner Mars '71 / Mariner-I |
質量 | 558.8 kg |
運用機関 | JPL - NASA |
打上げ機材 | アトラス・セントール SLV-3C |
打上げ日時 | 1971年5月30日 22:23:00 UTC |
打上げ場所 | ケープカナベラル空軍基地 |
科学機器・技術実験 |
|

マリナー9号(まりなー9ごう、Mariner 9)は、NASAのマリナー計画の火星探査機である。1971年5月30日に打上げられ、同年11月14日に火星へ到達、初めて他の惑星軌道に乗った探査機となったが、それから1か月以内に到達したソビエトのマルス2号・3号を僅かに先んじただけであった。何か月間もの砂塵嵐の後、火星表面の驚くほど鮮明な映像を送り返すことに成功した。
目的
マリナー9号は、マリナー6号と7号から始めた大気の調査を継続し、それまでの火星ミッションと比べて最低高度(1500 km、約900マイル)から、なおかつ最高解像度(ピクセル当たり1 km - 100 m)で、火星の70 %以上の地形図を作成するために設計された。火山活動の証拠である熱源を見付けるための赤外線放射計も搭載していた。また、火星の2つの衛星を分析することにもなっていた。マリナー9号は、これらの目的を充分達成した。
成果

マリナー9号は、初めて他惑星軌道に乗った宇宙探査機である。マリナー6号と7号に似た機器を搭載していたが、火星軌道上で探査機を制御するにはより大きな推進システムが必要となるため、6号と7号を合わせた以上の重量があった。マリナー9号が火星に到着した際、火星の大気圏は埃っぽく表面は不明瞭であった。この予想外の状況により、惑星を調査するには単に上空を通過するだけよりも軌道からの方が望ましいことが証明された。そのため、地球からマリナー9号のコンピュータへ、埃が落ち着くまで表面撮影を2か月延ばすようにプログラムが行なわれた。軌道上で349日経過後、マリナー9号は7,329枚の映像を送り、それは火星表面の80 %をカバーしていた。映像からは、川床、クレーター、巨大な休火山(例えば太陽系で最大の火山であるオリンポス山)、峡谷(長さ4,000 km、約2,500マイル以上のマリネリス峡谷など)、風と水による侵食や堆積や前線や霧などの証拠が明らかとなった。火星の小さな衛星であるフォボスとダイモスも撮影された。マリナー9号での調査結果は、後のバイキング計画の基礎となった。
巨大なマリネリス峡谷は、マリナー9号の業績を記念して名付けられた。
高度制御ガス供給が減少したため、マリナー9号は1972年10月27日に運用停止した。
製造
マリナー9号に搭載されている紫外線分光計は、コロラド大学ボルダー校大気宇宙物理学研究所 (LASP) で製造された。
現在地
マリナー9号はまだ火星軌道上にあり、少なくとも2022年まではそのままであるが、その後火星大気圏へ突入すると見られている。
関連項目
外部リンク
- マリナー9号のページへのリンク