マリーゴールドの花言葉
マリーゴールド花言葉の由来
(1)生命力の強さからつけられた説「勇者」という花言葉はマリーゴールドの生命力の強さからつけられたと言われている。マリーゴールドはやせた土地でも育ち、乾燥や病害虫に強いのが特徴だ。過酷な環境でもへこたれずに大きくなるマリーゴールドを困難に立ち向かう勇者の姿に重ね合わせたことから「勇者」の花言葉が生まれたとされている。同様の理由で「健康」「逆境を乗り越える」などの花言葉もある。
(2)人間に嫉妬した妖精の悲しい神話が由来になった説
ギリシャ神話にある妖精の報われない恋心の話が「可憐な愛情」の花言葉の由来とされている。水の妖精であるクリスティは太陽神アポロンに恋をしていたが、アポロンは人間の姫であるレウトコエと恋仲だった。クリスティは二人の関係に強く嫉妬し、レウトコエの父オルカモスに密告した。オルカモスは自分が知らない所で娘が神と恋仲にあることに怒り、レウトコエを生き埋めにしてしまう。アポロンは恋人を死に追いやったクリスティに愛想をつかし、彼女のもとから離れてしまった。アポロンの心を掴めなかったクリスティはその場から動かず、失意のままアポロンの化身である太陽を見つめ続け、遂にはマリーゴールドになった。
原初のギリシャ神話ではマリーゴールドではなくひまわりに変わったという結末だったが、神話が伝わった当時の欧州にはひまわりが知られていなかったため、花の形や色が似ている黄色のマリーゴールドに変更された。クリスティの一途な恋心を意味する花言葉として「可憐な愛情」が用いられている。
(3)神との許されない恋に身を焦がした少年が由来になった説
ギリシャ神話には太陽神アポロンに恋をする人間の少年の話がある。アポロンは男性の神だが、その美しい容姿から女性に限らず男性からも恋心を抱かれていた。人間の少年であるクレムノンもアポロンに恋をした男性の一人であり、彼はアポロンの化身である太陽を毎日見つめることで幸せを感じていた。アポロンも自分を見つめ続けるクレムノンが愛おしくなったが、神と人間が愛し合うことを許さない雲の神が二人の関係に嫉妬し、アポロンを雲の中に隠してしまう。クレムノンはアポロンの姿が見えなくなったことを嘆き、遂にはやせ細って死んでしまった。雲から解放されたアポロンはクレムノンのひたむきな愛情に心打たれ、その亡骸を橙色のマリーゴールドに変化させたという。
クレムノンが抱いたアポロンへの恋心は邪念のないまっすぐな気持ちであり、そのことから橙色のマリーゴールドには「真心」の花言葉を当てはめるようになった。「変わらない愛」の花言葉もクレムノンのひたむきな愛情から来ている。
(4)聖母マリアの祭日に基づいている説
橙色のマリーゴールドには「予言」という花言葉があるが、これは聖母マリアが関係している。マリーゴールドという名前の意味は「聖母マリアの黄金の花」であり、聖母マリアの祭日にはいつもマリーゴールドが咲いていたのが名前の由来だ。橙色は淡い色合いになると黄金色にも見えることから「ゴールド」、すなわち「黄金の花」と呼ばれるようになった。「予言」の花言葉は聖母マリアが天使ガブリエルの予言により、自分が神の子であるキリストを産むと知ったことから来ている。
(5)温室育ちの儚い雰囲気からつけられた説
改良種であるフレンチマリーゴールドには「いつもそばに置いて」という花言葉がある。この言い回しから愛の告白など恋愛に関するイメージが強い花言葉だが、本来は家族や友人などの絆の深さを表現する意味で用いられる。フレンチマリーゴールドの名称はフランス王室で栽培されていたことが主な由来だ。屋内での観賞を目的にした品種なのでサイズが小さく、花も小ぶりである。コンパクトなサイズなので可愛らしく、子供のような無邪気さを感じさせることから「いつもそばに置いて」という花言葉が使われるようになった。また、フレンチマリーゴールドを栽培していた温室はその多くが家族単位で管理する小規模な設備だった。
その点から家族や友人との絆を意味して「いつもそばに置いて」という花言葉が使われるようになったとされている。フレンチマリーゴールドは病気にやや弱く、感染すると花の色が急激に悪くなるなど症状が重篤化しやすい傾向がある。長持ちさせるには水や肥料、日光を適切に与えることが重要であり、健やかに育てるには人の手が不可欠という儚さが「いつもそばに置いて」の花言葉の由来になったとも言われている。一方で小ぶりな姿や鮮やかな色合いの花を咲かせることから、恋愛的な意味での「いつもそばに置いて」という花言葉が用いられるケースも少なくない。
マリーゴールドの英語の花言葉
マリーゴールドの英語の花言葉は「jealousy(嫉妬)」「despair(絶望)」「grief(悲嘆)」などがある。マリーゴールド色別の花言葉の解説
マリーゴールドは黄色や橙色の花が咲く。黄色のマリーゴールドには「健康」「下品な心」「悲しみ」などの花言葉がある。橙色のマリーゴールドには「予言」「真心」などの花言葉がある。マリーゴールド本数別の花言葉の解説
マリーゴールドの花言葉と本数は関係がない。何本でも込められた花言葉の意味は同じである。マリーゴールドの怖い花言葉
マリーゴールドの花言葉には「嫉妬」「絶望」「悲しみ」などの怖い意味もある。特に黄色のマリーゴールドには「裏切り」の意味もあるが、これはキリスト教が広まっている国では黄色が裏切りを象徴する色と見なされているためである。元々はユダヤ人を蔑むために黄色がネガティブな意味で用いられていたが、ダヴィンチの「最後の晩餐」などキリストを題材にした絵画でユダの衣服を黄色で描くようになってからは裏切りの意味も込められるようになった。ユダはキリストからもっとも信頼されていた弟子である十二使徒の一人だったが、金目当てでキリストを裏切った。このエピソードにより、ユダが着用した衣服と同じ黄色のマリーゴールドに「裏切り」の花言葉がつけられたとされる。また、ユダはキリストの知性やカリスマ性に嫉妬して裏切ったという説もあるため、花言葉にも「嫉妬」が用いられている。キリストの立場で見れば信頼していた特別な弟子に裏切られた形になることから、「絶望」「悲しみ」などの花言葉も当てはまる。「絶望」「悲しみ」などネガティブな感情を意味する花言葉はギリシャ神話における、太陽神アポロンが関係した報われない恋心の話が大元だ。話は複数あるが、そのほとんどが人間や妖精など神以外の存在がアポロンに恋心を抱くものの、結局は結ばれずに悲劇的な形で関係が終わってしまう内容になっている。そこから「絶望」「悲しみ」などの花言葉が誕生したとされている。
「絶望」の花言葉はメキシコのお祭りである「死者の日」も関係している。「死者の日」は日本のお盆に似たお祭りであり、あの世から死者の魂がこの世に戻ってくる日である。魂が迷わずにこの世へ辿り着くよう、故人の自宅や周囲の道路にはマリーゴールドの花びらを敷きつめて目印にする。死者の魂を受け入れる準備ができたことを周りにアピールする意味もあるが、メキシコでは生前に悪事を働いた者の魂は穢れた存在と見なされ、忌避すべき存在として扱われた。そのような魂は「死者の日」が終わるまでこの世に留まり、様々な悪事を働くと言われているが、そこから転じてマリーゴールドには「絶望」の花言葉が用いられるようになった。
あの世の悪い魂が引き起こした悪事はこの世の者では解決が難しく、絶望感をもたらすものである。そこから転じてマリーゴールドにも「絶望」の意味が加わるようになった。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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