ベースステイツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 15:10 UTC 版)
「仮面ライダーフォーゼ」の記事における「ベースステイツ」の解説
フォーゼの基本形態。専用の武器はないが、汎用性が高いため多用される。背面にはジェットパックユニット・スラストマニューバーがあり、空中での姿勢制御を可能としている。 変身に際しては、4個のアストロスイッチをフォーゼドライバーに装填したうえでトランスイッチを右から順に押していき、最後にエンターレバーを倒す。すると変身者の頭上にゲートが出現し、そこから神秘の宇宙エネルギー・コズミックエナジーが降り注いで、スーツを物質化することにより変身が完了する。このとき弦太朗は、決まって「宇宙キターッ!」と叫び、両腕を振り上げて大の字になっていた。 NASAの最新の宇宙服をモチーフとしているので、ボディーカラーは白を基本としている。初期デザインでは1970年代風に、パイプや接続溝などのごちゃごちゃとしたディテールが盛り込まれていたが、そうした手法はすでに『仮面ライダーW』で用いられていたため、より未来風のデザインへと変更になった。当時NASAで開発中だった次世代型宇宙服を参考にして、ベースステイツのボディには筋肉繊維にそったステッチが走っており、冷却用パイプライン兼人工筋肉のアンビリカルサーキュレーターとして設定されている。また、胸から脇にかけて引かれたラインの色は赤を予定していたが、実際にはロケットのプロペラントタンクに用いられるオレンジ色が採用された。 四肢に配置されたモジュールベイスメントは、サターンロケットの側面図をモチーフとしている。それぞれ対応するスイッチの形状と同様のディテールがあり、右腕がサークルモジュール、右脚がクロスモジュール、左腕がスクエアモジュール、左足がトライモジュールという名称となっている。 従来の仮面ライダーに見られた胸パーツ、いわゆるコンバーターラングは廃されており、肩パーツ・タイタニウムフラッパーも硬質なアーマーではない。にもかかわらず、アップ撮影用スーツでは伸びない生地を採用したために肩関節を動かすことすらできなかった。そこでアクション用スーツでは生地の変更などの改良を施すことにより、大胆なポーズを可能としたのである。なお、白い生地は汚れが目立ちやすいのはもちろんのこと、紫外線の影響などによる退色が不可避であり、撮影の質を維持するためにアップ用スーツは2着、アクション用に至っては6着も製作された。 マスク・フォーゼヘルメットは宇宙服ではなく、ロケット型に造形されている。複眼シーバイザーの色はオレンジ色。哀しみを背負うヒーローである仮面ライダーの目元には、「涙ライン」と呼ばれる線が描かれていることが多いが、フォーゼという元気の塊のようなキャラクターにはそぐわないため、ベースステイツには採用されていない。『宇宙鉄人キョーダイン』の「スカイゼル」に似ているという指摘がよくなされていたが、偶然の結果であって意図したものではない。 ツール フォーゼドライバー 仮面ライダーフォーゼの変身ベルト。歌星緑郎が開発したシステムのひとつで、アストロスイッチを制御するコンソールの役割を果たす。通常はバックルのみの状態であるが、装着者が腰に当てることで自動的にベルト・パワーハーネスが伸長して固定される。 バックル中央部にはフォーゼの状態を表示するステイタスモニターがあり、その両脇にアストロスイッチを装填するためのスイッチソケットが合計4基設けられている。装着者から見て右端が右腕用モジュールを作動させるための○型スイッチ用ソケット、右から2番目が右足用モジュールのための×型スイッチ用ソケット、左から2番目が左足用モジュールのための△型スイッチ用ソケット、左端が左腕用モジュールのための□型スイッチ用ソケットである。各ソケットの下には、アストロスイッチの回路を接続状態にするための赤いトランスイッチがある。フォーゼへの変身や、アストロスイッチの力を全開にするリミットブレイクは、ベルト右側のエンターレバーを倒すことで行う。 テレビシリーズの5年後を描いた『ウィザード&フォーゼ』で、教師になった弦太朗が、「あんたには力があるから」と拒絶する風田三郎の心を開くため、賢吾の了解を得たうえで溶鉱炉に投げ捨てたことで失われた。三郎のために必要だったとはいえ、父親の形見を廃棄したことを詫びる弦太朗に対し、賢吾は「フォーゼドライバーは必要なときに弦太朗のもとへ戻ってくる」と慰めるのだった。パソコンのキーボードや考え事をする際にボールペンをカチカチさせる動きなどから、ベルト自体を多くのスイッチが付いたコクピットに見立てて、好きなスイッチをつけることで自分だけのコクピットになるという案となった。半透明の素材であるのも、全体の色のバランスを考慮してのことと、宇宙をイメージしたものである。 デザイン段階では実際のコクピットを参考にする予定だったが、ベルト程度の大きさで機器の一部をそのまま切り取っても面白味には欠けるため、とにかくたくさんのスイッチを操作できる仕様となった。しかしスイッチだけでは動作が小さすぎるので、演出上の「決め」を生む大きな動作のために、飛行機の操縦桿をイメージしたエンターレバーが追加された。40個のスイッチは、玩具に仕込めるギミックが仕様的な都合で限られていたことから、なるべく多くのギミックを取り入れられるか振り分けていった結果、4つのソケットということとなった。また従来は、変身ベルトに光るギミックが盛り込まれていても、玩具を着用する子供自身はそれを直接見ることができなかったため、装着者の視点で発光ギミックを確認できるステイタスモニターが大きく斜めに設けられた。前作『オーズ』の「バースドライバー」が順番にしかユニット音が鳴らなかったことから、その差別化として自在に組み合わせられるようになっている。当初スイッチの穴は数字の形であったが、スイッチが40個になったことから数字ではなく図形となった。 撮影用プロップは、アップ用・アクション用・バイクアクション用などの4種が撮影シーンに応じて制作された。アップ用には可動ギミックがあるものとないものの2種類があり、エンターレバーとトランスイッチが実際に可動する。ステイタスモニターは適宜各ステイツのグラフィックパターンのプリントを入れ替えて使用する。 スーツアクターを務めた高岩成二は、グローブの大きさに対してスイッチが小さいため、スイッチの交換に苦労した旨を語っている。また、変身解除時に上にスイッチをオフにする際にベルトの正面が浮いてしまうことから、腹筋に力を入れて固定するようにしていたという。 必殺技 ライダーロケットドリルキック ロケットモジュールの噴射で加速し、急降下しながらドリルモジュールで敵を貫く。破壊力は15t。 ライダーロケットドリル宇宙キック フォーゼが騎乗したマシンマッシグラーをパワーダイザーで打ち上げ、宇宙空間でライダーロケットドリルキックを放つ。破壊力は45t。 ライダーロケットドリル大宇宙キック ライダーロケットドリル宇宙キック発動後、2度目のリミットブレイクによる追撃。巨大なロケットモジュール型エネルギーの噴射で超加速し、巨大なドリルモジュール型エネルギーをまとった状態で敵を貫く。 青春銀河大大大ドリルキック ライダーロケットドリルキック発動後、さらに3度のリミットブレイクによる追撃。「卒業キック」と称してサジタリウス・ノヴァに叩き込み、天高への支配に終止符を打った。
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