プリフィックスの指定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 06:05 UTC 版)
「日本の呼出符号」の記事における「プリフィックスの指定」の解説
コールサインは、管轄の総合通信局ごと(いわゆる「エリア」ごと)に、JA→JH→JR→JE→JF→JG→JI→JJ→JK→JL→JM→JN→JO→JP→JQ→JSの順番で発給される。JHとJRが先行した経緯はプロの実験局で指定されていない符字列かつモールス符号で打ち易い符字列を選んだためとされているが、 Amateur, Ham, Radio の頭文字を取ったという俗説も存在する。 管轄の総合通信局を表す数字(エリアナンバー)は以下のとおりである。 数字総合通信局都道府県プリフィックス1 関東総合通信局 東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木、山梨 JA1–JS1, 7J1, 8J1–8N1, 7K1–7N4 2 東海総合通信局 愛知、静岡、岐阜、三重 JA2–JS2, 7J2, 8J2–8N2 3 近畿総合通信局 滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山 JA3–JS3, 7J3, 8J3–8N3 4 中国総合通信局 岡山、鳥取、広島、島根、山口 JA4–JS4, 7J4, 8J4–8N4 5 四国総合通信局 徳島、香川、高知、愛媛 JA5–JS5, 7J5, 8J5–8N5 6 九州総合通信局 福岡、佐賀、長崎、宮崎、大分、熊本、鹿児島、沖縄 JA6–JS6, 7J6, 8J6–8N6 7 東北総合通信局 青森、秋田、岩手、宮城、山形、福島 JA7–JS7, 7J7, 8J7–8N7 8 北海道総合通信局 北海道 JA8–JS8, 7J8, 8J8–8N8 9 北陸総合通信局 福井、石川、富山 JA9–JS9, 7J9, 8J9–8N9 0 信越総合通信局 新潟、長野 JA0–JS0, 7J0, 8J0–8N0 信越総合通信局の"0"(ゼロ)は、"O"(オー)と区別するためにØのように斜線を入れた斜線付きゼロで表す習慣がある(0#数字の 0 とアルファベットの O との区別) なお、かつて常置場所以外から運用する場合には、識別信号の末尾に/(斜線、日本では『ポータブル』、外国では『ストローク』と発音)と管轄の総合通信局を表す数字を付けるという通達があった が、現在ではその通達は効力を失っている。しかし、慣例的に多くのアマチュア局が移動運用時にこの通達を準用している。(例 : JK2ABC/1は、常置場所は東海管轄、実際の運用地点は関東管轄である。また、JK2ABC/2は、常置場所を離れて東海管轄内で運用している意味となる)。 関東総合通信局管内ではコールサインが払底し、ついに無線局免許状の未更新(更新手続き失念や開設者の物故など)による期限切れのコールサインが再指定されるようになった(従来は自動車のナンバープレートと同じで、再使用はなかった。1回目 : JE1から、7K - 7Nの指定をおいて、2回目 : JA1から)。次いで、近畿、東海、九州の各総合通信局管内でも同様の措置が取られている。再指定に際しての発給は、初回とは異なり「純粋な」アルファベット順でJA→JE→JF→JG→JH→JI→JJ→JK→JL→JM→JN→JO→JP→JQ→JR→JSとなる。当初はJAは再指定外であったが、1999年以降は、JAから再指定されている。再指定が開始されたプリフィクスをエリアごとに古い順にまとめると、以下のようになる。 関東(再指定1回目) JE1から 近畿 JE3から 東海 JE2から 九州 JA6から 関東(再指定2回目) JA1から JA、JE - JS 通常、用いられる。 JB(未使用) 国際電信電話(現KDDI)の実験局が「JB+1数字+最大3文字」の形のコールサインを用いていたため、アマチュア局では用いられない。 JC(未使用) 一時期、プロアマを問わず指定を「留保する」とされていたため、使用されなかった。現在もアマチュア局では使用されていない。 JD JD1として、小笠原諸島(父島・母島の他に、西之島・火山列島・沖ノ鳥島・南鳥島を含む)に指定される。これは、これら島嶼の日本への主権復帰に際し、日本本土とは別のプリフィックスを郵政省に指定してもらったため。その背景は、DXCC 上で、アメリカ施政権下の小笠原諸島に引き続き、小笠原諸島を日本列島とは別カントリー(現「エンティティー」)としての地位の存続を図るため だった。 JR6 後半のJR6QUA - ZZZが沖縄に指定される。なお、前半のJR6AAA - QQZは九州本土に指定される。 JS6 全て沖縄に指定される。 7J 1976年の沖ノ鳥島ペディションで7J1RLが指定された。これ以降、沖ノ鳥島をDXCC 上、7J1と表したが、1980年12月1日以降は、「JD1小笠原の一部」との扱いになり、JD1とされる。 1985年から1999年にかけては、在日外国人局に指定されていた。爾後は、新規に免許申請する場合、在日外国人であっても日本人と同様のコールサインが指定される。 7K1 - 7N1、7K2 - 7N2、7K3 - 7N3、7K4 - 7N4 関東総合通信局の管轄区域内ではアマチュア局の数が多く、かつ指定されたコールサインが枯渇した際に、上述の順番で用いられた(1990 - 2003年)。本来、プリフィックスの最後の数字は、管轄の総合通信局を表す。しかし関東以外の総合通信局の数字 (2 - 4) であっても、先頭が7K - 7Nで始まる場合に限っては、関東総合通信局の管轄となる。例 : JK2ABCは東海総合通信局の管轄だが、7K2ABCは関東総合通信局の管轄である。 例 : 7K2ABCは関東総合通信局の管轄だが、7J2ABCは東海総合通信局の管轄である。 8J、8N 以下に指定される。行事等の開催に伴い、臨時かつ一時の目的のために運用するアマチュア局。いわゆる記念局。以下の二つがある。なお、サフィックスは1 - 5字の範囲で認められる。ただし、最後の字はアルファベットでなければならない。日本アマチュア無線連盟が開設するもの(アマチュア無線フェスティバル記念局の8J1HAM及び8J1A) 「アマチュア業務の健全な普及発展を図ることを目的とする社団であって、行事等に密接な関係があるもの」が開設するもの。 国際宇宙基地 (ISS) に開設されたアマチュア局と通信を行うために臨時に開設するアマチュア局。いわゆる臨時局。あるいは、「ARISS (Amateur Radio on the ISS) スクールコンタクト のために臨時に開設する社団局」とも。 極地の局。以下は例。8J1RL 昭和基地 8J1RM みずほ基地(現在は基地も使用休止のため保留されている。) 8J1RF ドームふじ基地 アマチュア衛星宇宙局(衛星に載せられている中継機)8J1JAS JAS-1 ふじ1号 FO-12 (廃局) 8J1JBS JAS-1b ふじ2号 FO-20 8J1JCS JAS-2 ふじ3号 FO-29 阪神・淡路大震災後の復旧活動用の局。8J3AAAから免許された。 東日本大震災後の非常通信支援・復旧活動用の局。8J1QAAから8J1QLNが免許された 8M 8Mが用いられるのは例外であり、過去に以下の2例だけがある。8M2000 西暦2000年。3局の同時開設であり、あと2局の8J2000、8N2000にサフィックスを合わせるため。 8M1C FIFAワールドカップ(横浜)。これもサフィックスに一貫性を持たせる(同じ1エリアで、8J1Cが茨城、8N1Cが埼玉で、それぞれ指定された。)ため。 8K、8L(未使用) 指定されていない。
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