プリブリース手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/04 23:34 UTC 版)
「クエスト (ISS)」の記事における「プリブリース手順」の解説
宇宙服を装着する低圧環境下での減圧症を防ぐためには血液中から窒素ガスを排除しなければならない。このため宇宙飛行士が船外活動の前に体内の血流中から窒素を排出するために酸素を呼吸するプリブリースという手順が必要となる。この手順は徐々に改善されており、当初はエクササイズしながら酸素を呼吸すると窒素の排出が早まることからエクササイズ・プリブリースが使われていた。その後、エアロック内を2/3気圧に減圧して一晩過ごすことで翌朝の作業開始を早く行えるようにした「キャンプアウト(camp out)」プリブリースが導入された。2006年4月に、第12次長期滞在のコマンダー、ウイリアム・マッカーサーと第13次長期滞在のフライトエンジニア、ジェフリー・ウィリアムズは、クエストのエアロックで一晩「キャンプアウト」して船外活動に備える新しい方法をテストした。エアロック内の気圧は、通常の14.7psiから10.2psiまで下げられた。この方法に比べると、船外活動に備える以前の方法は、体内から窒素を一掃して減圧症を避けるためには、純酸素で呼吸しなければならない時間が長時間であった。二人が眠りについて4時間後のエラー音で管制官が中止を宣言したが、テストには成功したとみなされ、以後はこの手順が使われた。 2011年のSTS-134の第3回船外活動からはISLE (In-Suit Light Exercise)という新たな手順が導入された。これは宇宙服を装着した状態で手脚を軽く動かすだけの簡単な手順であるが、効果的にプリブリースを行えるようになり、STS-135の船外活動でもこの手順が使われた。
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