コンテスト入選作品
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「スーパーアドベンチャーゲーム」の記事における「コンテスト入選作品」の解説
902-5以降には、創元ゲームブック・コンテストで佳作に入選した作品とその続編が属している。このほかに第2回コンテスト佳作『迷宮の魔剣』や第3回応募作品の刊行が予定されていたが、レーベルの停止に伴い実現することはなかった。 紅蓮の騎士シリーズアムスタリア王国四天王と呼ばれる屈強の騎士の1人、《紅蓮の騎士》グロム・ディードの冒険を描いたファンタジー作品。第2巻のあとがきで次回作の構想が語られていたが、これは実現しなかった。 いずれも、著 : 伊藤武雄 / 絵 : 三好道夫(表紙)、渡部正久(本文) 紅蓮の騎士項目数 : 576 / 1988年 ISBN 4-488-90205-7 王国の宝物庫に賊が侵入し、見張りのバルメイスが殺害された。しかし奪われたのはヒスイの首飾りひとつだけだった。不可解な事件に首をひねりつつも、4通りに解釈できるバルメイスのダイイング・メッセージに従い、四天王は犯人を捜して四方に散る。だが行き着いた先でグロム・ディードが知ったのは、首飾りに秘められた恐ろしい力と、バルメイスこそ偽装殺人で周囲を欺いた強奪犯当人だという事実だった。 第1回コンテスト佳作。冒頭の選択で得られる4種類のボーナス、項目番号に隠された謎、読者自らが呼吸を止めて読み進める毒ガスの充満した迷宮など、さまざまな仕掛けが盛り込まれている。 暗黒の聖地項目数 : 777 / 1989年 ISBN 4-488-90207-3 聖地ブルグムンドが魔の手に落ち、グロム・ディードとの婚礼を間近に控えたアミナ姫が誘拐された。ディードは愛する人を救うため、再び冒険に出る。 本作では腕輪を装備することで魔法の術を行使できる。使用に当たって体力などを消費することはないが、腕輪ごとに設定された魔力の合計値が限界以内に収まる組み合わせでなければならない。 魔界物語シリーズ茂木裕子が温めていた独自の世界観に基づく作品。このシリーズもまた第3巻の予告が実現しなかったが、同人誌として頒布された作品はある。また「アドベンチャラーズ・イン」20号には「魔界物語事典 補遺」が掲載された。 いずれも、著 : 茂木裕子 / 絵 : 三好道夫(表紙)、渡部正久(本文) ベルゼブルの竜項目数 : 857 / 1988年 ISBN 4-488-90206-5 砂漠化にさいなまれるレムリア大陸最大の町ルクレオを救うには、魔界の王城の一角に据えられた像「ベルゼブルの竜」が持つ再生の魔剣アシュナードの力を借りるしかない。人間には危険な魔界を横断して城にたどり着いても、目的を果たすためには魔王の6人の子から剣を解放するための呪文を聞き出さねばならない。 第1回コンテスト佳作。文章はまとまりがよく、表を使った戦闘システムもわかりやすい。しかし物語が単調で、起伏がないのが欠点。 あとがきにて人気キャラクター・コンテストが募られたほか、「アドベンチャラーズ・イン」12号では本書のイラストに隠された文字をつなげて文章にするクイズが実施された。どちらの結果も同13号にて公表。 夜の馬項目数 : 640 / 1990年 ISBN 4-488-90209-X 旅の剣士が森の中で拾ったペンダントは、商人が《夜の馬》サマオーンの呪いで姿を変えられたものだった。呪いを解いた暁に得られる報酬と名声を約束され、剣士はサマオーン討伐に向かう。 人間が魔界を来訪する前作と異なり、主人公は魔界の住人である。また、時代設定は前作より昔になっている。巻末には「魔界物語事典」が抄録された。 第2回コンテストに出品されたが、『ベルゼブルの竜』の続編だったため一般の選考からはずされた経緯がある。 宮原弥寿子作品宮原弥寿子は『少年と鷲』で第1回コンテスト佳作入選を果たしているが、これは刊行されなかった。以下の2冊はそれぞれ独立した作品であり、公式にはシリーズとして扱われていない。しかし『ギャランス・ハート』は『エクセア』のはるか後代の物語であることが劇中で明かされている。また『ウォーロック』Vol.36掲載の「さらば青竜」とも関連している。 エクセア絵 : 三好道夫(表紙)、渡部正久(本文) / 項目数 : 647 / 1989年 ISBN 4-488-90208-1 公国エクセアは大国ファンデムの侵攻を受ける直前、跡形もなく消えうせてしまった。事情もわからずにただ1人残されたエクセア王子ラストーレは、傭兵に身をやつして糊口をしのいでいたが、ファンデム王亡き後の3人の王女の婿選びに名乗りを上げた。自らがファンデム王族となることで、かの大国が危険でなくなれば、再び祖国を目にできるのでないかという期待を胸に抱いて。 前半では、王女の伴侶になるための試練として「聖なる森」の迷路を攻略する。後半では、エクセアの謎を解き明かし闇の国ジュナンへの対抗手段を得るため旅に出ることになる。 巻末にて聖なる森で相対するライバルの人数当てクイズが実施され、解答は「アドベンチャラーズ・イン」20号で発表された。 ギャランス・ハート絵 : 米田仁士(表紙)、野上克也(本文) / 項目数 : 520 / 1992年 ISBN 4-488-90211-1 女傭兵アリス・カエンが引き受けたのは、世間知らずの僧侶キーアを危険な「妖魔界」に送り届けるという仕事だった。 キーアには主人公アリスにはない独自の能力値EP(感情値)が設定されており、彼の精神状態によって魔法の効果が変化する様子を表している。 なお、本書が最後のスーパーアドベンチャーゲームブックとなった。 第七の魔法使い著 : 新井一博、堀蔵人 / 絵 : 米田仁士(表紙) / 項目数 : 408 / 1992年 ISBN 4-488-90210-3 魔女ダウマヌスに祖国ヴィアドを奪われた放浪の王子。魔法使いとして立派に成長した彼は、祖国を取り戻すため魔女に立ち向かう。 第1部では、敵の支配下にあるヴィアドに入るまでを描き、戦闘は剣や杖を振るう「肉体戦闘」で行われる。主人公が世界を見守る《七賢人》の1人として覚醒した第2部では、システムは「魔法戦闘」に切り替わる。強力な術ほど体力の消費が激しく呪文詠唱に時間がかかるため、敵に応じて最適な魔法を選ぶことが重要となる。 本書は、新井一博が3人の仲間とともに応募した第2回コンテスト佳作『ウォーロック・サーガ』を、ゲーム作家堀蔵人の協力で改作したものである。
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