グラージ
グラージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 15:51 UTC 版)
「ゼントラーディ軍の兵器」の記事における「グラージ」の解説
リガードより上位機種に相当するワンマン戦闘ポッド。おもに指揮官用として運用され、作中では勇猛果敢な指揮官カムジン・クラヴシェラの愛機として登場する。塗装は胴体が白地に赤。腕部および脚部は灰。 銀河帝国分裂戦争の初期、兵器開発競争の最後期に登場した機体で、前線での戦闘データをもとに設計されている。兵装も豊富で特にドッグファイトに優れているが、オプションで空戦用大型ブースターが装着でき、重力下での高機動戦闘にも対応可能である。 運用評価が高く、最盛期には相当数が生産され、前線では一般的に見られるポピュラーな兵器だった。しかし、28万周期前に監察軍のロイコンミ自動兵器工廠攻撃によりグラージ自動製造ラインが破壊されたため、修復技術を持たないゼントラーディ軍の中では希少な兵器となった。 コクピットはリガード同様、胴体前面に備えた赤い単眼式カメラアイで外部を視認する閉鎖型だが、搭乗は上部ハッチを跳ね上げて入り込むので身を屈む必要はない。操縦はやはりワイヤーによる手動式の部分も多いが、シートはゆったりとしており、パイロットが受ける疲労度はリガードよりもはるかに軽減されている。 武装は両腕部に当たる兵装スポットへ大口径と小口径のインパクトキャノンが1門ずつ。主砲として上部に旋回式の単装荷電粒子ビーム砲。胴体へ対人レーザー機銃2基に小型ミサイルランチャーが左右に3基ずつと、長距離から接近戦までレンジを問わず、オールマイティに対応している。 テレビ版 カムジンのグラージは3,700周期前に兵器倉庫を開いた際に発見された、新品同様の代物である。カムジンは個人的にこの機体を3機所有しているとされているが、劇中においてその乗機は、火星での戦闘と地球でラプラミズに貸与された際にそれぞれ失われる。 カムジン搭乗機以外では、序盤の地球降下のためブリタイ艦隊から発進した部隊に配備されていたり、また工場衛星奪取作戦時にはブリタイ艦側に少なくとも1機、ダガオ艦隊側に少なくとも2機が描かれている。 派生型 空戦用大型ブースター装備型 機体後部を包み込む形で大型のブースターを接続し、空戦ポッドなみの飛行能力を獲得した型。グラージ本来の火器すべてがそのまま使用可能なほか、ブースター本体へ装備された多数のミサイルランチャー(側面8基、底部4基、上部4基)が追加される。被弾時などによるブースターとの任意の接続解除(緊急投棄)可能かは不明。劇中ではカムジンが空戦ポッド部隊を率いて、地球大気圏内のマクロスへ攻撃を掛ける。 発展型 第一次星間大戦終結後、ゼントラーディ人の一部は地球人類と共存社会を築くが、軍備面でも両種族の兵器の融合体が開発される。ゼントラーディ軍の名機グラージも新統合軍に使用される。また、グラージをベースにした3段変形の可変戦闘機も開発される。バリアブル・グラージ ドリームキャスト用ゲーム『マクロスM3』において、マクシミリアン・ジーナスとミリア・ファリーナ・ジーナスの養女モアラミア・ジフォンが使用する。2018年の惑星クリストラニアが舞台のSTAGE2でゼントラーディ反乱分子が地球技術を得て開発した秘密兵器として登場。モアラミアの統合軍編入後はダンシング・スカル隊の一機として活躍する。 機体の基本形状・変形機構はネオ・グラージとほぼ同一。各部の造作が細かくなっているほか、本作ではバトロイドモードも使用できる。バリエーションとして、グラージ同様に巨人サイズのコクピットを持つ機体と、統合軍に接収されマイクローンサイズのコクピットに改造された機体がある。 ネオ・グラージ 2040年を舞台とするプレイステーション用ゲーム『マクロスプラス -GAME EDITION-』に登場する。プレイヤーがイサム・ダイソン編を選ぶと、最終ステージで迎撃機としてYF-19と対戦することになる。小太刀右京の小説『マクロス・ザ・ライド』では、2010年代にゼントラーディが開発した機体をAVF計画でマクロス・コンツェルンが完成させた機体と説明されている。分冊百科『マクロス・クロニクル』では、ゴーストX-9同様シャロン・アップルに操られたAI搭載の無人機とされている。 機体はグラージの基本形状をガウォークとし、三胴形状のファイターへ変形する。腕部と脚部が重なりエンジンブロックを形成する変形システムは、同じ三胴機であるVF-4ライトニングIIIと相通ずる。ゲーム中2段変形までなのはゲーム機のポリゴン性能の制約のためで、バトロイドモードのデザイン案も考えられていた。なお、設定的にはバリアブル・グラージの方が先だが、実際のデザインはネオ・グラージのほうが先に作られている。 小太刀右京の小説『マクロスフロンティア』では、ゼントラーディ人で構成された第33海兵部隊に配備されており、叛乱の首謀者であるテムジンが搭乗する(テレビアニメ版ではクァドラン・レア)。 グラージ改 2047年を舞台とする『マクロス デジタルミッション VF-X』に登場する。大型化し、リガード改同様の改造が行われている。ゲーム中には通常の敵として出現する「グラージ・ノーマルタイプ」と、ステージのボスとして出現する青色の「グラージ・スペシャルタイプ」が登場する。 VBP-1/VA-100 ネオ・グラージBis 2058年を舞台とする『マクロス・ザ・ライド』に登場するネオ・グラージの改修型。腕部にはクローが追加され、エネルギー転換装甲やピンポイント・バリアも搭載されている。ゼントラーディ巨人用のVBP-1とマイクローン・パイロット用のVA-110が存在するが、メルトランディでなければ真の力を発揮できないと言われている。劇中ではファスケス艦隊の首魁ナレスワンが搭乗する。 スーパー・グラージ 2067年を舞台とする『マクロスΔ』に登場するタイプ。右腕がクァドラン・タイプのマニピュレーターと高速回転式3砲身レーザー・パルス・ガンに換装されている。機体上部の超長距離荷電粒子ビーム砲は2門に増設されている。惑星アル・シャハルに駐屯する新統合軍のゼントラーディ人が使用している。
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