クレーマー関連の問題事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 09:20 UTC 版)
「クレーム」の記事における「クレーマー関連の問題事例」の解説
クレーマーが常習化することで、関係者が事件を起こしたケースがある。また不当な請求という問題も多方面で発生している。 2003年に東急不動産の物件を購入した者が、隣地に建造物が建つことは知らなかったとして訴訟を起こし、原告の実質敗訴(訴訟は和解成立により終結)となった案件に関して、原告が東急不動産ならびに関連企業である東急コミュニティー、また訴訟において東急不動産側の証人となった人物の転職先であるアソシアコーポレーションに対する誹謗中傷サイトを無数に立ち上げ、各社の営業を執拗に妨害するという事件が発生した。 2004年9月には、東京都足立区に本社を置くパチンコ店系列の牛丼チェーン店(FC店)の店長が、日常的にクレームを行っていた客に対しストレスを感じ、その客を刺殺するという事件が発生した。同事件では弁当注文の際に「水が出されなかった」ことや「弁当が横になっていた」ことを理由に、被害者が前日より十数回立て続けに電話で苦情を述べ、他にも別のクレームで8月末頃より同店長をたびたび自宅へ呼び付け謝罪を要求するなど、トラブルが続いていた。このトラブルで頻繁にクレームをつける被害者に腹を立てた加害者が、刃物で十数か所を刺して殺害している。後日加害者の店長は殺人容疑で逮捕・起訴され懲役10年が確定している。なお現在、当該企業は牛丼店を運営していない。 2009年頃から大阪市住吉区役所において、同市の不適切な資金管理が判明したことをきっかけに、当時同区に居住していた男性が、多数の電話を掛けたり何度も区役所を訪問するなどして、膨大な情報公開請求や職員への暴言などを行った。これらの行為で職員が心身に不調を来すなどするようになった職員もいたとされる。同市は業務を妨害されたなどとして、当該の男性を相手取り大阪地方裁判所に訴訟を提起。大阪地裁は2016年6月15日付で市の訴えを認め、男性に威圧的要求の禁止や損害賠償の支払いを命じた。 2010年には、三重県で中学の長男が校内でけがをしたことに言い掛かりをつけ、教諭らから現金を脅し取ろうとしたとして、男が恐喝未遂の罪に問われ、津地方裁判所は25日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。判決理由で裁判官は「執拗に教諭らの自宅のインターホンを鳴らすなど、迷惑を全く省みない犯行で悪質」と指摘。判決によると、市立中に通う長男が部活動の休憩時間に傷を負ったことに因縁をつけて、校長や部活動の顧問の男性教諭宅に無断で押しかけ、「タクシー代がかかった」、「マスコミや議員に全部ばらす」などと怒鳴った。 2014年に大阪府のファミリーマートで店員の態度を理由に、店長・店員らに土下座させたうえで6カートンのタバコを脅し取った男女4人が恐喝・恐喝未遂で有罪判決を受けた。事件は最初に発端を作った30代女の娘が店長らの土下座動画を公開したことで知られた。娘は恐喝加担の罪で中等少年院に送致されている。女は「両親には孫のことまで心配させ、ネットで素性が暴かれたことで肩身の狭い思いもさせた。恥ずかしいことをしたと思う」とうなだれた。法廷で過去の成功体験から「客に謝罪するのに土下座と手土産は当たり前」「営業所長から200万~300万円は受け取れると思った」と考えていたことをしている。 2015年には、パン店やケーキ店など全国の約1,200店に「髪の毛が入っている」などの内容の虚偽のクレームの電話を約7,000回に渡ってかけ、商品や現金などを騙し取っていたとして、兵庫県警察が伊丹市在住の無職の女を詐欺容疑で逮捕している。 2019年6月に京都府向日市の福祉事務所の人柄にも能力にも定評があった20代のケースワーカー男性が、担当していた50代クレーマー生活保護受給者に精神的な支配を受けた上で、命令で行ったクレーマーが暴行死させた同居女性の死体遺棄容疑で逮捕された事件が起きている。 2019年12月には滋賀県米原市において、福祉事務所の人柄と能力で評価されていた20代のケースワーカー男性が、担当していた「親族が暴力団関係者」と称する20歳代の受給者男性から2カ月にわたって不当要求に応じさせられた末に、クレーマー受給者を刺して負傷させて執行猶予判決を受けている。 2021年には市役所の生活保護担当者を怒鳴るなどで市職員の間で「ハードクレーマー」として有名だった50代の生活保護受給者夫婦が、約2年8か月もホテル宿泊費用を盛岡市から生活保護費の住宅扶助計として、約1440万円違法受給した詐欺罪で起訴されている。
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