クレーマー側の心理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 09:20 UTC 版)
クレーム現象には多くの場合怒りが伴っている。社会心理学のカペンスとメックレンは怒りの生起に関わる主要な認知要素として、自尊心への脅威、他者への責任帰属、欲求不満を挙げている。サービス享受者の怒りは提供者から提供されたものに過失や不備を見いだし、その出来事を重要視し、不快に感じるために生起すると言える。また、苦情の申し立てに対する提供者の対応によっては怒りを増幅させ、更なるクレームの申し立てへと発展する。 怒りが動機ではなく、金銭など利益の取得を目的としたクレームもある。この種のクレームは、そのクレームが実現可能かどうかを見積もり、クレームを実行する自己のイメージが既存の自己イメージと一貫しているかを確認し、予想される利益が申し立てに費やすエネルギーを上回るかどうかを査定する、といった判断を経て意思決定される。 クレームの初期段階では享受者には匿名性が確保されており、その心理状況が攻撃的なクレームを助長していると考えられる。一旦表明された苦情は上記の自己の一貫性の確認を経て確信を得るため、享受者の匿名性がクレーム処理の過程で失われてもその苦情が収まる保証は無い。
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