ガーベイ一族
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「機動戦士ガンダムUC」の記事における「ガーベイ一族」の解説
マハディ・ガーベイ 「ドバイの末裔」たるガーベイ一族の長。ロニ、アッバス、ワリードの父。58歳。精悍な顔と冷たく力強い眼光、印象的な口髭が特徴。イスラム教徒。イスラムの慣習に従って複数の妻を娶っている。 太陽光発電を基幹産業とする巨大企業ガーベイ・エンタープライズの会長という表の顔を持つ一方で、裏では反連邦の志を掲げてジオンやネオ・ジオンのシンパとして活動を援助する。その見返りとしてネオ・ジオンが開発を断念したシャンブロの設計図を入手し、巨費を投じて完成させる。加えて白人と白人社会も憎悪し、彼らの信ずる神を殺した連邦政府に復讐心をたぎらせ機会を狙っていた。 ダカールにおけるラプラス・プログラムの発動に協力するためフロンタルに接触する。しかしこれはただの口実に過ぎず、白人社会の象徴たる連邦政府の首都の壊滅が真の目的であった。3人の子と共にシャンブロに乗り込んで私怨による破壊と殺戮を繰り広げ、破壊する必要もない無関係なホテルの破壊をも実行させる。しかし、娘ロニが銃を手に止めようとしたためこれを射殺。直接操縦に切り替えたリフレクター・ビットを再展開するもユニコーンのサイコミュジャックで無力化され、ユニコーンとデルタプラスの一点突破攻撃によりシャンブロは敢えなく破壊され、残りの子達と共に死亡する。 アニメ版には未登場。残党をまとめ上げた元ジオン軍人にして資産家という設定に変更されており、「地球連邦軍のジオンの残党狩りによって投降を許されずに死んでいった」とロニの口から語られている。 『バンデシネ』には小説版とほぼ同一の設定で登場。容姿が精悍で若々しいものから傷のある荘厳なものに変更され、車椅子が必要な体となっている。 ロニ・ガーベイ 声 - 伊瀬茉莉也 マハディの娘。18歳。褐色の肌にウェーブのかかった黒髪と、オードリーのようなエメラルドの瞳を持つ美少女。聡明でシニカル、体制に極めて批判的で父の思想に共鳴するところが大きいものの、子供好きで心根の優しい面も持つ。ニュータイプとしての高い素養を持ち、シャンブロのリフレクター・ビットを担当する。ダカールを訪れたバナージとジンネマンの案内役となり、ユニコーンの乗り手であるバナージの真っ直ぐな感性には共鳴して互いに好意を寄せあう。 ラプラス・プログラム発動のため、父や兄たちと共にダカールの街を火の海に変えるが、阿鼻叫喚の地獄絵図をサイコミュで受信し続けたことで父への服従に耐えきれなくなり、殺戮に酔いしれる父を止めようとして逆に射殺されてしまう。しかし彼女の遺志がバナージを導き、コックピットをビーム・マグナムで撃たれ戦死。この時、バナージはロニがシャンブロに搭乗していることには気づいておらず、後にインダストリアル7におけるラプラスの箱防衛の際に、拡張した意思によってその事実を知った。 アニメ版ではヨンム・カークスの部下の少尉として登場。マハディ死後からヨンムの庇護を受けている。両親を地球連邦軍に殺された復讐のために、父の遺したシャンブロを完成させ搭乗している。そのためシャンブロのコックピットが単独操縦機に設定が変更されている。トリントン基地襲撃の最中にマハディの怨念でサイコミュが暴走、民間人も見境無く攻撃してしまうが、バナージの必死の説得により一時は停止する。しかしその直後に唯一の家族とも言えるカークスが撃墜されたのを察知して再び暴走。デストロイモードとなったユニコーンと対峙し、共にサイコ・フィールドを発生させ激突する。デルタプラスに乗ったユニコーンが迫り来るが、最後はバナージの呼びかけとカークスの思念によって正気を取り戻し、発射したメガ粒子砲をリフレクター・ビットで拡散させユニコーンへの直撃を避ける。しかし、ロニの悲しみを受け止めて撃つことができなかったバナージを見かねたリディによってコックピットを撃ち抜かれ、死亡する。 マハディによれば、ロニの母親は一年戦争終結後の混乱期に、難民キャンプでムスリムの女性を辱めようとした連邦軍兵士を殺害し、死刑に処されている。 アニメ版でのバナージとロニは、戦闘中にはニュータイプ的な交感で繋がり合うものの、原作小説と異なり、戦闘前には二人の接点が薄く変更されている。古橋は、脚本を読んだ当初は二人の交流が足りないと感じるも、制作を進めるうちに時間に制約のあるアニメ版では「変に接点がない方がいいのでは」と考えが変わっていったという。このように変更した理由は「一言でいうと『知り合いだから救うのか?』ということですよね」ということと、「ep4について言うなら、バナージの目的はまず蛮行を止める所にある。そうしないと、ep3で自分がやってしまった過ちが目前で繰り返されることになる。ロニは、怒りに呑まれたあの時の自分そのものだから」といった側面を強調するためとのこと。その結果、相手が知り合いであろうとなかろうと「そこでそういう行動を取れるからこそ、バナージは主人公の資格があるのではないかと思う」と発言している。 『バンデシネ』には小説版とほぼ同一の設定で登場。だが小説とは異なり、バナージにシャンブロのパイロットである事を明かしている。 アッバス、ワリード 小説版にのみ登場。マハディの息子たちで、ロニの兄に当たるがそれぞれ母親は異なる。作中ではフルネームで表記されない。アッバスがシャンブロの操縦担当で、ワリードが索敵担当。ユニコーンにコックピットを撃ち抜かれ、マハディとともに戦死(ただし明確な描写はない)。 アニメ版では、シャンブロがロニの単独操縦となったため登場しない。『バンデシネ』では数人の兄がいたことは示唆されるが、すでに連邦との戦いで死亡したとされる。
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