イギリスのメーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 03:06 UTC 版)
「マイアミ・バイスのフェラーリ」の記事における「イギリスのメーカー」の解説
E.G.オートクラフト E.G.Autocraft車名:アロースパイダー Allow Spyder スペイン系のエミリオ・ガルシアが、1987年にウェールズに起ち上げた高級車専門のカスタムビルダー。数あるデイトナレプリカの中で最も正確にオリジナルを再現していると言われる。 365GTB/4(クーペモデル)をスパイダー(オープンモデル)に改造する仕事を何件か請け負ううちに、自分で365GTS/4の複製を作ろうと考えはじめた。そこでフォードGT40の見事なレプリカを作った経歴のある同業者のピーター・ジェイコブスを招き入れ、ジャガーXJ12をベースにしたアロースパイダーを完成した。 彼の徹底ぶりはリトラクタブルヘッドライトの採用や多くの箇所にフェラーリ純正部品をそのまま取り付けられる精密さに見られるが、最も特筆すべきは他のレプリカメーカーが手を出さなかったベルリネッタ(クーペ)を製作した点である。ボディの素材をFRPからアルミに変更するオプションもあった。しかし職人気質のガルシアには会社を拡張する術がなく2年後の1989年には経営難に陥ってしまった。ガルシアとジェイコブズは他にヒルクレストクラシックス Hillcrest Classicsというブランドも展開していたが、経営が危ぶまれたときガルシアはドイツに逃げてしまいジェイコブズが事業閉鎖の手続きに追われたという。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}E.G.オートクラフトを買収した会社は社名をアロースパイダーに変え、1991年までアロースパイダーの販売を続けた。最終的に73台のアロースパイダー(うち7台が右ハンドル)、7台のアローベルリネッタを販売した。[要出典] L.R.ロードスターズ L.R.Roadster車名:ラムR/T Ram R/T 1984年にエイドリアン・コッキングによって設立された。 カーレーサーのエイドリアン・レイナードに設計を委託してジャガーXJSをベースにしたラムR/Tを製作した。本物から採寸しフェラーリ純正のフロントウィンドシールドを使用するため完成度は非常に高い。トノカバーの下に小さな後部座席を追加するオプションもあった。 1987~1990年に市場に投入されたがフェラーリ社の訴訟問題と重なったせいで30台程度に終わった。 その後はラムSC(ACコブラ)、ラムLM(ジャガーDタイプ)、ラムSS(ジャガーXKSS)などの精巧なレプリカモデルを作り続けて成功を収め、ラムSCの販売数は1,500台以上に及んだ。現在はリアム・エンジニアリングに社名変更してウスターに拠点を置く。 「:de:Realm Engineering」を参照 サザンロードクラフト Southern Roadcraft車名:SR V12 1984年、イングランド南部ウェストサセックスにイアンとブライアンのニコルズ兄弟が起ち上げたビルダー。 先にSR V8(ACコブラのレプリカ)で成功した彼らは「マイアミバイス」で人気が上昇しているデイトナに興味を持った。そこでマクバーニーコーチクラフトの英国代理店になろうと考え”カリフォルニアデイトナスパイダー”を1台購入したのだが、想像していたよりも完成度が思わしくなかったためそれを基本に自分たちで作ることにした。 ベース車両には米国製コルベットよりも扱いやすい自国のジャガーXJ12を選び、フレームはエンジン周辺を残すのみでほとんどを鋼管フレームで新規設計した。この分野は過去にハンセンエンジニアリング(F1フォードのメカニックデザイン担当)に勤めていたブライアンが得意とするもので、走行性能はオリジナルのXJ12を上回るという。 フロントウィンドシールドはトライアンフTR7から流用してマクバーニーには無かった三角窓を再現し、アルミホイールもホイール専門のビルダーに委託した。マクバーニーを参考にしているためドアの長さやトランク周りの形状が本物とは若干異なるが、本物の365GTS/4を熟知していなければ外観での判別は難しいという。ただ残念なことにシート位置が若干高めなため身長180cmを超えるドライバーだとフロントウィンドシールドの枠より頭が出てしまう難点がある。 SRV12は1993年までに120台が生産された。[要出典] サザンロードクラフトは1994年に買収されロードクラフトUKに改名、2003にはマッジウィックカーズ Madgwick Cars がSR V8(ACコブラ)の生産ラインを引き継ぎ現在も販売中である。[要出典] ロビンフッドエンジニアリング Robin Hood Engineering車名:RSデイトナ RS Daytona ロビンフッドエンジニアリングはイギリス中心部ノッティンガムシャーに1984年に開業した。 オーナーのリチャード・スチュワートは最初V8エンジンのローバーSD1を選んだ。フレームを切り詰めホイールベースを短くする作業だけで3ヶ月も要したという。しかし完成品に満足できず改めてジャガーXJで作り直した。 他のメーカーはフレームを新規に作るのに対し、ロビンフッドはジャガーのラダーフレームを切断して再び溶接する方法をとった。これは強度面でリスクが高いと言われていたが保証期間を3年にして製品への自信を示した。実車をミリ単位で採寸しフロントウィンドシールドはフェラーリ純正品を使用。さらにボディをFRPではなくスチールを採用するなど技術の高さを窺うことが出来る。このRSデイトナは40台製作された。 リチャード・スチュワートは1987年頃から方向転換を図り、トライアンフTR7をベースにしたS7(ロータスセブンのレプリカ)に本腰を入れ1996年と1997年には年間500台以上の販売台数を記録している。なお、同じ時期にトライアンフTR7をベースにしたデイトナスパイダーの広告を出しているが実際に販売されたかは不明である。 しかし1998年からキットカーや並行輸入車は認証を得なければ公道の走行を認めないというSVA(車両認証制度)がイギリスで施行される。これにより全てのキットカーメーカーは大打撃を受けロビンフッドの売上も急降下した。2006年にグレート・ブリティッシュ・スポーツカーズに買収された。
※この「イギリスのメーカー」の解説は、「マイアミ・バイスのフェラーリ」の解説の一部です。
「イギリスのメーカー」を含む「マイアミ・バイスのフェラーリ」の記事については、「マイアミ・バイスのフェラーリ」の概要を参照ください。
- イギリスのメーカーのページへのリンク