アリゾナ時代
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「アリゾナ・カージナルス」の記事における「アリゾナ時代」の解説
アリゾナへ移転を果たしたものの、貯蓄貸付組合からの資金調達ができず、新スタジアム建設は果たせなかった。そのため、テンピにあるアリゾナ州立大学が所有するサンデビル・スタジアムを本拠地とした。アリゾナに移転してからもチームはNFC東地区に所属した。そのためロードゲームにおける移動距離はNFL一であることが多かった。また73,000人収容可能なスタジアムに観客は平均35,000人しか入らずチケットが完売するのは平均して年に8試合中2試合ほどであった。 1994年3月に現在のアリゾナ・カージナルスと改称した。 2002年にヒューストン・テキサンズが加入した際の地区再編でそれまで所属していたNFC東地区からNFC西地区に移った。この年のドラフト3巡目でQBジョシュ・マカウンを指名した。2004年、ドラフト1巡目全体3位でピッツバーグ大学WRのラリー・フィッツジェラルドを獲得した。 2006年からはアリゾナ州の外部団体が所有する、ユニバーシティ・オブ・フェニックス・スタジアムに本拠地を移した。フェニックス大学は命名権を有するだけで、この後、カーディナルスは大学チームとスタジアムを共用してはいない。 2007年、ピッツバーグ・スティーラーズのオフェンシブ・コーディネーターだったケン・ウィゼンハントがヘッドコーチに就任した。NFLドラフトでは、1巡目全体5位でペンシルベニア州立大学のOTリーバイ・ブラウンを指名した。 2008年、ドラフトでは1巡目(全体16位)でテネシー州立大学のコーナーバックドミニク・ロジャース=クロマティを指名した。シーズンでは、1975年以来で、NFC西地区では初となる地区優勝を果たした。地区優勝を決めた後、調子を落としたもののプレーオフに入ってからQBのカート・ワーナーやWRラリー・フィッツジェラルドらの活躍、レギュラーシーズン不振だったディフェンスのがんばりでアトランタ・ファルコンズ、カロライナ・パンサーズ、フィラデルフィア・イーグルスを破りピッツバーグ・スティーラーズと第43回スーパーボウルで対戦した。前半終了間際、ワーナーのパスがエンドゾーンでインターセプトされ100ヤードリターンタッチダウンをされるなど大きくリードされたがその後フィッツジェラルドへのTDパス2本が決まり逆転を果たした。しかし終了1分を切ったところでスティーラーズの逆転タッチダウンが決まりスーパーボウル初制覇はならなかった。 2009年、チームは2年連続で地区優勝を果たし、シーズンでは10勝6敗とアリゾナ移転以来の最も良い成績だった。プレーオフでは、ニューオーリンズ・セインツに14-45で敗れた。シーズン終了後、QBのカート・ワーナーは引退した。 2010年のシーズンオフにQBデレック・アンダーソンを獲得、ワーナーの後継として期待がかかっていたマット・ライナート(2006年ドラフト全体10位指名)はシーズン開幕前に解雇された。シーズン開幕後、不安定なアンダーソンに代わりドラフト外で入団した新人QBマックス・ホールが先発を務めることとなった。 2011年、フィラデルフィア・イーグルスからQBケビン・コルブを獲得した。コルブは故障がちでジョン・スケルトンと併用された。ドラフト1巡目全体5位で獲得したCBパトリック・ピーターソンがパントリターンで4タッチダウンをあげる活躍を見せた。オーバータイムでの勝利も何度かあり、8勝8敗でシーズンを終えた。 2012年、開幕直前までケビン・コルブとジョン・スケルトンが先発QB争いを行ったが、両者ともにプレシーズンゲームでは結果を残せないまま、スケルトンが開幕戦のエースQBに指名された。その後、スケルトンが負傷退場、コルブがQBを務める中、1974年以来となる開幕からの4連勝をあげたが、その後9連敗するなど、残り12試合で11敗し、5勝11敗でシーズンを終えた。シーズン終了後、ヘッドコーチのケン・ウィゼンハント、GMのロッド・グレイブズは解任された。後任のヘッドコーチにはインディアナポリス・コルツで病気のためチームを離脱したチャック・パガーノの代わりに2012年シーズン途中指揮を執っていたブルース・エリアンスが就任した。 2013年、2013年ドラフト6巡指名権及び2014年ドラフト条件付き指名権と引き換えに4月2日、オークランド・レイダースからカーソン・パーマーをトレードで獲得した。10勝をするもプレーオフ進出はならなかった。翌2014年は前年を上回る11勝をし、セントルイスに本拠地を置いていた1975年以来最も多くの勝利を上げた。プレーオフでは、カロライナ・パンサーズに敗れた。2015年、コーチインターンとしてジェニファー・ウィルターを採用した。ウィルターはNFL初の女性コーチであると考えられている。シーズンでは13勝を上げ、6年ぶりの地区優勝を果たした。NFCチャンピオンシップゲームではパンサーズに2年連続でプレーオフで敗北した。エリアンスがヘッドコーチに就任して以降、スーパーボウル進出こそ果たせていないものの、レギュラーシーズンは3年連続で勝ち越しを果たした。エリアンスはコルツでペイトン・マニングやアンドリュー・ラック、ピッツバーグ・スティーラーズでベン・ロスリスバーガーを指導するなどQB育成の実績を残してきたが、ここでもハイズマン賞受賞者でありながら安定した成績を残せずにいたカーソン・パーマーを正QBとして成長させ、手腕を示した。 前年の好成績から優勝候補となっていた2016年は、7勝8敗1分と負け越した。2017年もデビッド・ジョンソンやパーマーの怪我もあり、勝ち越すことはできず、2年連続してプレーオフを逃し、エリアンスは退任した。また、QBカーソン・パーマーもこの年限りの引退となった。カロライナ・パンサーズのディフェンシブ・コーディネーターだったスティーブ・ウィルクスが後任のヘッドコーチに就任した。 2018年、シーズン開始前にGMのスティーブ・ケイムが飲酒運転で逮捕され、5週間の停職処分となった。シーズンでは、QBに新加入のサム・ブラッドフォードが起用されるも、4週目からはこの年のドラフト1巡目指名のジョシュ・ローゼンが起用されている。シーズン途中にQBブラッドフォード、オフェンシブ・コーディネーターのマイク・マッコイが解雇された。その結果、地区最下位かつカンファレンス最下位、3年連続でプレーオフを逃した。シーズン後、ヘッドコーチのウィルクスは解雇された。後任のヘッドコーチにはテキサス工科大学の元ヘッドコーチのクリフ・キングズベリーが就任した。 2019年、ドラフト全体1位でオクラホマ大学QBのカイラー・マレーを指名した。マレー指名後、ジョシュ・ローゼンはマイアミ・ドルフィンズへトレードされた。シーズンでは、マレーを先発QBとして起用するも、5勝10敗1分で2年連続で地区最下位となった。 2020年、シーズン直前にヒューストン・テキサンズからWRのディアンドレ・ホプキンスを獲得した。シーズンでは、新型コロナウイルスの流行により、開幕2戦目と3戦目が無観客試合となった。この年は、8勝8敗の地区3位となり、5年連続でプレーオフを逃した。シーズン後、ヒューストン・テキサンズからDEのJ・J・ワット、シンシナティ・ベンガルズからWRのA・J・グリーン、テネシー・タイタンズからCBのマルコム・バトラーを獲得した。 2021年は本シーズンから4試合から3試合に減らされたプレシーズンゲームのうち最終戦をハリケーンによるニューオーリンズの被害により中止とされるも、開幕後はマレーを擁して7連勝を重ねた。終盤5試合は1勝にとどまって地区優勝できなかったものの、ワイルドカードで6年ぶりにプレーオフに進出した。初戦でロサンゼルス・ラムズに敗れた。
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