アリゾナ州とニューメキシコ州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 23:54 UTC 版)
「オオカミの再導入」の記事における「アリゾナ州とニューメキシコ州」の解説
メキシコオオカミ(メキシコハイイロオオカミ)は、アリゾナ州・ニューメキシコ州・テキサス州およびメキシコに分布していた。かつては懸賞金が掛けられるなど駆除の対象となっており、1970年代初めにはほぼ野生絶滅の状態であった。しかしながら、1976年にアメリカ合衆国で絶滅危惧種に指定され、メキシコオオカミに対する評価が変わった。このような背景の下、メキシコとアメリカ合衆国の間で保護繁殖に関する2国間協定が結ばれた。1977年から1980年にかけて、野生に残っていた全ての個体が捕獲され、既に動物園で飼育されていた個体とともに繁殖プログラムが開始された。一方、1982年には野生回復計画が作成され、少なくとも100個体のメキシコオオカミの自立した野生個体群を作り上げることが目標になった。 1980年代を通して再導入の準備が続けられ、最終的な環境影響評価書が完成したのは1996年である。この時、東アリゾナのアパッチ国有林と西ニューメキシコのヒラ国有林が再導入に適切な地域として選定された(二つの国有林を総称して 'Blue Range Wolf Recovery Area' という)。また、北ロッキー山脈地域と同様に、再導入されるオオカミは「実験的個体群」と規定された。 1998年3月29日、11頭のメキシコオオカミが Blue Range Wolf Recovery Area に放された。その後も再導入が続けられており、2010年にはこの地域で50頭のメキシコオオカミの生息が確認されている。さまざまな要因で計画通りに回復が進んでおらず(当初計画では2006年に100頭を達成する目標だった)、2010年から手続きの見直しが行われた。現在、繁殖プログラムによって動物園や保護施設で飼育されているメキシコオオカミは300頭以上である。
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