アスラン王家の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 04:53 UTC 版)
「エリア88の登場人物」の記事における「アスラン王家の人々」の解説
ザク・ヴァシュタール アスラン国王。アブダエルの弟でサキの叔父。 先王の死に際して国王に指名される。大らかで温厚な人物ではあるが、外国資本により国が荒らされるの恐れ、政治的には保守的な立場を取っている。妻子の存在は不明だが、サキの身を実の息子のように案じている。 物語中盤で反政府軍に首都を占拠され王宮を脱出。サキの手配により(本人の意思に反して)一時国外に亡命した。 プロジェクト4壊滅後の新アスラン誕生時、王政廃止を念頭に入れて首相となり、そのまま共和制へ移行させた(安田の台詞)。 アブダエル・ヴァシュタール 反政府軍のリーダー。アスラン国王ザクの兄で、サキ、リシャールの父。 アスラン内戦は、先王が王位の継承者として弟ザクを選んだことを不服としたアブダエルが始めた戦争である。外国資本を導入し、アスランを改革しようと考えていた。 あまりに急進的な改革・近代化を目指して外資の導入を必要としていたことには理由があった。血液ガンに冒された妻のソリアを治療すべく、彼女を冷凍保存体として霊廟に移したうえで医学の進歩を待ち、その過程で確立された技術をアスランに導入して彼女を救おうとしていた。 内戦勃発後はスウェーデンに亡命していたが、プロジェクト4による武力介入で制圧されたアスラン首都にジェット機で帰還。新国王として再びアスランの土を踏むも神崎の謀略で霊廟に安置されていた最愛の妻・ソリアの棺を弟のザク国王派により焼き払われたと思い込まされ、激情の中追撃を命令したものの、多くの同胞を犠牲にしてまで助けることを願った妻を失った失意は大きく、気力を喪失していた隙を突かれるように麻薬を打たれて監禁状態におかれていた。 最終決戦時に王宮に乗り込んだ長男のサキと対面した際には重度の麻薬中毒に陥っていたが、王宮内にいたプロジェクト4の警備兵による銃撃で最後に正気に戻り、ソリアの死の真相をサキに話し、彼女の棺の炎上が神崎の計略だった事をシンにより知らされて息を引き取る。 リシャール・ヴァシュタール アブダエルの次男でサキの弟。兄とは違い、父に従って反政府軍を率いる。サキとは印象が異なるが容姿は端麗。黒目がちの瞳と母ソリア譲りの美しいブロンドヘアが特徴。 根は心優しく理想主義者で、アスランの民主化を目指している。ミッキー曰く「炭火のような暖かさを持つ」。血液型はA型。サキとは血液型が異なるため、後述の手術の際に彼からは輸血ができなかった。 88に復帰したチャーリーの弁によれば、アスラン内戦勃発時は兄であるサキの腹心であり、肉親同士の争いを避けたいと考えたサキの計らいで反政府軍に向かうこととなった。サキは彼を通じて父であるアブダエルへ降伏を勧めたが、その返答はサキが集結させていた部隊の全滅であり、その攻撃隊を率いていたのが他ならぬリシャールであったという。サキの計らいで反政府軍に寝返った後、父の信任を勝ち得ると時間をかけて説得を続け、ザクとアブダエルの和平会談を画策していた。その後の民主化においてヴァシュタール家が戦争犯罪者として裁かれることも覚悟の上だった。だが、文盲率が高く、遊牧民族の連合体に過ぎないアスランが民主化を早まれば外国に国を売り飛ばす輩が出るとサキから一蹴される。 その後、反政府軍の基地に捕われの身となっていたミッキーの前に現れ、王制廃止の旨をサキに伝えるようミッキーに伝言を託すが、サキは錯乱したシンにより失明した目の療養のためにスイス・チューリッヒに出向いていたため、その伝言が伝わるのは後のこととなった。 アスランを新兵器の実験場にしようとファリーナグループが介入した際には、彼らが導入した地上空母と地中を進むミサイル、グランド・スラムで国をズタズタにされるのを防ぐべく行動を起こす。地上空母艦長を人質にして艦長ごと撃ち抜かれかろうじて生きていたものの、セキュリティシステムと連動した艦内の各通路に配置されたレーザー銃に何度も撃ち抜かれ、出口直前で力尽き空母から放り出された。しかし、ヘリで88基地に戻ろうとしていたマッコイに発見され蘇生剤を注射され奇跡的に蘇生、88基地に運ばれ輸血を施しながら手術を行い九死に一生を得る。 叔父のザク国王の計らいでアスランを出国後、スイス・ローザンヌの個人病院で傷を療養中のところをジュリオラがコンタクトを取り、その手ほどきでスウェーデンに亡命中の父・アブダエルと再会。後にアスラン首都に乗り込んだ神崎によりアスランの新王子として担ぎ上げられる。プロジェクト4壊滅後、帰国した母のソリアと共に王家の後継者となった。 ソリア・ヴァシュタール アブダエルの妻で、サキ、リシャールの母親。ギリシアの名家の出身で、祖先はロシア王家につながるという。 美しく純真な女性であり、彼女がアスランに対して抱いた希望はサキ、アブダエルはじめ王家の人々に影響を与えた。しかし彼女に対する王家の人々の愛と彼女が抱いたアスランへの希望は内戦の遠因となり、戦況の泥沼化を招くこととなった。 リシャールを産んだ直後、不治の病に倒れ、その身はタージ・マハルを模した霊廟に納められたが、実は仮死状態で冷凍保存されていた。彼女が収められていた霊廟はアブダエルとサキの終焉の地ともなった。 ジュリオラにより極秘裏に仮死状態のままスイスへ運び出され、血液ガンの治療を施され目覚めるが、記憶を失っていたためジュリオラの妹として彼女と共に暮らすこととなる。 その後ジュリオラが書き残していたノートのメモを目にしたことがきっかけで真相を知り、アスランに帰国。息子・リシャールと共に王家を継ぐこととなった。 ヴァシュタール前国王 アスラン前国王。 アブダエル、ザクの父で、サキ、リシャールの祖父。 作中ではすでに故人であり、サキの回想シーンにのみ登場する。いつもブスッとした顔をしていたため、少年時代のサキはこの祖父が苦手だった。 ソリアの弁によれば、砂漠の小国アスランを作物豊かで平和な国にした人物として語られる。サキが留学先のロンドンから帰国した直後、危篤状態に陥ってしまう。ザクとアブダエルをそばに呼び寄せ、次期国王に次男のザクを指名して兄のアブダエルには外交手腕をフルに活用してザクを助けることを遺言し、この世を去る。 こうしてザクが王位に就き、それを不服としたアブダエルは反政府軍のリーダーとなり、アスラン国内は内戦状態となった。
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