アカデミックなレビュー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 10:08 UTC 版)
「ランドマーク・フォーラム」の記事における「アカデミックなレビュー」の解説
学者のElizabeth Puttickは、他の大規模自己啓発セミナーと同様に、同じ目的を持ったたくさんの人々と共に、手に届く価格で強力に自己をバックアップできる手段であると評している。一方、「万人向けのフリーサイズ」のやり方であるという批判、具体的には指導者が依頼者の問題を勝手に決めている、対人関係を人生の目的として重視しすぎているなどの指摘があるとも述べている。 学者には、自己宗教(英語版)または広義の新宗教運動と考える者もいるが、それに同意しない者もいる。Elizabeth Puttickは、実践者たちはスピリチュアリティより成功と自己啓発という目的に重きを置いていると批評している。 セミナーリーダー経験もあるキリスト教文学研究者の神谷光信は、セミナーの冒頭でトレーナーが受講者に対し、口にすることを一切信じないよう釘を刺す点を見ても、心理療法的技術を悪用して特定の思考を参加者に植え付けるカルト的セミナーとは見做しにくいと述べている。また、エストとフォーラムについて、両方とも世界は空虚であり無意味であるという最終点に至るものだが、その過程は大きく異なると述べている。 シドニー大学のルネ・ロックウッドは2011年にの論文で、伝統的な意味では「宗教的」ではないが、現代の「スピリチュアルな」生活に明らかに関係のある団体について論じるために拡張された「宗教」概念の境界線は曖昧であり、そのためランドマークは超越瞑想やサイエントロジーと同様に論争になっていると述べ、ランドマークと主力商品のランドマーク・フォーラムは宗教的・霊的次元を学術的に深く分析する必要があると主張した。ロックウッドによると、ランドマークの宗教性については多くの議論があるが、学問分野、特に宗教研究では大きな空白がある。ランドマークの構成要素を分析し、①霊的成長のための東洋の霊的概念の使用 ②近代化に起因する弱さを克服するための啓発・再生・救済の追求 ③神聖なコミュニティ感情の創造 ④ランドマークでの経験のための独自の用語の作成 ⑤プログラム・目的・使用された概念に超越的な色彩を与えること ⑤ブレークスルーおよび奇跡を信じること ⑥自己の概念を神聖なものとして提示し、人格だけでなく世界をより良くする努力の方向性を示すことを挙げた。 インディアナ大学のマーシャ・ヘックは2015年の論文で、ロックウッドの論文は「比喩的な分析」であり、古い教育観に基づき、調査の手法等の幾つかの要素のため学術的な厳密さに問題があり、その宗教性の分析は感情的であると批判し、複数の論文を引用しながら反論した。ヘックは、ランドマークのトランスフォメーション教育、カリキュラム、および教授方法は疑いなく教育の分野に属するものであり、これに反対する宗教や議論に支えられた主張は学問的厳密さとは程遠く、論文に取り上げた生涯教育者、教師養成者、教育課程研究者、社会正義活動家は、ランドマーク・エデュケーションを21世紀の課題に適した教育アプローチのトランスフォメーション型モデルと結論付けていると述べた。 デンバー大学のSteven R. McCarl、ランドマーク・エデュケーション社のSteve Zaffron、コロラド大学のJoyce McCarl NielsenとSally Lewis Kennedyは2001年に、おそらくランドマーク・フォーラムは、哲学が公に教えられているところでは実施されず、学界で徹底的な研究や分析は行われておらず、哲学者によって記述されたり経験されたことはないと指摘した。1970年代・80年代に出版された大規模自己啓発セミナーに関する研究文献では、Finkelstein、 Wenegrat、Yalomの要約によると、哲学的な枠ではなく心理学的な枠を用いて分析が行われている。 事例研究は2001年時点で、南カリフォルニア大学マーシャル経営大学院のDavid C. Loganによる1998年のものと、 ハーバード大学経営大学院のKaren Hopper WruckとMikelle Fisher Eastleyによる1992年の2件がある。WruckとEastleyは「Landmark Education Corporation : selling a paradigm shift(ランドマーク・エデュケーション社:パラダイムシフトの販売)」という事例研究をまとめ、ランドマークの事業と組織や個人との関係について書き、「ランドマーク社は、同社の会話マネジメント・テクノロジーの中で使っている様々な概念を『区別』という言葉で呼んでいる。同社のテクノロジーは合計約150種類もの独自な区別を活用する。その区別は各々、個人や組織がより効果的であるため、あるいは、可能だとは思っていなかったようなあり方にアクセスするための洞察を提供するようにデザインされている」と分析した。神谷光信によると、通常ならばコンセプト(概念)とすべき言葉をランドマーク・フォーラムでは(存在論的)『区別(ディスティンクション)』と説明しており、人生は「エンプティー(空っぽ)」で「ミーニングレス(意味なし)」というのが、最大の『区別』である。 数十年にわたりランドマークや類似の組織を調査してきたアルバータ大学社会学教授のスティーブ・ケントは、アルバータ州保健サービス部門でランドマークのセミナーが採用され、スタッフの苦情にもかかわらず実施され続けたことについて、ランドマークは人心操作に長け、統制を行っており、威圧的な説得を含んでおり、この種のプログラムは固有の危険性があるため、誰かが導入・継続に役目を果たしたことは確実で、そうした人々はインターネットで容易に見つけられるだろうと語った。
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