「貧乏人大反乱集団」発生から「素人の乱」へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 06:40 UTC 版)
「松本哉」の記事における「「貧乏人大反乱集団」発生から「素人の乱」へ」の解説
01年に法学部を卒業した後、任意団体「貧乏人大反乱集団」を結成。松本の活動は、大学から路上へと舞台を移す。この集団は貧乏人新聞を発行する他、各地の駅前や路上にて酒や炬燵を持ち出し、宴会を開いたり100人規模での集会を開催した。2003年12月には、「クリスマス粉砕集会」と称して六本木ヒルズにちゃぶ台を持ち込み、鍋料理を始めようとするが警察官300人に阻止される という騒動も起きた。 2005年5月、松本は友人らと共に高円寺に「素人の乱」1号店を開店。素人の乱は、松本の友人が一人で毎日やっていたネットラジオの番組名だったが、その友人の住む商店街に店舗を借りられることになり、ラジオスタジオ、松本のリサイクルショップ、別の友人が開業した古着屋の三つが同居する奇妙な店として開店した。9月には、松本が同商店街の化粧品店を借りて、リサイクルショップ素人の乱 5号店を開業した。翌年には、5号店の正面の向かいに家具、家電専門の8号店も開業する。その後、彼らのもとに集まった仲間の中から同名の店舗を開業する者も現れ、高円寺近辺を中心にリサイクルショップ、飲食店、古着屋、ゲストハウス、イベントスペースなどの素人の乱が立ち並ぶこととなる。また、京都市や大阪市などでも「素人の乱」名義で限定的に飲食店が運営されている。各店舗はそれぞれの店主が独自に経営しており、系列店のように一つの会社によって運営されているわけではない。 2005年、「高円寺ニート組合」との団体名 で、放置自転車の撤去反対を訴える100人規模のデモ行進を行なう。このデモは、DJや音響機材などを載せたトラックが先頭で音楽を流し、酒を飲んだ者や踊る者などが付いていくというものであった。実際の参加者数(100人から200人程度)が、あらかじめ公安委員会へ申請していた参加者数(3人)を遥かに上回っていたうえ、道中では通りすがりの人々も飛び入りでデモ隊に加わっていき大騒ぎとなるが、デモの責任者として届け出ていた人物は途中で変装して逃げ出している。翌2006年、松本は鉄道駅構内トイレのトイレットペーパー無料化を求めるとの名目で仲間2人とともにデモ行進を行うが、3人ともプラカードなどを持たず、主張を叫ぶこともせず、ごく普通に歩くだけであった。あらかじめ参加者は3人だと申し出ていたにもかかわらず、当日は200人の警察官が出動してデモの警戒にあたっている。 同年(2006年)3月、PSE問題(PSEマークの無い電化製品が取引できなくなるとされた問題)に際し、昭和時代に用いられていたレトロ家電も(楽器などと同様)文化財と見なすべきだと主張し、約100人で電気用品安全法に反対するデモを行う。同年12月には、いたずらに消費を誘起する行事への抗議を名分に「クリスマス粉砕集会」と称して新宿駅前の路上に炬燵を置き、鍋物を食べているところを警察官20人弱に取り囲まれる。 2008年、PSEデモから杉並区議選までの松本の活動を追ったドキュメンタリー映画「素人の乱」(監督:中村友紀)が公開された。 2009年には増田俊樹監督により松本をモデルにした『おやすみアンモナイト』 が制作されゆうばり国際ファンタスティック映画祭にも出品された。 2010年、大韓民国に上陸拒否される。 2011年3月に東日本大震災にて原発事故が発生すると、「4・10原発やめろデモ!」と称する原発反対デモをインターネット上で呼びかけた。4月10日に高円寺で行われたデモは、主催者の呼びかけた「あぶねえ!恐ろしい!」といった率直だが漠然とした感情に同調した約1万5千人の若者が集まった。このデモは事故以来に行われた大規模な反原発デモの最初の試みとなったが、事故から1か月という短期間のうちに行われたため、従来の市民デモと比較して主体のアイデンティティが明確でなく、状況や争点、糾弾する対象などの整理や定義が曖昧だった。また、大音響の音楽をバックにコスプレ、パフォーマンスなどを行いつつパレードするお祭り騒ぎのようなサウンドデモだったため、メディアからは真剣な市民デモとは受け取られず、当日の報道で取り上げられることはほとんどなかった。マスメディアの無関心さに違和感を感じた参加者たちはこれをメディア全体による黙殺と捉え、ネット上で原発行政と財界・メディアの癒着について議論されるようになった。 その後、多数の市民団体が反原発デモに参入し立て続けに反原発デモが行われ、素人の乱も5月7日に「5・7原発やめろデモ!渋谷・超巨大サウンドデモ!」、6月11日に「6・11新宿・原発やめろデモ!」を主催した。新宿デモは参加者2万人を集め、素人の乱主催デモの中で最大規模のデモとなった。
※この「「貧乏人大反乱集団」発生から「素人の乱」へ」の解説は、「松本哉」の解説の一部です。
「「貧乏人大反乱集団」発生から「素人の乱」へ」を含む「松本哉」の記事については、「松本哉」の概要を参照ください。
- 「貧乏人大反乱集団」発生から「素人の乱」へのページへのリンク