「かぼちゃの馬車」融資問題とは? わかりやすく解説

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「かぼちゃの馬車」融資問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 21:09 UTC 版)

スルガ銀行」の記事における「「かぼちゃの馬車」融資問題」の解説

スルガ銀行は、1980年代リテール融資特化した現在の業務形態シフト不動産向けローンでは、建物耐久年数大幅に超える長期融資など、他行及び腰となるような、投資物件への融資メニュー積極的に展開し大手行では最短でも2週間かかる審査を5営業日終わらせるなど、迅速な審査にも定評があり、森信親金融庁長官から、他行先駆けてニッチ分野開拓し収益上げている例として賞賛されるほどの成果上げたこうした投資向け不動産対す融資地方銀行新たなビジネスモデルとして脚光を浴びる中、スルガ銀行は、2014年以降急成長していたスマートデイズとその投資家対す融資傾倒するうになるスマートデイズ2012年設立シェアハウスであり、タレントベッキーCM起用し敷金・礼金不要女性専用シェアハウスかぼちゃの馬車」を中心に首都圏で約900棟のシェアハウス展開していた。「『家賃0円・空室有』でも儲かる不動産投資」との触れ込みで、個人投資家らに購入させたシェアハウス一括借り上げ家賃入居状況関わらず保証するサブリース」の形態取っており、投資家オーナーは約700名に上った。その大半銀行多額融資受けて長期賃料収入保証され返せると踏んで、1棟あたり数千万円から数億円の割高な価格物件購入していた。 しかし、入居率低迷し2017年10月以降水道光熱費滞り発生オーナー保証した家賃減額し、2018年1月には完全に家賃支払いなくなった。そして、同年4月民事再生法の適用申請した事業破綻を受け、シェアハウス投資家大半融資返済が困難となったことを受けて被害弁護団設立されスルガ銀行全容解明と金消費貸借契約融資契約)の撤回要求したが、スルガ銀行は「答えられない」と回答弁護団長であり、自身娘婿被害者1人であった河合弘之は、「スマートデイズスルガ銀行組み被害受けたという事件の本質認めない銀行としての責任に全く欠ける対応」と非難したスマートデイズは、セミナー等を通じて集めた、シェアハウスオーナーに関心を持つ会社員らにメーンバンクであるスルガ銀行での融資勧め提出させた通帳写し預金残高少なかった場合には、写し改竄するなどの手口で、貯蓄所得水増しした上で投資家スルガ銀行横浜市内支店通じて融資を受けさせていた。金融庁は、スルガ銀行審査体制問題だけでなく、通帳写し改竄などの過程スルガ銀行側も結託していた可能性指摘している。 金融庁は、2018年3月16日スルガ銀行に対して報告徴求命令出し実態解明報告命じた。 さらに続けて金融庁は、同行役員シェアハウス融資過程で、不正行為関与していた可能性があるとして、同行への緊急立ち入り調査開始した朝日新聞は、地方投資マンション一棟買いする別の不動産業者が絡む融資案件でも、預金額や年収水増しなどの不正が発覚した報じている。 2018年5月15日スルガ銀行により中村直人弁護士委員長とする第三者委員会設置された。 同日スルガ銀行横浜東支店渋谷支店二子玉川支店対象とした社内調査結果公表。「かぼちゃの馬車」を含むシェアハウス向け融資が2,035億円(顧客数1,258名)に上ることを明らかにした。しかし、東京商工リサーチの独自調査によって、これら3支店とは別に川崎支店が行った、株式会社ガヤルド展開するミニアパート「テラス」向けのサブリース対する約1億5,000万円融資発覚しており、さらに膨ら可能性がある。ガヤルド2003年6月設立注文住宅マンション分譲会社であり、代金支払ったにもかかわらず工事ストップする事例相次いで発生代表者従業員行方くらませた。 また、融資書類改竄に関しては「相当数社員が不正を認識していた可能性がある」ことを認めた9月7日第三者委員会報告書公表され、「かぼちゃの馬車関連限らず役員不正融資関与していた事例多数あり、常態化していた実態が明らかとなる。仲介不動産会社結託して預金通帳改竄などに手を染めていた他、融資見返りとしてキャバクラなどで接待受けていた事例報告された。販売会社物件販売価格市場価格よりも割高に設定していることを知りながら融資を行うなどの実態報告された。①融資を受けるオーナー自己資金水増し、②投資物件価値高くみせかける収益計画偽装、③虚偽売買契約書作成等の不正はシェアハウス融資だけでなく不動産投資向け融資全般に蔓延していた」ことや、多数行員支店長役員関与していたことが報告されたことを受け、岡野光喜会長CEO米山明広社長ら3人の代取締役を含む役員5名が退任し有国三知男取締役社長に就任する人事発表有国記者会見において謝罪したが、30年以上トップ君臨し報告書において「最も責任が重い」と指摘され岡野は姿を見せなかった。 報告書では、上司に首をつかまれて壁に押し当てられたり、営業目標達成できない際に2時間以上立たされ同僚の前で給与額を言われたりするなどのパワーハラスメント横行していた実態報告され有国不衛生な労働環境問題があったことを認めたまた、上司から「お前の家族皆殺ししてやる」「ビルから飛び降りろ」などと恫喝されたと回答もあった。 かぼちゃの馬車問題端を発する一連の不祥事受けて株価9月6日までにピーク時5分の1にまで下落した2020年3月25日スルガ銀行は、シェアハウス関連債権第三者譲渡し債務者土地建物物納することを条件として、借金帳消しにすることを発表東京地方裁判所民事調停申し立てていた257人を対象とするが、他の債務者にも同様の対応を取るとした。 なお、2021年10月18日かぼちゃの馬車事件スルガ銀行シェアハウス詐欺舞台裏)の書籍がみらいパブリッシング社から発刊されている。

※この「「かぼちゃの馬車」融資問題」の解説は、「スルガ銀行」の解説の一部です。
「「かぼちゃの馬車」融資問題」を含む「スルガ銀行」の記事については、「スルガ銀行」の概要を参照ください。

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