《見てください》の敬語
「見てください」の敬語表現
人に何かを見てもらいたい時に使う「見てください」は、日常生活でもよく耳にする丁寧な言い回しです。しかし、相手に十分な敬意を示す表現ではないため、ビジネスシーンなどで目上の人に対して「見てください」と言いたい時には、相手に失礼のないよう、別の敬語に置き換える必要があります。「見てください」の敬語表現としては、「見る」の尊敬語である「ご覧になる」を用いて、「ご覧ください」とするのが一般的です。語尾を疑問形にかえて「ご覧くださいますか」としたり、自分の動作をへりくだる謙譲語を組み合わせて「ご覧いただけますか」とすると、相手に猶予を与えるやわらかいフレーズとなり、謙虚な気持ちを表すこともできます。
また、「ご覧ください」をさらに丁寧に伝えたい場面では、「ご覧いただけますと幸いに存じます」「ご覧いただけますようお願い申しあげます」というように言葉を付け加えることで、敬意を高めることが可能です。そのほかには、「見る」の類語である「目を通す」の尊敬語を用いて「お目通しください」としても、適切な敬語表現となります。
「見てください」の敬語の最上級の表現
「見てください」の敬語には、目上の相手に対してしっかりとした敬意を表すことができる「ご高覧ください」という特別な表現があります。「高覧」には、他人が何かを見ることを敬う意味合いがあり、「何卒ご高覧くださいませ」「ご高覧賜りたく存じます」といったフレーズで用いると、さらにかしこまった印象を与えることも可能です。フォーマルな場にも相応しく、身分の高い相手にも安心して使える敬語表現と言えます。また、「ご高覧ください」の類語には、「ご清覧ください」「ご賢覧ください」という表現もあります。いずれも、相手を敬う気持ちが強く伝わる最上級の敬語です。ただし、普段の生活ではあまり耳にしない堅い表現なので、手紙やメールなどの書き言葉として用いるのがよいでしょう。
「見てください」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「添付ファイルでお送りした写真をご覧ください」「詳細につきましては、お手元にあるパンフレットをご覧になってください」
「商品のサンプルをお持ちしますので、ご覧いただけますと幸いです」
「資料を作成いたしましたので、お目通しくださいますか」
「会議の議事録でございます。ご高覧いただきますようお願い申しあげます」
「本メールに企画書を添付いたしました。ご高覧賜りますようお願いいたします」
「弊社からの提案資料でございます。ご清覧いただければ幸いです」
「お時間のある時にご賢覧くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします」
「見てください」を上司に伝える際の敬語表現
上司に「見てください」と言いたい時には、「ご覧ください」を使うのが妥当です。高い役職の上司や、年齢の離れた上司に対しても問題なく使える敬語表現で、十分に相手を立てることができます。ただし、直属の上司など、日頃からやりとりが多い身近な存在に対しては、定型の敬語ばかり用いていると、かえって不自然になってしまう場合があります。日々の業務の中で、上司と円滑にコミュニケーションをとるためには、会話の流れや目的に合わせて、適切な言い換え表現を選ぶことも大切です。例えば、「ご覧ください」の代わりに「ご確認ください」を使うと、内容まできちんと見てほしいという気持ちが伝わりやすくなります。逆に、時間をかけずにさっと目を通してもらう程度で構わないのであれば、「お読みください」や「ご一読ください」でも十分です。また、参考にしてもらいたい資料を渡す時などには「ご参照ください」、ビジネス上での重要な確認事項がある時には「ご査収ください」といった言い回しも活用できます。シチュエーションに応じて上手に表現を使い分けることで、上司との良好な関係を築いていくことにもつながるでしょう。
「見てください」の敬語での誤用表現・注意事項
目上の人に「ご覧ください」を用いる時に、丁寧にしたいという気持ちで「ご覧になられてください」「ご覧いただけますでしょうか」と言い換えるのは、文法的に間違いです。どちらも、尊敬語+尊敬語、丁寧語+丁寧語というように、同じ種類の敬語が重なって使われている二重敬語にあたり、ビジネスシーンでは不適切とされています。くどい表現だと不快に感じる人もいるので、言い換える時には正しい敬語表現になるよう心掛けましょう。また、よくある間違い表現として、「拝見してください」というフレーズがあります。「拝見」は相手を敬う時に使う敬語ではありますが、自分の動作をへりくだるための謙譲語にあたるため、目上の人の行為に使うのは誤りです。人前で緊張している時などに、焦って言い間違えることのないように注意しましょう。
「見てください」の敬語での言い換え表現
ご覧くださいご覧くださいませ
どうぞご覧ください
ご覧になってください
どうかご覧になってください
ご覧になってくださいませ
ご覧くださいますか
ご覧いただけますか
もしよろしければご覧くださいますか
よろしければご覧いただけますか
ご覧いただけますようお願いいたします
ご覧いただけますようお願い申しあげます
ご覧いただけますと幸いです
ご覧いただけますと幸いに存じます
ご確認ください
ご査収ください
お読みください
ご一読ください
ご高覧ください
ご高覧くださいませ
ご高覧くださいますか
ご高覧いただけますか
ご高覧いただけますと幸いです
ご高覧いただけますと幸いに存じます
ご高覧賜りたく存じます
ご高覧賜りますようお願い申しあげます
ご清覧ください
ご清覧くださいませ
ご清覧くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします
ご賢覧ください
ご賢覧くださいませ
ご賢覧いただけますよう、お願い申しあげます
《見てください》の敬語
「見てください」の敬語表現
「見てください」という言葉は、懇願の意を表す補助動詞「ください」が使われていることから一見丁寧に聞こえますが、敬語表現としては不十分です。この場合、相手に「見てほしい」とお願いをするわけですから、より敬意を表す必要があります。その言葉の通りに、視覚的に何かを「見て」ほしいときには「ご覧ください」を使うことができます。「見る」を表す尊敬語は「ご覧」です。「尊敬語+ください」という表現は敬語表現としてよく使われます。例としては「召し上がりください」(「召し上がる」は「食べる」の尊敬語)などがあります。「見る」だけでなく、相手にメールや書類などの内容を確認してほしい場合は「ご確認ください」を使いましょう。確かめてほしい、チェックしてほしいというニュアンスがプラスされます。「お目通しください」や「ご一読ください」も似た意味を持つ表現です。「目通し」とは「ひと通り目を通す」「最初から最後までざっと読む」といった意味があるため、「お目通しください」だと細部ではなく全体を把握してほしいというニュアンスになります。「ご一読」も一度読む、ざっと読むというニュアンスを含む言葉であるため、同じように使うことができます。参考程度に見てほしい場合や、照らし合わせる資料がある場合には「ご参照ください」を使うパターンもあります。
「ご査収ください」や「ご査証ください」といった表現もあります。「査」には「よくみて明らかにする」といった意味があり、この二つは上記の表現よりもさらに注意して正確に見るというイメージです。「査収」は「調べて受け取る」ことを表し、「ご査収ください」は金品や重要な書類を受け渡す際などに使われます。「査証」とは「調査して証明する」といった意味で、「ご査証ください」は修正を求められる場合などに使われます。
「見てください」の敬語の最上級の表現
「見てください」の最上級の敬語表現は、「ご高覧ください」となります。ビジネスシーンで頻繁に耳にするような言葉ではありませんが、目上の人に対して非常に敬意を払った表現として使われることがあります。「高」は相手を敬う際に使われる言葉であり、「上から下を見下ろす」「全体を眺める」といった意味のある「覧」と組み合わせて「ご高覧」となります。「ご高覧」自体は単独で使用することはなく、「ください」「賜りますようお願いいたします」などの言葉と組み合わせて使われます。ビジネスシーンにおいて送付状やメールの中で使う場合や、展覧会の主催者が来客者に対しお礼の意味を込めて使う場合などがあります。基本的には書き言葉として使われることが多く、口頭で使うと多少大げさに聞こえてしまうので気を付けましょう。
「見てください」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールや手紙において「見てください」を敬語で表現する場合も、その都度状況にあった言葉を選ぶ必要があります。(例文)
・お忙しいとは存じますが、添付の資料につきましてご確認くださいますようお願いいたします。
・お手すきの際にご覧くださいませ。
・お時間ありましたら是非一度お目通しください。
・企画書を同封いたしましたので、ご査収くださいますようよろしくお願い申し上げます。
「見てください」を上司に伝える際の敬語表現
上司に対して「見てください」と伝える場合に適切な敬語表現はどれでしょうか。「ご覧ください」や「ご確認ください」は汎用性が高く、上司に対しても様々なシーンで使用することができます。まとまった文章などを確認してもらう際は「お目通しください」「ご一読ください」を使うのもいいでしょう。身内である上司に対して「ご高覧ください」を使うと慇懃無礼な印象を与えてしまうため、使用を避けることがあります。
「見てください」の敬語での誤用表現・注意事項
「見てください」という意味の敬語には間違えやすい御用表現や注意事項があります。「ご覧になられる」という表現は、尊敬語が重ねて使われる二重敬語にあたるので間違いです。目上の人に対しては「資料をご覧になられましたか」とうっかり言ってしまいそうになりますが、「資料をご覧になりましたか」が正しい表現です。
「ご確認してください」も間違った表現です。「ご~する」という表現は通常謙譲語として使われ、「ご提供する」「ご案内する」などが正しい使い方です。そのため相手に対して「ご確認してください」というのは不自然になります。さらに「ご~する」という謙譲語に「~ください」という丁寧・尊敬表現が重なっているため、二重の意味で誤用となります。
「ご査収ください」を「よければご査収ください」という形で使うことも避けたほうがいいでしょう。「よければ」見てほしいという程度のものであれば、「ご覧ください」で十分です。
「見てください」の敬語での言い換え表現
「見てください」には様々な敬語表現があります。「ご確認ください」は「ご確認のほどよろしくお願いします」のように言い換えることもできます。同じように「ご一読のほど」「お目通しのほど」といった表現もあります。また「ご覧いただく」「ご確認いただく」という表現もよく使われています。《見てください》の敬語
「見てください」の敬語表現
「見てください」は、相手に見ることや確認することをお願いする際に用いられる敬語表現です。動詞「見る」に、丁寧語である「ください」を加えた言葉となります。動詞の「見る」には単に対象物を視界に入れる行動から、作品の鑑賞や書類・書物の内容の確認および読解まで幅広い意味が込められています。日常生活では情報の正誤の確認、もしくは対象物を視認した上での感覚の共有を求める際に「見てください」を用いられることが多いです。後半部分の「ください」は、相手への行動の要求を丁寧に伝えるための丁寧語表現です。もともとは動詞「くれる」の、命令形である「くれ」を丁寧語に変化させたものとなります。細かい経緯を紐解いていくと「ください」という語は、「くれる」を尊敬語表現の「くださる」に変化させ、さらに命令形に転じた「くだされ」を音変化させたものと言われています。相手にそのまま「見てくれ」と伝えれば失礼にあたる場面で、聞き手に丁寧に述べるために「見てください」と表現するという訳です。「見てください」の敬語での誤用表現・注意事項
「見てください」を使う上での注意点として挙げられるのが、敬語表現ではあるもののビジネスシーンには向いていない点です。後半部分の丁寧語表現「ください」には、相手に丁寧に言葉を伝える機能があります。しかし単に丁寧なだけであって、尊敬語や謙譲語のように相手への敬意は含まれていません。加えて「くれる」の命令形である「くれ」を丁寧語に直した表現でもあるため、人によっては命令されていると捉えられてしまうケースもあるため注意しましょう。同僚や親しい先輩など砕けた間柄なら良いですが、目上の相手や初対面の人に対しては利用を避けた方が賢明です。「見てください」の敬語での言い換え表現
「見てください」の言い換え表現として、ごく一般的なものに「ご覧ください」が挙げられます。「ください」の部分が丁寧語であるのはもちろん、「ご覧」も「見ること」の尊敬語表現となっているからです。丁寧に言葉を伝えつつ、相手への敬意を示しながら見ることをお願いできる表現です。なお「これ・あれ」といった指示代名詞も、「こちら・あちら」へと変化させた状態で「ご覧ください」と一緒に用いられることが多い点も覚えておいてください。また書類やメールなど書面・内容を見てもらう際には、「ご確認ください」もよく用いられます。相手を高める尊敬語「お・ご」を、「確認」の前に持ってくることで相手への敬意を示す表現となります。「ご覧ください」よりも、さらに注意深く見てもらえるためこちらもビジネスシーンでよく用いられる表現です。- 《見てください》の敬語のページへのリンク