《覚えておいてください》の敬語
「覚えておいてください」の敬語表現
「覚えておいてください」の丁寧な敬語表現は、「お含みおきください」です。「含みおく」という言葉は、心に留めるという意味を持っています。そして、「覚えておく」とは違い、丁寧な意味合いを持つ接頭語「お」を付けることが可能です。そのため、敬語表現としては「覚えておく」ではなく「含みおく」を使用するのが望ましいです。「お含みおきください」という表現だけでも敬語として成立し、目上に対して使用することができます。ただ、「ください」という部分に、命令の意味合いが含まれます。したがって、「お含みおきくださいますでしょうか」という、より丁寧な形にすると無難です。疑問形ですが、相手に覚えておくことを促す点は変わりません。「覚えておいてください」の敬語の最上級の表現
「覚えておいてください」を最上級の敬語で表現する場合、「お含みおきいただければ幸いに存じます」となります。「お含みおきください」「お含みおきくださいますでしょうか」を、よりかしこまった形に変化させた表現です。「お含みおきください」は、命令の意味合いを持った「ください」を含んでいるため、最上級の敬語表現としては好ましくありません。そのため、より強い敬意を示すのであれば、「してくれたら嬉しいです」という意味合いを含んだ「いただければ幸いに存じます」にするのが望ましいです。そうすると、「お含みおきくださいますでしょうか」よりもへりくだった表現となり、相手を持ち上げる形にできます。元の形は「お含みいただければ幸いです」ですが、それだけでは丁寧語で締めくくる表現となってしまいます。また、自らの「してくれたら嬉しい」という、気持ちを押し付ける形になるため、場合によっては失礼な表現になりかねません。そのため、謙譲語である「存じます」を用いて、自らを下げる表現にします。また、「いただく」の部分を「くださる」に置き換えて、「お含みおきくだされば幸いに存じます」にすることも可能で、意味は特に変わりません。
「覚えておいてください」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「覚えておいてください」の敬語表現である「お含みおきください」をビジネスメールや手紙で使用する場合、例文は「講演会の日程が変更となっておりますので、お含みおきください」「イベントの申し込み期限が迫っておりますこと、お含みおきいただけますでしょうか」といった形になります。ビジネスでのクライアントが相手のメールや手紙であれば、最上級表現を用いて「今年のキャンペーンは終了しましたこと、お含みおきいただければ幸いに存じます」のような使い方となります。「覚えておいてください」を上司に伝える際の敬語表現
「覚えておいてください」を上司に対して使用する場合、敬語表現である「お含みおきください」を使用することが望ましいです。ただ、上司によっては、「ください」の部分で、命令されていると受け取る恐れがあります。そのため、「お含みいただければ幸いです」という表現にした方が無難です。最上級の敬語表現である「お含みおきいただければ幸いに存じます」ほど強い敬意は示さないものの、語尾が命令形ではなくなるため、好印象を与えられる可能性が高いです。ただ、身近な上司に対しては、「お含みおきください」では、堅苦しい表現だと受け取られかねません。したがって、状況に応じて、「覚えておいていただけますでしょうか」という形にすることも考えましょう。語尾を疑問形にすることで、一方的な命令ではなく、相手に覚えるかどうかの判断をしてもらうという形になります。そのため、「お含みおきください」よりは砕けた表現ではありながらも、相手が失礼だと受け取ってしまう可能性は低いです。
「覚えておいてください」の敬語での誤用表現・注意事項
「覚えておいてください」の敬語表現には、「ご承知おきください」というものがあります。文法的には尊敬語となり、意味自体は「お含みおきください」と大差ありません。しかし、「承知」という言葉は、一般的には謙譲語として使用されます。そのため、「ご承知おきください」は、たとえ尊敬語であっても、相手をへりくだらせる印象を持たれやすいです。したがって、目上の相手に対しては、「ご承知おきください」は使用しない方が良いでしょう。同じ意味を持つ「お含みおきください」という表現があるため、「ご承知おきください」を使用しなくても問題はありません。「覚えておいてください」の敬語での言い換え表現
「覚えておいてください」の敬語表現には、「ご留意ください」というものがあります。「留意」は、心に留めておくという意味を持った言葉です。そして、注意喚起の意味合いを含んでいます。そのため、何か気をつけなければならないことを、目上の相手に覚えておいてほしい場合、「ご留意ください」を使用すると良いでしょう。また、「ご了承ください」という表現が使用できる場合もあります。目上の相手に、理解や納得を求める表現です。あらかじめ相手に理解や納得を求める場合、相手にとって不都合があることを事前に覚えてもらう形になります。そのため、「覚えておいてください」の意味合いが含まれます。したがって、不都合があることを覚えておいてください、という意味の表現をするのであれば、「ご了承ください」を使用すると良いでしょう。
「ご留意ください」と「ご了承ください」はいずれも、最後が「ください」という命令形になっています。そのため、「お含みおきください」と同様に、状況に応じて、「ご留意いただければ幸いに存じます」「ご了承くださいますでしょうか」という風に変化させましょう。
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