《観る》の謙譲語とは? わかりやすく解説

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《観る》の謙譲語

「観る」の謙譲語表現

観る」とは、対象視覚認識するという意味で、一般的に用いられている「見る」とほぼ同義です。両者の違いは、対象意識集中させて視覚働かせる場合は「観る」を用い、特に意識はしない目に映るものを認識する際は「見る」を使う、といった点です。どちらも視覚対象をとらえる行為であることには変わりありませんので、「観る」を謙譲語表現するとすれば「見る」の謙譲語特定形である「拝見する」がそれに該当しますまた、謙譲語一般形用いて「観せていただく」という言い方も可能です。

「観る」の謙譲語の最上級の表現

観る」の謙譲語は「拝見する」「観せていただくとなりますが、最上級謙譲語表現にするのであれば、これをさらに丁寧な言い方改める必要があります両者ともに「です・ます」の丁寧語用いて拝見します」「観せていただきます」と敬意度合い深めることができますが、「観せていただきます」がこれ以上丁寧な表現とすることができない一方、「拝見します」は「する」の謙譲語「いたす」に言い換えて、より深くへりくだった気持ちを表すことが可能です。そのため「拝見いたします」が「観る」の謙譲語最上級表現であるということできます

「観る」の謙譲語のビジネスメール・手紙での例文

ビジネスメールや手紙など、「観る」の謙譲語文書で表す場合には、「拝見する」を使うのが一般的です。「メール拝見しました。ぜひ一度お目にかかりたい存じます」「お見積もり拝見いたしました検討させていただきたい存じますので、いましばらくお時間頂戴できれば存じます」「貴サイト拝見してご連絡いたしました」「お送りいただきました企画書拝見したところ、いくつかお伺いしたい点が出てまいりましたご教示いただければ幸いでございます」「昔と変わらぬ先生お元気そうなお姿を拝見して安心する同時に懐かしさがこみ上げてまいりました」などと使います

「観る」を上司に伝える際の謙譲語表現

ビジネスシーン上司に対して観る」を伝える際は、「観ました」といった報告であったり、「観てもいいですか」といった許可を願う場面であったりすることが考えられます。書類資料を観たという報告場合は「資料を観せていただきました」「書類拝見いたしました」などと、謙譲語使って上司への敬意示しますまた、書類資料を観たいので許可してほしい、という気持ち伝え場合は「資料を観せていただいてもよろしいでしょうか」「書類拝見してもよろしいでしょうか」などと謙譲語用います

「観る」の謙譲語での誤用表現・注意事項

観る」の謙譲語は「拝見する」「観せていただく」ですが、さらに敬意深めようといっそう丁寧な言い方にすることで、結果的に誤用表現となってしまうケースあります。その一つが「拝見させていただく」というフレーズです。「拝見する」はこれ自体謙譲語です。そのため、このフレーズ中にさらに謙譲語加えると二重敬語になってしまいます二重敬語とは、すでに敬語となっている言葉に同じ種類敬語重ねてしまう文法上の誤りです。この場合、「いただく」が謙譲補助動詞ですので拝見するとともに用いることで、禁止されている二重敬語表現となってしまうのです。「拝見する」をいっそう丁寧に言うのであれば拝見いたしますと言い換えるようにしなくてはなりません。

また、「観せていただく」を「観させていただく」と表現することがあります。「観させていただく」の「させて」は「する」の使役形助詞の「て」がついて、これに謙譲補助動詞「いただく」が加わることで、相手からの許可容認求め言い回しとなります。そのため「観させていただく」は相手からの許可容認得たい場合以外で使用するのはふさわしくないのですが、「観る」という自分行為へりくだってさらに丁寧に言おうとするあまり、許可容認得たい場合以外にも「観させていただくと言ってしまう場合あります。しかし、そのような使い方は、謙譲美徳受け取ってもらえるどころか話し手の強い意志表明であると誤解して受け取られてしまうことがあるので注意が必要です。

たとえば「私が観させていただきますといえば、「私が観ます」ということの強い意志表現です。さらに声を張って強く言えば絶対に自分観るのだ」という半ば強引ともいえる決意表明にも受け取られます。許可を得る必要のない場面でさせていただく」を乱用すると、本人丁寧な表現をしたつもりでも、受け取る人にとっては「断固として自分が見るんだ」と強く自己主張しているように捉えられ、かえって逆効果になる恐れがあることを肝に銘じておかなくてはなりません。

「観る」の謙譲語での言い換え表現

観る」の謙譲語での言い換え表現は、「拝見」と同様に「拝」の文字使った熟語求めることができます。「拝」は「謹んで行う」という意味で、自分行為につけてへりくだり相手への敬意を表す意味を持つ言葉です。「観る」という行為に関していえば、謹んで読むという意味を持つ「拝読する」や、拝見同じく謹んで見るという意味を持つ「拝覧する」などをあげることができます

《観る》の謙譲語

「観る」の謙譲語表現

謙譲語とはへりくだり相手高く置く敬語です。「観る」の謙譲語は「拝見する」です。また「拝見する」は、「見る」の謙譲語でもあります。「観る」は「診る」や「視る」などとともに、「見る」の類後であり同意語です。「観る」の敬語表現は、「見る」のものと同じと考えて問題ありません。「拝見」の「拝」は「おがむ」という意味をもつ言葉です。行為の頭につけることで、つつしんで敬い、すること、という意味をその行為にもたせます。拝見」はつつしんで見るという意味ですし、「拝顔」はお目にかかること、「拝聴」はつつしんで聴くことです。「拝見する」をより丁寧にしたものが、「拝見します」です。「拝見」に「します」という丁寧語をつけることで、敬意度が高まります。「拝見します」をより丁寧にした言い方に「拝見いたします」がありますが、これは厳密に二重敬語です。というのは、「拝見」だけで謙譲語なのに、さらに「する」の謙譲語である「いたします」を重ねているからです。とはいえ拝見いたします」は長年使われてきたものであり、ひとつの言い回しとして許容されています。

「観る」の謙譲語での誤用表現と注意事項

謙譲語には動作対象立てるものと、聞き手に対して自分丁寧に述べるものの2種類あります。「拝見する」は動作対象立て謙譲語該当するため、動作対象(見る対象)と無関係な人に使うのは誤用表現となります。たとえば、見る対象とは関係のない第三者に対してその本拝見していました」というのは誤用表現です。「拝見する」を使う際の注意事項としては、「拝見させていただきます」が挙げられます。させていただく」は相手許可受けて行う行為に使うものであり、場合によっては相手不快感与えてしまう可能性あります

「観る」の謙譲語での言い換え表現

観る」の謙譲語である「拝見する」には、幾つかの言い換え表現あります。「観る」の「観」に「拝見」の「拝」をつけたのが、「拝観」です。「拝観する」とは神社・仏閣などつつしんで観覧することを意味する謙譲語であり、「拝見する」の言い換え表現となります例文は「本殿拝観します」です。「拝読する」も、「拝見する」の言い換え表現です。「拝読する」はつつしんで読むという意味をもつ謙譲語であり、「先ほどいただいた報告書拝読しました」のように使います報告書メールなどを見ることを表現するときには、「拝見する」よりも「拝読する」の方がふさわしい場合ありますメール郵便物などを受け取ることを「受領すると言いますが、「受領する」の謙譲語は「拝受する」であり、これも「拝見する」の言い換え表現です。「資料拝受しました」のように使います


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