滑空 エアロバチックス(エアロバ・曲技飛行)

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滑空

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/13 04:44 UTC 版)

エアロバチックス(エアロバ・曲技飛行

エアロバチックスの競技会は、定期的に開催されている[53]。競技会では、背面飛行・宙返り飛行・横転、更にそれらの組み合わせなどの演技プログラムに従って飛行が行われる。それぞれの演技は採点され、「K-ファクター」と呼ばれる定数を乗じて集計される[54]。完全な演技には満点が与えられ、そうでない場合は減点される。演技は、獲得高度内で効率よく行わなければならない。最大得点を獲得したパイロットが選手権者になる。

滑空活動が対面している問題点

滑空活動は将来に向かって次のような問題点を抱えている[55]

参加する人の余暇時間の制約
滑空活動は、1日通して行う長時間継続活動であるので、多くの人は時間を作れない[56]。これが新規参入の障害になり、グライダー・パイロットの平均年齢は増加傾向にある。
飛行場所の不足
ヨーロッパ各国の多くは、民間航空の発展によって、空いている飛行場が減少している。
他のエア・スポーツとの競合
ハング・グライダーやパラ・グライダーのような、グライダー・パイロットが魅力を持ちそうな同類の活動が台頭してきた。
広報性の不足
テレビ放映になじまないので、グライダー競技が一般大衆に知られにくい。
活動にかかる費用の高騰
燃料費・保険料・装備することが規則で決められている新型のラジオやトランスポンダなど。

グライダーの危険性

グライダー・パイロットは、ハング・グライダーやパラ・グライダーと異なり、丈夫な構造の機体の中にいるので、比較的安全だが[56]、危険も潜在する[57]。また、安全第一を基本とした訓練や行動基準が実施されているが[58]、それでも危険性は残り、致命的な事故は毎年生じている。

事故の多くはパイロットの不注意によるものである[56]。複数のパイロットが同じサーマルを目指すと、空中衝突の危険は大きい[59]。この危険があるので、パイロットはパラシュートを装着している。

他のグライダーや一般の航空機に衝突しないように、グライダー・パイロットは航空法を遵守し、見張りに励まなければならない。ヨーロッパの数カ国とオーストラリアは、グライダー間の空中衝突を防止するために、FLARM警報システム装備を搭載させている[60]

滑空活動入門法

滑空を始めたい人たちに対して試乗訓練飛行の機会を提供しているグライダー・クラブも多い。日本滑空協会に問い合わせれば傘下のグライダー・クラブの状況がわかり、連絡を取ることができる。

グライダーは一定の安全基準に基づいて設計されるから、パイロットの条件も制限される。通常、体重の上限は103 kgで、身長193 cm以上の場合も問題がある。パラシュートに対しても同様である。

飛行訓練は、両席に操縦装置がついている複座グライダーを使い、教官が同乗して行われる[61]。通常は、教官が後席で発航と着陸の操縦を行い、他の操作は練習生が行う。グライダー・クラブによっては、ウインチ曳航と飛行機曳航の両方を含んだ、数日間の練習コースを用意している。概ね50回の訓練飛行で単独飛行が出来る飛行技能を獲得するとされている[62]

ウインチ曳航によってグライダー操縦を学ぶ費用は、飛行機の操縦を学ぶよりは安い。飛行機曳航はウインチ曳航法より高く付くが、同じ技能を修得するための飛行回数は半減し、25回くらいになる。

飛行シミュレーターも初期教育に使われていて、天候が悪いときには特に役に立つ。

訓練生がクロス・カントリー飛行が出来るようになるまでは、初単独飛行後も教官同乗の訓練飛行が行われる。大部分の国では、グライダー・パイロットが免許を取るには、法規・航法・通信・気象・飛行原理・一般常識について受験しなければならない。


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