カーペンタリア湾とは? わかりやすく解説

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カーペンタリア湾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/29 02:02 UTC 版)

座標: 南緯13度45分 東経139度00分 / 南緯13.750度 東経139.000度 / -13.750; 139.000

位置
カーペンタリア湾

カーペンタリア湾(カーペンタリアわん、Gulf of Carpentaria)とはオーストラリア北方にある。西はアーネムランド(Arnhem Land)、東はヨーク岬半島に挟まれており、北側はアラフラ海に繋がっている。広く浅い湾であり、東西の長さは湾口において590㎞、最大となる南緯15°付近では675㎞であって、湾口から湾奥までの長さはおよそ700㎞である。水深は概ね60m、最深部でも約80mほど[1]で、水域面積は約30万平方メートル。湾内の干満差は2メートルから3メートルである。

地理

湾内には、西部に最大のグルートアイランド島サー・エドワード・ペリュー諸島英語版、南部にウェルズリー諸島などの島がみられる。また、ミッチェル川英語版ギルバート川英語版フリンダーズ川などが流入する。

湾周辺の気候は、4月から11月までの明瞭な乾季があるサバナ気候。乾季は、オーストラリア大陸内陸部の高気圧に起因する、乾燥した南東~東よりの風に特徴づけられる。12月から3月の雨季にはサイクロンによる被害を受けやすく、年間降雨の大部分が集中し、沿岸部に洪水を引き起こす。年に平均して3回のサイクロンの襲来によって、湾内の堆積物が時計回りに攪拌されていると考えられている[2]

湾岸には大分水嶺山脈のような、降水の多い地域を狭い範囲に限定する山地が存在しないため、大陸の他の地域とは異なり、湾岸から内陸への降水量の変化は緩やかとなっている。

9月と10月には巨大な帯状のが空を横切るモーニング・グローリーen:Morning Glory cloud)という気象現象が夜明け後しばらくして発生し、湾奥のバークタウン英語版地域でよく観察される。

湾内の湿地帯には、マングローブが繁茂する。2017年には、広い面積で枯死していることが確認されている[3]

1万8000年前の最終氷期の最盛期には、湾は大きく干上がり、中央部にが存在した[4]。また紀元536年には小惑星の衝突があったとの仮説が出されている[5]

歴史

初めて探検したヨーロッパ人はオランダのWillem Janszoon(Janszとも)で1606年のことである。1623年に仲間のJan Carstenszoonが訪れ、時の東インド会社総督に因んでカーペンタリア湾と名付けた。タスマニア島を発見したアベル・タスマンも2年後の1644年に探検している。

1860年から1861年にかけて、オーストラリア大陸縦断を初めて成功させたバーク・ウィルズ探検隊が内陸側から初めてカーペンタリア湾に達している。ただし、マングローブに覆われた湿地帯を突破できず、塩分を含んだ水と干満の差を確認して撤退している。

脚注

  1. ^ http://permanent.access.gpo.gov/websites/pollux/pollux.nss.nima.mil/NAV_PUBS/SD/pub175/175sec01.pdf
  2. ^ David Hopley; Scott Smithers (2010). "Queensland". In Eric C.F. Bird (ed.). Encyclopedia of World's Coastal Landforms. Springer. p. 1255. ISBN 978-1-4020-8638-0
  3. ^ 豪マングローブ林、7400ヘクタールが枯死 史上最大規模 AFP(2017年3月14日)2017年3月25日閲覧
  4. ^ Torgersen, T., Hutchinson, M.F., Searle, D.E., Nix, H.A., 1983. General bathymetry of the Gulf of Carpentaria and the Quaternary physiography of Lake Carpentaria. Palaeogeogr., Palaeoclimatol., Palaeoecol. 41, 207-225
  5. ^ Richard A. Lovett (3 February 2010). Giant Meteorites Slammed Earth Around A.D. 500?. National Geographic News. National Geographic Society. Retrieved 3 March 2013.

カーペンタリア湾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 09:25 UTC 版)

バーク・ウィルズ探検隊」の記事における「カーペンタリア湾」の解説

1861年2月9日バークらはフリンダーズ川デルタ支流リトル・バイノー川に到達した水の塩からさと水位干満で海の近いことは確認できたが、渡渉困難な湿地食料欠乏のため、彼らは海へ到達できなかった。バークとウィルズはキャンプ119キンググレイそしてラクダ残し湿地通り抜け24キロ進んだ所で引き返すことに決めたその時点で食糧絶望的なとなっていた。5週間分の食糧しか残っていないのに、彼らは10週間でクーパーズ・クリーク補給地へ引き返すことになったのである。 彼らが北を目指すうち、気候暑く乾燥していたが、復路では雨季始まり熱帯モンスーン気候特有の局地的豪雨始まった。ゴラー・シンという名のラクダ歩けなくなって3月4日乗り捨てられた。他の3頭は射殺され途中で食糧にされた。隊は唯一の馬、ビリーディアマンティナ川の岸辺4月10日射殺した備品は、運んでいたラクダや馬が減るにつれ道々捨てられた。これらの場所で復路キャンプ321994年特定され、バーク・アンド・ウィルズ歴史協会は、2005年発見されラクダの骨を照合してこの探険時のものだと判定した。 彼らは食料節約するためにスベリヒユ食べグレイ捕らえた体重5.0 kgニシキヘビ(恐らくズグロニシキヘビ)も食べたバークグレイはすぐに赤痢かかったグレイ体調不良訴えたが、他の隊員たちは仮病だとみていた。3月25日バーク川のほとりでグレイ盗んだ小麦粉で粥を作り隠れて食べていたところを見つかり、バーク殴られた。グレイは、隊がポリゴナム湿地呼んだこの地で、4月17日赤痢死亡したグレイ死んだ場所は特定できず、南オーストラリアマサカー湖だと一般的に信じられている。バークグレイ殺した可能性ひとまず措かれたが、殴打したバーク酷薄さは議論の的となった生き残った3人の男たちは、グレイ埋葬するため、そして自分たちも体力回復させるために1日足を止めた。彼らはこの時点飢え疲労からひどく弱っていた。

※この「カーペンタリア湾」の解説は、「バーク・ウィルズ探検隊」の解説の一部です。
「カーペンタリア湾」を含む「バーク・ウィルズ探検隊」の記事については、「バーク・ウィルズ探検隊」の概要を参照ください。

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