東海道新幹線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 00:43 UTC 版)
乗務員
基本的には、運転士・車掌ともに、「のぞみ」号と「ひかり」号の場合は東海道新幹線全区間通し乗務となっているが、「こだま」号の場合は名古屋駅で必ず乗務交代となる。
運輸所
東海道新幹線を担当する運輸所は下記の5つの運輸所である。
運行形態
開業以来規則的なパターンダイヤを導入しており、早朝・夜間・臨時列車を除き基本的に停車駅および運転区間は1時間前・1時間後の同分発の列車も同じ列車種別・停車駅・運転区間である。また発着駅を周期的に変更する場合もある。
2020年(令和2年)3月14日のダイヤ改正以来、1時間あたり最大で「のぞみ」12本・「ひかり」2本・「こだま」2本の計16本の列車が設定されているが、このうち「のぞみ」8本分のダイヤは主に臨時列車用である。
2016年度(平成28年度)現在、1日あたり365本もの列車が走る過密ダイヤで、年末年始やお盆などの繁忙期には、1日430本近い列車が運行されている[5]。また、2023年(令和5年)8月10日には定期列車と臨時列車合わせて過去最高の471本が運行された[52]。
列車運行時間は、住民への騒音などの配慮や、保守工事を安全のため夜間に集中的に行うことから、6時から24時までとしており、0時から6時までの間は営業運転を行わない。ただし、事故や気象状況(大雨・強風)などによるダイヤの乱れが発生した時は、運行時間延長の措置が採られることもあり、延長時間分は減速運転をする。また、2002年(平成14年)のFIFAワールドカップ日韓大会では、例外的に臨時列車による深夜運行が行われた[注 11]が、それに関しても減速運転となった。
「のぞみ」のうち1時間あたり2 - 3本は東京駅から博多駅までの東海道・山陽新幹線全線を走破する。かつては500系「のぞみ」が同区間を最速4時間49分で結んでいた(品川駅・新神戸駅は通過)。その後、2007年にN700系が投入された東京発博多行き「のぞみ1号」[54]、2011年からは博多発東京行き最終の「のぞみ」[55][注 12](いずれも新神戸駅・品川駅とも停車[注 13])が博多駅 - 東京駅間を4時間50分で結んでいたが、東海道新幹線の最高速度が285 km/hに引き上げられた2015年(平成27年)3月14日のダイヤ改正以降は4時間47分、2017年(平成29年)3月4日のダイヤ改正以降は4時間46分、2024年(令和6年)3月16日のダイヤ改正以降は4時間45分で結んでいる。
列車
「のぞみ」
「のぞみ」は、1992年(平成4年)3月14日の300系登場と同時に新しく設定された最速達タイプの列車で[26]、本数は全体の約5割を占める。種別色は黄色(■)[注 14]。当初は東海道新幹線のみで始発と終発の1日2往復であったが、翌1993年(平成5年)3月18日に山陽新幹線へ1時間に1本乗り入れを開始し、その後もダイヤ改正の都度、少しずつ増発された。2003年(平成15年)10月のダイヤ改正以降は「ひかり」に代わる東海道・山陽新幹線の主軸列車として位置づけられ、大幅に増発された。2020年(令和2年)3月14日のダイヤ改正以降は臨時も含めて1時間に最大12本が運転されている(そのうち山陽新幹線直通が臨時含め最大6本)。
東京駅・品川駅・新横浜駅・名古屋駅・京都駅・新大阪駅にのみ停車。新横浜駅 - 名古屋駅間 316.5kmを無停車で運行する。当初は朝の下り列車で名古屋駅・京都駅に停車しない「のぞみ301号」が運行されていたが(「名古屋飛ばし」も参照)、1997年(平成9年)11月29日のダイヤ改正時に廃止された[58]。ほかの列車は東京駅 - 名古屋駅間ノンストップであったが、その後新横浜駅に停車する列車も設定され、2003年(平成15年)10月1日の品川駅開業時のダイヤ改正ですべての列車が品川駅・新横浜駅のいずれかに、2008年(平成20年)3月15日のダイヤ改正で両駅ともに停車するようになった。
2020年(令和2年)3月14日のダイヤ改正以降、全列車がN700系での運行となり、同年7月1日からはN700Sも導入されている。かつては700系・300系・500系も使用されていた。2021年3月13日ダイヤ改正以降、一部の「のぞみ」号でN700S専用ダイヤによる運転を予定しているが、後述の「ひかり」・「こだま」と同様、運行トラブルや車両運用の都合などの理由で、N700S専用ダイヤをN700系(G・F・X・K編成)による運転とする場合がある。
「ひかり」
「ひかり」は、東海道新幹線開業時から存在する速達タイプの列車。新幹線の代名詞であり、「のぞみ」登場後も、東海道・山陽新幹線の主軸列車に位置づけられていたが、2003年(平成15年)10月の品川駅開業に伴うダイヤ改正以降、「のぞみ」の大増発と引き換えに本数が全体の約2割に削減され、「のぞみ」を補完する速達タイプという存在となった。種別色は赤色(■)。
のぞみ停車駅には全列車が停車し、これに加えて静岡県内の全駅を通過し、小田原駅または豊橋駅・岐阜羽島駅・米原駅に停車する列車(名古屋駅 - 新大阪駅間は各駅停車し、米原駅で敦賀駅発着の特急しらさぎに接続)と熱海駅または三島駅・静岡駅・浜松駅に停車し、名古屋駅 - 京都駅間を無停車で運行する列車(主に岡山駅発着の列車)がそれぞれ1時間あたり1本ずつ運行されている。このうち前者は東海道新幹線内で完結し、後者は山陽新幹線の新大阪駅 - 岡山駅・広島駅間に各駅停車で乗り入れる(早朝・夜間は一部変則停車あり)。なお、新富士駅・掛川駅・三河安城駅は全列車が通過する。
このほか、東京駅 - 名古屋駅間1日2往復、新横浜発広島行き1本、名古屋発博多行き1本、名古屋発広島行き1本が運行されている。
1996年(平成8年)3月改正より一部列車が、2003年(平成15年)10月改正で全列車が270 km/h運転となった。さらに2015年(平成27年)3月改正より、285 km/h運転となっている。
車両は静岡駅・浜松駅を通過する列車は全列車N700系、両駅に停車する列車は基本的に700系が使用されていたが、2017年(平成29年)3月改正で全列車N700系に統一された。現在、臨時列車の設定が下り1本の「ひかり667号」以外になく、その「ひかり667号」もN700系が使用されており、東海道新幹線で最初にN700系に統一された種別となっている。2020年7月以降、一部の「ひかり」でもN700Sの運転が始まっている。
2021年3月13日ダイヤ改正以降、一部の「ひかり」号でN700S専用ダイヤによる運転を予定しているが、「のぞみ」・「こだま」と同様、運行トラブルや車両運用の都合などの理由で、N700S専用ダイヤをN700系(G・F・X・K編成)による運転とする場合がある。
「こだま」
「こだま」は、東海道新幹線開業時から存在する各駅停車タイプの列車。本数は全体の約3割。種別色は青色(■)。
基本的に名古屋駅発着の列車と新大阪駅発着の列車がそれぞれ1時間あたり1本ずつ運行されている。岐阜羽島駅・米原駅に停車する「ひかり」と合わせて、東京駅 - 新大阪駅間の全駅で1時間あたり2本が確保されている。朝晩は通勤・通学輸送や夜間滞泊のために、区間列車も運行されている。JR発足時は全列車の最高速度が220 km/hであったが、2003年(平成15年)10月改正で270 km/hに、2020年(令和2年)3月改正で285 km/hに引き上げられた。
全列車がN700系を使用している。平日のみ普通車全車自由席の列車もある。車内販売は2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正をもって全廃された[注 15]。
2021年3月13日ダイヤ改正以降、一部の「こだま」号でN700Sによる運転を予定しているが[59]、運行トラブルや車両運用の都合などの理由で、N700S専用ダイヤをN700系(G・F・X・K編成)による運転とする場合がある。
その他
- 修学旅行
- 東海道新幹線の沿線には日本屈指の観光地である京都があり、小中学校などの修学旅行のための「修学旅行列車」が運行されることがある。この列車は一般客は乗車できないが、国鉄時代末期から民営化初期のバブル期にはグリーン車需要に応えるため、グリーン車に限り一般客に開放していた[注 16]。現在はグリーン車も含めて修学旅行団体に販売されるが、この場合グリーン料金は徴収しない。方向幕の「修学旅行」表示は字幕式の場合は白地に黒文字で、N700系のフルカラーLEDの場合は黒地に白文字で、いずれも英語表記はないが、700系B編成などに見られるJR西日本所属車の3色LED式表示ではオレンジ色1色で表示され「RESERVED TRAIN」と英語が併記される。車内放送は車掌の肉声で放送される。過密なダイヤの合間を縫って運転されるため、臨時「のぞみ」のダイヤを使用するなど通常列車とほぼ同じスピードで運行される。停車駅は乗車駅、待機駅、目的駅のみとなる。待機駅では、後続列車を先行させるために待機が行われるが扉を開かない、いわゆる運転停車を行う。かつては臨時の「こだま」の時刻で運転されたこともあり、基本的に全駅待機駅扱いであった。
- 専用列車・貸切列車
- 天皇・皇后の行幸(お召し列車)、国賓クラスの要人移動、映画PRイベントでの貸切[60] などの例がある。
- 特別号
- 2002年6月11日に静岡県小笠山総合運動公園スタジアム(静岡スタジアム エコパ)にて開催された、FIFA(国際サッカー連盟)主催サッカーワールドカップ グループステージE組 カメルーンvsドイツ戦の試合開始時刻が20:30と遅く、試合終了時には新幹線の運行が終了している時間帯のため、サポーターの利便性を図る目的で運行された[61]。
- 列車は掛川駅を拠点とし、会場最寄りの愛野駅から発車する普通列車ならびに会場からのシャトルバスからの接続を取り、東京行(途中停車駅:熱海)4本と名古屋行(途中停車駅:浜松)2本を運転。深夜帯のため、速度を落としての運転となった。
- 貸切車両パッケージ
- 新型コロナウイルス感染拡大に伴う収入減を受け、新たな需要を創出しようと、線内完結となる「のぞみ」を対象に、号車単位で貸切りイベントなどを実施できるパッケージプランを2022年12月より開始した。スポーツ観戦ツアーにおけるファン交流イベントや、車内でのプレゼンテーション・商談などを想定している[62][63]。
- このプランを利用して2023年9月18日にはプロレス団体DDTが「のぞみ371号」の16号車を貸し切ってプロレスの試合(高木三四郎 vs 鈴木みのる)を行った[64][65][66]。
自動運転
2028年を目途に、東海道新幹線に自動運転(ATO)を導入すると発表した[67]。N700Sへの導入が予定されている[67]。
所要時間と最高速度
東京駅 - 新大阪駅間最速列車の所要時間の推移を示す。後述の「歴史」の節もあわせて参照されたい。
日付 | 所要時間 | 最高速度 | 列車愛称 | 車両形式 |
---|---|---|---|---|
1964年10月1日 - 1965年10月31日 | 4時間 | 210 km/h | ひかり | 0系 |
1965年11月1日 - 1985年3月13日 | 3時間10分 | 210 km/h | ひかり | 0系 |
1985年3月14日 - 1986年10月31日 | 3時間8分 | 210 km/h | ひかり | 0系・100系 |
1986年11月1日 - 1988年3月12日 | 2時間56分 | 220 km/h | ひかり | 0系・100系 |
1988年3月13日 - 1992年3月13日 | 2時間49分 | 220 km/h | ひかり | 100系 |
1992年3月14日 - 2007年6月30日 | 2時間30分 | 270 km/h | のぞみ | 300系・500系・700系 |
2007年7月1日 - 2015年3月13日 | 2時間25分 | 270 km/h | のぞみ | N700系 |
2015年3月14日 - 2020年3月13日 | 2時間22分 | 285 km/h | のぞみ | N700系(G・X・F・K編成) |
2020年3月14日 - | 2時間21分 | 285 km/h | のぞみ | N700系(G・X・F・K編成)
N700S系(J・H編成) |
東海道新幹線は竣工から開業まで間もなかったことから、開業時は盛土や軟弱地盤における徐行区間が計17か所設けられた。そのため東京駅と新大阪駅の間を「ひかり」は4時間、「こだま」は5時間で運転した[68]。
1965年(昭和40年)11月以降は「ひかり」が予定通りの3時間10分で運転。1985年(昭和60年)以降は徐々に速度向上が図られた。同年3月14日のダイヤ改正では「ひかり」の余裕時間見直しにより、1986年(昭和61年)11月には最高速度引き上げにより所要時間が短縮された。1988年(昭和63年)3月には東京21時00分発の新大阪行き最終列車「ひかり」、通称「シンデレラ・エクスプレス」が最速所要時間を塗り替えた。
1992年(平成4年)3月14日から最高速度270 km/hの300系「のぞみ」が運転を開始し、東京駅 - 新大阪駅間を2時間30分で結んだ[26]。その後も停車駅に品川駅・新横浜駅が追加されたが最速所要時間には変化がなかった。
2007年(平成19年)7月1日からN700系が運転開始。最高速度を下げることなく、在来線通勤形車両とほぼ同等の高い起動加速度の他、車体傾斜システム・新ATCなどを駆使し、東京駅 - 新大阪駅間を5分短縮した。
東京駅 - 名古屋駅間の歴代最短所要時間は2015年(平成27年)3月14日からの名古屋22時12分発上り東京行き最終「のぞみ」などの1時間33分である。
車両の最高速度はより向上しているが、同区間での営業運転での最高速度が270 km/hに抑えられてきたのは、その後に建設された新幹線各路線に比べ、曲率半径の小さなカーブ[注 17] が多く、最高速度のみを向上させても到達時間短縮に大きな寄与がないためである。東京駅 - 新横浜駅間は特に顕著でカーブと速度制限が多く、品鶴線(横須賀線)と並走する品川駅 - 新横浜駅間のうち多摩川橋梁から武蔵小杉駅横須賀線ホーム脇までの区間には、東海道新幹線内でのもっとも急な最小曲線半径約500 mのカーブが存在する。一方で米原駅 - 京都駅間はカーブが少なく高速走行が可能であり、試験では955形 (300X) が鉄軌道では日本国内最速の443.0 km/hを樹立している。この区間は一部列車について330 km/hでの営業運転の検討が始まっている[69]。
2015年(平成27年)3月14日から、23年ぶりに最高速度を285 km/hに引き上げた。これにより東京駅 - 新大阪駅間の最短所要時間が3分短縮された。対象は、N700AおよびN700系の改造車両(以下両者を総称してN700Aタイプとする)を使った列車である[70][71]。
2020年(令和2年)3月2日から、全列車が最高速度285 km/hのN700Aタイプに統一され[31]、同月14日から、最短所要時間が1分短縮された[72]。
関ヶ原付近の積雪
積雪した線路を高速走行すると、床下機器に付着した雪が固まって氷塊となり、これが剥がれ落ちる際にバラストを跳ね上げることで車体や周辺の建築物などを破損することがある。融雪対策として大量に散水すると盛土の路盤が崩壊する恐れがある。建設時点に計画された営業運転速度ではこれが大きな障害となることは想定されておらず[注 18]、積雪の多い関ヶ原付近も一般的な盛土構造・バラスト軌道を採用したため、十分な融雪を行うことができず、しばしば徐行や運転見合わせを強いられることとなった。
その対策は1964年(昭和39年)冬から車両側を中心に行われ、路線側については1965年(昭和40年)から対策の検討が行われた。1967年(昭和42年)冬に、関ヶ原地区を中心とした13 km区間でスプリンクラーの実用化試験が行われ、結果が良好であったことから、翌年には33 kmに拡大し、正式運用が開始された[73]。その後、設置区間は関ヶ原地区を中心とした68.5 kmに拡大している。このスプリンクラーは付近の河川水を常温で使用し、時間雨量換算で5 mmに設定されている。これにより雪の舞い上がりを防ぎ、特急料金の払い戻しに繋がるような(1時間以上の)大きな遅れは最小限に抑えられた[74]。
この教訓をもとに、山陽新幹線以降の各新幹線ではバラストを用いないスラブ軌道が主体となり、またバラスト軌道であっても上越新幹線越後湯沢駅構内同様、散水に適応した高架橋構造とした。
ダイヤ維持と過去最大の遅延
東海道新幹線は世界的に見てもダイヤに正確な路線として知られ、1列車当たりの平均遅延時分は約0.6 - 1.5分(年間平均)である。ただし季節ごとなどで見れば、前述のように冬は関ヶ原の積雪、夏と秋は台風や豪雨などが遅延の原因となる。
正確である要因としては基本的に単一路線であり、ダイヤが乱れやすい他の新幹線との分岐や在来線との直通運転(山形新幹線・秋田新幹線のミニ新幹線)がなく、使用車両の差異が少ないことが大きく貢献している。在来線からの接続列車が遅れた場合も、新幹線側が発車を遅らせて乗り換え客を待つのは最終を除き最大5分程度を上限としており、列車本数の多い新幹線の定時運行を優先している[注 19]。
開業以来最悪の遅延記録は、2000年(平成12年)9月11日に名古屋を中心に起きた東海豪雨によるものである。名古屋市周辺では一部河川の警戒水位を越える降雨にもかかわらず「新幹線を運休させるわけにはいかない」と東京駅・新大阪駅から次々に発車させた。各列車は徐行と停止を繰り返し、東京駅 - 米原駅間だけで70本近くの列車が集中、5万人を超える乗客が長時間車内に閉じ込められ、列車内で夜を明かす事態となった。翌12日昼過ぎになってもダイヤの混乱は収拾せず、博多発東京行き「のぞみ20号」は“22時間21分遅れ”で終点到着という新幹線史上最悪の遅延記録を作ってしまった。「もっと早く運転を中止すべきだった」と運行管理の不手際を各方面から問われ、運輸省(現在の国土交通省)がJR東海に事情説明を求める事態にも発展した。当時の社長葛西敬之は「正常で適切な運行だった」と発言し非難を受け、後日撤回し謝罪した。
近年では沿線上で運行障害が発生した場合、始発駅または山陽新幹線からの直通列車は新大阪駅から列車の運転を見合わせる措置を採っているため、大幅な遅延は解消された。
現行のダイヤパターンと停車駅
2023年3月18日
12-2-3ダイヤ。2023年3月18日ダイヤ改正から現在までのダイヤパターンである。
- 定期「のぞみ」の所要時間を短縮し、発車間隔を改善。
- 定期「のぞみ」のうち合計19本について東京 - 新大阪間の所要時間を3分短縮し、昼間時間帯 における定期「のぞみ」の東京駅発車間隔を最大21分から18分に改善。また、首都圏 - 山陽エリアの平均所要時間を短縮。
- 早朝時間帯の臨時「のぞみ」を増設。
- 山陽新幹線へ直通する臨時「のぞみ」を増設。
- ご利用が多い時間帯に、山陽新幹線に直通する臨時「のぞみ」を1時間あたり1本増やし、定期「のぞみ」を含め最大7本運転とする。
- 夜間時間帯の上り「ひかり」の所要時間を短縮。
- 夜間時間帯の上り「ひかり」の関西 - 静岡地区、静岡地区 - 首都圏間の所要時間を短縮。また、豊橋停車の最終「ひかり」の発時刻を7分繰下げ、首都圏から「ひかり」で日帰りの豊橋滞在時間を拡大。
- 名古屋において、定期「のぞみ」と「ひかり」・「こだま」の接続を改善。
- 上り定期「のぞみ」の運転時刻を変更し、名古屋で「ひかり」・「こだま」との接続を改善。これにより「のぞみ」停車駅と「ひかり」「こだま」停車駅間の所要時間を最大9分短縮。
- 朝通勤時間帯の「こだま」の所要時間を短縮。
- 新富士 - 小田原間の各駅から首都圏への所要時間を最大5分短縮し、新幹線通勤の利便性を向上。
- N700Sで運転する列車を増発。
- 車椅子スペースを6席設置したN700Sを追加投入し、山陽新幹線直通列車を含め、定期列車50本に充当。また、ビジネスブース設置のN700Sを「のぞみ」3往復に充当。
以下に示す時刻・運転区間などは昼間時間帯の平均的なパターンで、早朝・深夜は若干異なる。
種別 | 東京駅 発車時刻 |
東京 | 品川 | 新横浜 | 小田原 | 熱海 | 三島 | 新富士 | 静岡 | 掛川 | 浜松 | 豊橋 | 三河安城 | 名古屋 | 岐阜羽島 | 米原 | 京都 | 新大阪 | 新大阪駅 到着時刻 |
終着 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
のぞみ | 00分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 30分 | 新大阪 |
ひかり | 03分 | ● | ● | ● | → | ▲ | ▲ | → | ● | → | ● | → | → | ● | → | → | ● | ● | 57分 | 岡山 |
のぞみ ◆ | 09分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 36分 | 新大阪・広島・博多 |
のぞみ | 12分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 39分 | 博多 |
のぞみ ◆ | 18分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 45分 | 新大阪 |
のぞみ ◆ | 21分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 48分 | 新大阪・広島・博多 |
のぞみ ◆ | 24分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 54分 | 新大阪 |
こだま | 27分 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 名古屋(06分着) | |||||
のぞみ | 30分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 00分 | 博多 |
ひかり | 33分 | ● | ● | ● | ▲ | → | → | → | → | → | → | ▲ | → | ● | ● | ● | ● | ● | 27分 | 新大阪 |
のぞみ ◆ | 39分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 06分 | 新大阪・広島・博多 |
のぞみ ◆ | 42分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 12分 | 新大阪・広島・博多 |
のぞみ | 48分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 15分 | 広島・博多 |
のぞみ ◆ | 51分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 21分 | 新大阪 |
のぞみ ◆ | 54分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | ● | 24分 | 新大阪 |
こだま | 57分 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 51分 | 新大阪 |
種別 | 始発 | 新大阪駅 発車時刻 |
新大阪 | 京都 | 米原 | 岐阜羽島 | 名古屋 | 三河安城 | 豊橋 | 浜松 | 掛川 | 静岡 | 新富士 | 三島 | 熱海 | 小田原 | 新横浜 | 品川 | 東京 | 東京駅 到着時刻 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
のぞみ ◆ | 新大阪 | 00分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 27分 |
のぞみ | 博多 | 06分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 33分 |
のぞみ ◆ | 新大阪 | 09分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 36分 |
のぞみ ◆ | 博多・広島・新大阪 | 15分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 45分 |
ひかり | 新大阪 | 18分 | ● | ● | ● | ● | ● | → | ▲ | → | → | → | → | → | → | ▲ | ● | ● | ● | 12分 |
のぞみ ◆ | 新大阪 | 21分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 51分 |
こだま | 名古屋(38分発) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 18分 | |||||
のぞみ ◆ | 新大阪 | 24分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 54分 |
のぞみ | 博多・広島 | 30分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 57分 |
のぞみ ◆ | 博多・広島・新大阪 | 33分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 03分 |
のぞみ ◆ | 博多・広島・新大阪 | 39分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 06分 |
のぞみ | 博多 | 45分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 15分 |
ひかり | 岡山 | 48分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | ● | → | ● | → | ▲ | ▲ | → | ● | ● | ● | 42分 |
のぞみ ◆ | 新大阪 | 51分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 21分 |
こだま | 新大阪 | 54分 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 48分 |
のぞみ ◆ | 博多・広島・新大阪 | 57分 | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 24分 |
凡例
- ●:停車、▲:この駅のうち0 - 2駅に停車、→:通過、◆:臨時列車または臨時延長(臨時列車は時間帯によっては定期列車となる場合がある)。
- ※:朝夕など( )内の駅まで(から)の運行となる場合がある。
現行の号数の振り方
2024年3月16日からのもの。
- のぞみ
- 東京駅 - 岡山駅・広島駅・博多駅間:1 - 190号台
- 定期列車は1 - 60・62・64・66・67・75 - 100号台
- 東京駅 - 博多駅間:1 - 60・62・64・99号(早朝の品川発博多行きは99号。)
- 東京駅 - 姫路駅・岡山駅・広島駅間:61・63・65 - 95・96・98・100・102・104号(85・91・93・70・72・84号は東京駅 - 岡山駅間、95・68号は東京駅 - 姫路駅間、早朝の66号は西明石発東京行き)
- 臨時列車は110 - 190号台で列車番号に6000台または7000台が冠され、東京駅 - 岡山駅・広島駅・博多駅間で使用される
- 定期列車は1 - 60・62・64・66・67・75 - 100号台
- 東京駅 - 新大阪駅間:200 - 260号台、280 - 490号台
- 定期列車は200 - 255・257・259・261・263・268号(早朝の名古屋発東京行きは268号。)
- 臨時列車は280 - 490号台で列車番号に9000台が冠される(新横浜発新大阪行きは497号、東京発名古屋行きは499号、名古屋発東京行きは498号。)
- 名古屋駅 - 博多駅間:270号台
- 定期列車は270 - 273号(早朝の名古屋発博多行きは271号・273号、夜の博多発名古屋行きは270号・272号。)
- 東京駅 - 岡山駅・広島駅・博多駅間:1 - 190号台
- ひかり
- 東京駅 - 名古屋駅・新大阪駅間:630 - 660号台(早朝の名古屋発東京行きは630号・632号、夜の東京発名古屋行きは665号・669号。)
- 東京駅 - 岡山駅・広島駅間:500 - 522号(500号は広島発東京行き)
- 新横浜駅・名古屋駅 - 広島駅・博多駅間:下り列車用の530号台(531号は名古屋発博多行き、533号は新横浜発広島行き、535号は名古屋発広島行き。)
- こだま
- 東京駅 - 名古屋駅・新大阪駅間:700 - 757号
- 三島駅・静岡駅・名古屋駅 - 新大阪駅間:760号台
- 東京駅 - 三島駅・静岡駅・浜松駅間:800 - 820号台
- 東京駅 - 静岡駅・浜松駅間:804・808 - 809・811 - 814・820号
列車番号は定期列車が基本的に号数+A、季節臨時列車が3000+号数+A、予定臨時列車および設定臨時列車が6000+号数+A・7000+号数+A・9000+号数+Aである。
東京 - 新大阪間の臨時「のぞみ」に割り当てられている号数のうち、300号以降は九州新幹線内完結列車(新下関駅発着列車を含む)と重複している。また、「こだま」の820号台も博多南線内完結列車と重複している。ただし九州新幹線内完結列車の列車番号には「5000+号数+A」、博多南線区間列車には「2000+号数+A」がそれぞれ与えられているため、列車番号の重複はない。
営業
方針
JR東海は、「安全」「正確」「高頻度」「高速」の4つのイメージに加え、さらなる東海道新幹線ブランドにふさわしい接客サービスをめざし、2005年度より「ブランドクオリティーサービス運動」を展開している。
2006年(平成18年)6月23日付の組織改正において、長期的な観点から東海道新幹線の抜本的強化策を本格的に検討するため、「東海道新幹線21世紀対策本部」を新設した。当時の社長松本正之は、同本部を新設することになった経緯について、「当社の発足時に比べ、東海道新幹線の輸送人員や輸送力は約4割増加しており、その社会的な役割や機能は飛躍的に高まっている。それを恒久的に維持・発展させていくためには、長期的視野に立った抜本的な強化策を検討していく必要がある」と説明。さらに、「品川駅開業や全列車の270 km/h化など、これまでも効果的な機能アップに成功してきた。今後も、次のステップへ向けて予断を持たずあらゆるものを検討し、自己の経営体力の範囲内で、できるだけのことをやっていく必要がある。利便性、サービス、輸送力の向上など、いろいろな角度からあらゆる可能性について検討していく」と述べている。
2007年(平成19年)4月26日、同年3月期決算発表の記者会見で社長の松本は、同社が実現を目指している東海道新幹線のバイパスについて、「まずは2025年に首都圏 - 中京圏の間で営業運転を開始することを目標に検討していく」と表明した。山梨リニア実験線で実用化試験を進めている超電導磁気浮上式鉄道の導入を前提に、バイパス実現を図っていく方針でいる。東海道新幹線が、首都、中京、近畿の3大都市圏を結ぶ大動脈を担うということを大きな使命としており、その役割を果たしているその能力が限界に近付いていることから、東海道新幹線の役割を代替するバイパスの実現を目指している。そのバイパスの実現や運営については、「自らイニシアチブをとって実現を推進し、東海道新幹線と一元的に運営する」との立場を取っている。
経営
現在、日本の重要インフラとしての役割を担っている東海道新幹線は、JR東海の全収入の約85%を占め、会社そのものの根幹となっている。一方で、1987年の分割民営化時に国鉄から引き受けた3,191億円の債務、1991年(平成3年)に新幹線鉄道保有機構から引き受けた5兆900億円の債務は同社の経営を圧迫している。
2006年度の運輸収入は1兆430億円で、「愛・地球博」の開催された2005年度の1兆304億円を上回り、過去最高となった。また、旅客輸送人キロも444億8千7百万人キロに達し最高記録を更新した。この数字はJR発足直後の1987年度の1.39倍である。
安全対策
JR東海は老朽施設の更新や東海地震への対策に向け、大規模補修費用を積み立てている。補修総額は1兆円近くになると試算されている。
- 実施すべき大規模改修に要する期間および費用の総額
- 実施すべき大規模改修に要する期間 2018年4月 - 2028年3月
- 実施すべき大規模改修に要する費用の総額 1兆1,070億円
- 積み立てるべき新幹線鉄道大規模改修引当金の積立期間および総額
- 積み立てるべき新幹線鉄道大規模改修引当金の積立期間 承認日から15年を経過する日までの期間
- 積み立てるべき新幹線鉄道大規模改修引当金の総額 5,000億円
2006年(平成18年)11月より、線路に脱線防止ガードを順次設置している。また、脱線防止ガード・逸脱防止ストッパ・土木構造物対策をそれぞれ工事費約380億円、2009年(平成21年)10月から2013年(平成25年)3月までの工期で行う[77]。
2007年(平成19年)3月24日、「のぞみ155号」が静岡駅 - 掛川駅間の「牧の原トンネル」を走行中に、乗客の男性が非常用ドアコックを使用して扉を開け飛び降り自殺する事件が起き、列車上下25本が最大4時間41分遅れた。これを受けJR東海は6月27日、走行中に非常用ドアコックを使用できないよう改良することを決定した。2007年(平成19年)6月から2010年(平成22年)3月にかけて、約8.7億円を投じ、N700系10編成 (Z1 - Z10) と700系全60編成のドアコックを5 km/h以上ではロックされ扉が開かないよう改良を行った(N700系Z11編成以降は製造時から採用)。JR西日本所有車両についても500系以降に製造された車両[注 20] から全検時に順次改良とし、その結果予定より約6か月前倒しして2009年(平成21年)9月末をもって終了した(N700系と700系の70編成分)。
2018年に発生した東海道新幹線車内殺傷事件をうけて全車内に防犯カメラを設置したほか、系列企業の全日警に車内巡回乗務を委託、さらに2019年9月からは不測の事態に備えて運転指令所から直接車内へ放送を行える体制を整備、2020年3月からは順次車内の防犯カメラで撮影された画像を指令所で取得できるシステムが導入される予定で、同年5月を目指して管理センターを新設し、東海道新幹線全駅の防犯カメラ画像を一元的に監視して指令所や警察へも伝送できる仕組みを整えるとしている[78]。
サービス
利用者層は出張や仕事で利用する人の割合が多く全体の7割に上る。それゆえ各種サービスはそれらを対象としたものが多い。日常利用としては三島駅から東京方面への通勤者が多く、平日朝は上りの「こだま」を同駅から約10分おきに運行させている。
インターネット接続
2007年(平成19年)7月から投入されたN700系車両では、席の下にコンセントが設けられ、移動中もパソコンを使うことが可能になり、さらに2009年(平成21年)3月からはインターネット接続サービス「車内公衆無線 LAN サービス」を開始した[79][80]。乗客はNTTドコモのdocomo Wi-Fi、ソフトバンクテレコムのBBモバイルポイント、UQコミュニケーションズのUQ Wi-Fi、NTT東日本のフレッツ・スポット(2010年6月より、NTT-BPとのローミング対応。2013年8月からはNTT西日本契約でのフレッツ・スポット加入者も利用可[81])の4つの公衆無線LANサービスが利用できる(提携事業者のサービスも含むが、KDDIのau Wi-Fi SPOT加入者は利用不可。また、利用にはそれぞれの利用契約が必要)。2013年7月31日まではNTTコミュニケーションズのホットスポットも使用できた[81]。漏洩同軸ケーブル(LCX)による通信で、通信速度は1編成あたり最大約2Mbps.(理論値)を、複数の利用者でシェアする形となる。
2014年6月1日からN700Aの一部編成で、車内無線LANサービスを使った無料動画・ニュース・電子書籍配信サービス「N700コンテンツラウンジ」の実証実験を始めた。車内に設置したサーバーからコンテンツを配信する仕組みである[82]。
2018年7月25日からは、東海道・山陽・九州新幹線共通の車内無料公衆無線LANサービス「Shinkansen Free Wi-Fi」が順次導入された[83]。これは従来のLCXで提供しているサービスと異なり、携帯電話の電波を使用して接続する形となっている[84][83]。
なお、「車内公衆無線 LAN サービス」は「Shinkansen Free Wi-Fi」が2020年3月30日に対象車両への導入整備が完了するのに伴い、同年3月31日をもってサービスを終了した[85]。
また、2021年10月からはのぞみ運用時の7号車を「S Work車両」として運用するのに伴い[86]、同車両のうちN700Sで運用する7号車と8号車(グリーン席)には従来の「Shinkansen Free Wi-Fi」よりも速度を倍に、ビジネス利用を考慮し暗号化を設定した「S Wi-Fi for Biz」(Shinkansen Free Wi-Fi for Business)を導入した。
このほか、従来はのぞみ停車駅に限られていたコンコース待合室に無線LANアクセスポイントを東京駅 - 新大阪駅間の全駅に拡大している。
ラジオ放送再送信
「のぞみ」「ひかり」の普通車ではAM放送のNHKラジオ第一をFM放送に変換して再送信するサービスを実施している。パナソニックやソニー製のデジタル選局式通勤ラジオではエリアモードで「JR新幹線」の項目を選択すると新幹線内で放送されているFMラジオを聴取できる。また、グリーン車では座席にオーディオ操作パネルを搭載し、市販のイヤホンを接続して聴取できたが、2013年3月16日のダイヤ改正でオーディオサービスを廃止した以降はオーディオ操作パネルを撤去したため、普通車と同様の聴取方法に変更された。なお、走行中の地域によって放送局が異なる。
前記のダイヤ改正前は、このほかオリジナル番組が4チャンネル放送され、番組は約2か月ごとにプログラムが更新されていた。JR東海所属車かJR西日本所属車でチャンネルごとの内容は異なっていた。同改正でオリジナル番組が廃止されて、NHKラジオ第一放送の再送信のみになっている[87]。
なお、2020年から運行しているN700S系ではNHKラジオサービスは利用出来ない[88]。
他の交通機関との競合
東京国際空港(羽田空港) - 名古屋空港(小牧)間に就航していた航空便は全日本空輸 (ANA) の主要路線の一つだったが、同便は東海道新幹線の開業後に旅客を奪われ、1982年6月に休止(事実上の廃止)となった[89]。
東京 - 京阪神間
国土交通省の2005年発表の統計資料[90] では、「最近10年間の公共交通機関の旅客輸送の動向」として中長距離の輸送の具体例として東京 - 大阪間の旅客輸送人数等の推移についての分析を行っている。
これによると、鉄道(≒東海道新幹線)・航空・高速バスのシェアの推移は、1994年度(平成6年度)には鉄道:航空:高速バスの比率が82.9% : 15.6% : 1.4% が、2003年度(平成15年度)にはその比率が64.6% : 32.3% : 3.0% に変化し、航空機が大きくシェアを伸ばしていることがわかる。この要因として、国土交通省の資料では1994年の関西国際空港開港に伴う便数の増加や、1998年に開始された京浜急行電鉄空港線の東京国際空港直下駅(羽田空港駅)への乗り入れなどによる所要時間の短縮などの利便性の向上、さらには規制緩和に伴う事前購入運賃やシャトル便往復割引などの運賃の多様化による航空運賃水準の低下を指摘している。また、高速バスについてはその低廉性がほかの輸送機関からのシフトだけでなく、従来の航空、新幹線の運賃では利用しなかった新たな旅客の掘り起こしにつながって利用者数を増やしているとしている。一方で、東海道新幹線も2003年の品川駅開業・のぞみ増発などによる利便性向上策により乗車人数そのものは増えており、結果として東京 - 大阪間を含めた中長距離帯の公共交通機関の輸送人数そのものの増加につながっていると指摘している。
- JRと航空機の旅客シェア
- ^ 0系の最高速度は1986年10月31日まで210 km/h。#所要時間と最高速度も参照。
- ^ N700A・N700A改造車のみ。2015年3月13日までは全編成が270 km/h。#所要時間と最高速度も参照。
- ^ a b 100N系(グランドひかり編成)を示す。
- ^ 編成出力におけるM・Tは、それぞれ編成中における電動車(モーター付車両)・付随車(モーターなし車両)の両数を示す。
- ^ 700系の製造両数には、東海道新幹線に乗り入れない車両を除く。
注釈
- ^ 『JTB時刻表』1998年7月号p.967、1999年6月号p.967で確認。1999年6月号には「※6/1からの近郊区間図です。」という注釈とともに1998年7月号にはなかった「※東海道新幹線(東京-熱海間)は含まれません。」の注釈が加わっている。
- ^ JR北海道北海道新幹線の新函館北斗駅、JR東日本東北新幹線の東京駅、新青森駅、上越新幹線の大宮駅、新潟駅、北陸新幹線の高崎駅、JR西日本山陽新幹線の新大阪駅、博多駅と北陸新幹線の敦賀駅、JR九州九州新幹線の博多駅、鹿児島中央駅、西九州新幹線の武雄温泉駅、長崎駅では、それぞれ自社の在来線に接続している。
- ^ 運転本数を1時間あたり11本から15本まで増発することが可能となった。[要検証 ] [13]
- ^ 新横浜駅から西武池袋線に直通する列車は2023年現在無い。
- ^ 新大阪駅構内および下り列車の到着アナウンスでも同様。上り列車の到着アナウンスでは「JR京都線」、「JR神戸線」と愛称を使用する。
- ^ 2008年3月までは九州方面に向かう夜行寝台特急も発着していた。
- ^ この時点では2012年春の開業を見込んでいた。
- ^ 本線を高架橋とせず盛り土構造のままとし、新駅の関連部分を高架橋で現行の本線に沿わせる工法。掛川駅がこの方式で建設されたため、一部では掛川方式と言われる。
- ^ 0系、100系、500系は東海道新幹線から撤退後も、引き続き山陽新幹線での運用が存在した。700系(B・C編成)は、2020年2月28日の東海道新幹線での運用終了後も、山陽新幹線では定期運用が同年3月13日まで、臨時運用・代走を含めても同年8月9日まで継続したため、わずか数か月の差で同時運用終了とはならなかった。
- ^ 山陽新幹線内完結列車の1往復は2020年3月まで700系が引き続き使用されていた。
- ^ 横浜国際総合競技場で開催された6月9日(日本vsロシア)、11日(アイルランドvsサウジアラビア)、13日(エクアドルvsクロアチア)、30日(決勝・ブラジルvsドイツ)に新横浜 - 東京間で、静岡スタジアム エコパで開催された11日(ドイツvsカメルーン)に掛川 - 東京・名古屋間で、共に試合終了後のサポーター向けに運転された[53]。
- ^ 当時は66号、2012年から64号[56]
- ^ 新神戸駅が全列車停車駅になったのは2003年、品川駅が全列車停車駅になったのは2008年だが、当該列車はN700系投入前から両駅に停車していた[57]
- ^ 電光掲示板ではオレンジ色(■)で表示される場合あり。
- ^ a b c 2012年3月17日のダイヤ改正では300系の運用が終了し、700系・N700系16両編成全編成に飲料の自動販売機を設置(700系初期車の16両編成はマスコットグッズの自動販売機も設置)し、「こだま」での車内販売は全廃。16両編成の「こだま」の車内では自動販売機のみで飲料のみの販売(700系初期車の16両編成で運転する「こだま」では自動販売機のみでマスコットグッズも購入可)となるも、2014年3月15日に700系・N700系16両編成の車内の自動販売機が全廃。「のぞみ」・「ひかり」の車内では自動販売機全廃後も車内販売で飲料が購入可能。
- ^ 時刻表には車内販売・ビュフェ・電話サービスは中止の上での利用との断りが記されていた。
- ^ 半径2,500m。山陽新幹線以降は一部に規格外の曲線があるが、大半は半径4,000m以上である。
- ^ 運輸省の官僚として東海道新幹線の建設計画に関わった角本良平も、新幹線開業の半年前にあたる1964年(昭和39年)4月に刊行した著書『東海道新幹線』(中公新書)で、降雪は関ヶ原で付近で見られるが大きな問題ではないと簡略に記述している。
- ^ 特に「のぞみ」は数分おきに運転されているため、繁忙期には次の列車がすぐに来る。逆に新幹線が遅れた場合、在来線の接続列車は15分程度までは待つことが多く、JR各社線以外の鉄道路線もその接続待ちを取ることも珍しくない。
- ^ 東海道区間に乗り入れないE編成・V編成を含む。
- ^ この点に関し国鉄時代に、実際の距離で計算しないのは不当であるとして、実際の距離で計算した場合との差額の返還を求める民事訴訟が起こされた。詳細は「新幹線運賃差額返還訴訟」を参照。
- ^ JRの通学定期は大学生(各種学校生を含む)・高校生・中学生・小学生の4種類向けの運賃設定があるが、FREXパルではいずれも同額となっている。
- ^ ただし、小田原駅から東京方面への通勤では、普通車全席自由席となっている「こだま」でも着席できない場合があるとされている。出典は黒瀧應司 (2008年2月1日). “新幹線通勤”. カナロコ (神奈川新聞). オリジナルの2007年8月11日時点におけるアーカイブ。
- ^ 三島駅に停車し(同駅始発列車を含む)、朝の7時台から9時10分までに東京駅へ到着する「こだま」は1969年(昭和44年)に2本、1989年(平成元年)に5本、1993年(平成5年)に7本、2004年(平成16年)以降現在までは10本(うち4本は土曜・休日運休)。このほか、三島駅は通過するが、浜松・静岡両駅に停車して同時間帯に東京駅へ到着する「ひかり」が現在3本設定されている。
- ^ 土曜・休日は普通車の一部が指定席となる。
- ^ 製造時に研磨加工途中で発生した停電により、表面硬度のための高周波焼入れ時の残留応力が戻ったためとされ、その後、製造時にはX線による非破壊検査が行われることになった[102]。
- ^ 東京行6本(途中停車駅:熱海)と、名古屋行2本(途中停車駅:浜松)。いずれも深夜帯での運行だったため、通常より速度を落として走行した。
- ^ 東京駅から昼間の定期列車が毎時丁度に発車するのは、1996年3月15日まで運行された「ひかり」以来13年ぶりである。
- ^ 臨時列車の運転を取りやめ、定期列車のみの運行。
- ^ 年末年始、春の大型連休およびお盆の期間(初年は2021年12月28日 - 2022年1月6日、2022年4月27日 - 5月8日および2022年8月11日 - 21日)は設定なし。
- ^ 所定の最高速度は160 km/h。210 km/hは運転士の裁量で許される上限であった。
- ^ 1964年当時存在している「日本クラウン」は不参加。
- ^ 新幹線建設当時は京阪神急行電鉄。
- ^ 高速運転を行っていた阪急側が、高架側から踏切に進入する人や車の見通しが悪くなることを嫌ったという理由を示した本もある。[どこ?]
出典
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- ^ 『東海道新幹線工事誌』土木編にも初代の駅名標の図面が掲載されていた。
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