ひん‐しゅ【品種】
品種
品種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/02 19:43 UTC 版)
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日本語では、異なる意味を持つものが混在して「品種」と呼ばれうる。以下のものが挙げられる。
- 植物の品種
- 植物学における品種
- 栽培品種(園芸品種)
- 法律用語としての植物品種
- 動物の品種(血統)(breed)
植物の品種
植物学における品種
品種(ひんしゅ、ラテン語: forma フォールマ、英語: form フォーム、省略形: f.[1])は国際藻類・菌類・植物命名規約(ICN)によって定められた、種より下位の分類階級の一つ、および、その階級に属するタクソンである[2]。専ら植物学のみで使われる。
自然(野生)状態で、形態などにおいてははっきりと区別できるものの、同じ地域の同種個体群とは生殖的に隔離されていない個体群を指す。多くの顕花植物に見られる白花品などはこのように扱われる。
ICNによる品種分類群の学名の例
- Rosa roxburghii f. normalis (種より下位の階級のため、二名法による種名が必要。接続語"f."が品種階級を表し、その直後が品種の形容語[3])
栽培品種
栽培品種(英語: cultivar、園芸品種とも。また、単に品種と表記されることも多い)は、人にとって有用な植物に価値を付けて利用する際に用いる分類体系で、他のものと識別できる特性を安定して有し、かつ、その特性を保持したまま増殖可能な植物の集合のことで、植物学における分類階級の品種やタクソンとは全く異なる分類体系である。遺伝的に均一か否かは問わない。
栽培品種の命名法は国際栽培植物命名規約(ICNCP)で定められている。 特定の種にとどまらず、雑種や接木キメラにも栽培品種名を付けることができる[4][5]。
- Cyclamen ‘Artemis’ (最小限の表記:ICNによる属名とICNCPによる栽培品種小名[注釈 2]の組み合わせ、栽培品種小名は ‘ ’ で囲む)
- Cyclamen hederifolium ‘Artemis’ (ICNによる種名とICNCPによる栽培品種小名の組み合わせ)
- Cyclamen hederifolium var. hederifolium f. albiflorum (Bowles’s Apollo Group) ‘Artemis’ (詳しい表記:ICNによる種より下位の分類群名とICNCPによる栽培品種群名を記載)
法律用語としての植物品種
植物の新品種の保護に関する国際条約(UPOV条約)における植物品種(英語: Plant variety)は分類学上の品種や変種[注釈 3]ではなく、栽培品種を法的に定義した語である[7]。植物品種は次のように定義される。
「品種」とは,既に知られている最下位の植物学上の 1 の分類群に属する植物の集合であって,育成者権の付与のための条件をすべて満たしているか否かを問わず,遺伝子型又はその組合せによって生ずる特性の表現によって特定することができ,これらの特性のうち 1 以上の特性の表現により他のすべての植物の集合と区別することができ,かつ変化なく増殖させることが可能であるという点で 1 の単位とみなすことができるものをいう。 — 植物の新品種の保護に関する国際条約(UPOV条約 1991年法)・日本語訳(特許庁)
動物の品種
varietyの訳として
種の中で、他の個体と区別できる、人為的に選抜された形質などの特徴が安定しており、それにより他と区別できる、もしくは産業上区別する意味の認められる個体群。クローン個体群も含まれる。品種内で遺伝的に斉一か雑ぱくかは問われない。農業(畜産も含む)上のハイブリッド品種など、ある品種同士の子孫が親と同じ品種とみなされないことも多い。
一般社会で使う場合、種と混同したりする例もある。たとえばシェパードやチワワは種ではなく犬の品種である。植物、動物、菌(キノコ)で認められる。細菌、酵母、カビなどでは系統[注釈 4]と言われ、品種とはいわない。
ただし「variety」を「変種」とした場合は、動物分類学においては、種内のあらゆる変異型をさす多義的な概念。色彩多型・季節多型・栽培生物・飼養生物・亜種および非遺伝的な変異などがこれに含まれる。
脚注
注釈
出典
- ^ Turland 2018, ARTICLE 5.
- ^ 国際動物命名規約・国際原核生物命名規約では認められていない。
- ^ Turland 2018, ARTICLE 24.
- ^ Brickell 2016, Art. 1.4.
- ^ Brickell 2016, Art. 2.11.
- ^ Brickell 2016, Recommendation 21A.1.
- ^ Brickell 2016, Art. 2 Nt. 4.
参考文献
- Turland, N. J.; Wiersema, J. H.; Barrie, F. R.; Greuter, W.; Hawksworth, D. L.; Herendeen, P. S.; Knapp, S.; Kusber, W.-H. et al. (2018) (英語). International Code of Nomenclature for algae, fungi, and plants (Shenzhen Code) adopted by the Nineteenth International Botanical Congress Shenzhen, China, July 2017. Regnum Vegetabile. 159. Glashütten: Koeltz Botanical Books. doi:10.12705/Code.2018. ISBN 9783946583165. OCLC 1043224136
- Brickell, C.D.; Alexander, C.; Cubey, J.J. et al., eds (2016-6). “International Code of Nomenclature for Cultivated Plants” (英語) (PDF). Scripta Horticulturae (International Society of Horticultural Science) 18. ISBN 978-94-6261-116-0. ISSN 1813-9205 .
関連項目
品種(カリフォルニアキングヘビ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 07:24 UTC 版)
「コモンキングヘビ」の記事における「品種(カリフォルニアキングヘビ)」の解説
アルビノ - 黒色色素がない。 クレイジー - バンデッドとストライプの中間。クレイジーという名称は日本だけで、他国ではアベラントと呼ばれる。 コースタル - 黒褐色や茶色の体色に黄、淡黄色の縞が入る。 ストライプ - 縦縞(優性遺伝)。 チョコレート(メラニスティック) - 黒色色素が多い。 デザート - 黒の体色に白の縞が入る。 ハイポメラニスティック - 黒色色素が少ない。 バンデッド - 横縞。 50/50(フィフティー/フィフティー) - デザートかつバンデッドで黒白の割合が同じか、若干白色部分が多い。 ラベンダー - T+アルビノ(チロシナーゼポジティブアルビノ)。本来はアルビノでは機能しないチロシナーゼ(黒色色素を作る酵素)が働くため色の濃くなるアルビノ。
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品種
「品種」の例文・使い方・用例・文例
- 遺伝子工学を新品種の開発に応用する
- 数品種の乳牛を飼う
- ブタの品種改良における品種間交雑
- 品種改良が進む
- 彼らは植物品種育成に取り組んでいる。
- それはクモに近い品種の小動物です。
- 私達はそこで珍しい品種の梨や葡萄を得ることができます。
- 私たちはそこでは珍しい品種の葡萄を買うことができる。
- 現地でも収穫量の少ない品種で、缶詰としてではなく生の状態としては本邦初入荷となります。
- 除草剤耐性品種でなぜ収量が増えるのか?
- 19世紀末になって初めて植物の品種改良は科学の一分野となった。
- ブタの新品種.
- 改良品種の馬.
- 小麦のこの新しい品種は在来のものよりもずっと丈が低い.
- この品種は葉の肉が厚いところがそれと違います.
- ある品種はペットに向かない
- エンドウとトマトの初期の品種は、最も標準的な品種より早く熟す
- 異なる品種や種類の親を使用して、動物や植物を品種改良する
- アメリカ原産の家禽品種
- 英国原産の小型の家禽品種
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