シニス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/08 16:00 UTC 版)
シニスは怪力の盗賊で、コリントスのイストモス地峡で、旅人にひどい乱暴をした。シニスは松の木を地面まで曲げ、松がもとに戻らないように押さえさせ、跳ね飛ばして殺した[1]。あるいは旅人とともに松を押さえているときに手を離し、跳ね飛ばして殺した[4]。またあるいは2本の松を曲げて旅人の両足に縛り、旅人は2本の松がもとに戻るときに引き裂かれた(八つ裂きの刑)[5][6]。テーセウスはアテーナイに向かっているときにペリペーテースに次いで、シニスをそれまで彼がしてきたのと同じ方法で殺した[1][2]。シケリアのディオドロスも簡潔な言葉でシニスをペリペーテースの次に退治したと述べている[7]。
なお、テーセウスはシニスを殺した後、彼の娘ペリグーネーとの間に1子メラニッポスをもうけたと伝えられている[2]。
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- オウィディウス『変身物語(上)』中村善也訳、岩波文庫(1981年)
- ディオドロス『神代地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎(1999年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
- プルタルコス『プルタルコス英雄伝(上)』村川堅太郎編、ちくま文庫(1987年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)
関連項目
- 1 シニスとは
- 2 シニスの概要
固有名詞の分類
- シニスのページへのリンク