Number Theoryとは? わかりやすく解説

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数論

(Number Theory から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/04/06 09:23 UTC 版)

数論(すうろん、英語: number theory)は、、特に整数およびそれから派生する数の体系(代数体局所体など)の性質について研究する数学の一分野である。整数論とも言う。

概要

フェルマーの最終定理のように、数論のいくつかの問題については、他の数学の分野に比して問題そのものを理解するのは簡単である。しかし、使われる手法は多岐に渡り、また非常に高度であることが多い。

分野

通常は代数学の一分野とみなされることが多い。おおむね次の四つに分けられる。

初等整数論
他の分野の数学的手法を使わずに問題に取り組む、数論の中で最も基礎的な土台をなす。フェルマーの小定理オイラーの定理平方剰余の相互法則などはこの分野の成果である。
代数的整数論
扱われる対象は整数というよりも代数的整数である。従って、代数的な整数論と読むよりも代数的整数の論と読む方が正しいと考えられる。ガウスの整数を研究したカール・フリードリヒ・ガウスがおそらくこの分野の創始者である。体論はこの分野の基礎的根幹であって、ガロア理論は基本的な道具である。代数体のアーベル拡大の統制を記述する類体論も、この分野の大きな成果である。元来の岩澤理論もここに分類されよう。
解析的整数論
微積分複素関数論等の解析学的手法を用いて問題に取り組む。この分野は初めて解析的な手法を系統的に数論に応用したペーター・グスタフ・ディリクレに始まるとされる。その弟子であるベルンハルト・リーマンによってすでにこの分野の最大の未解決問題であるリーマン予想(1859年)が提示されたのは興味深い。素数定理の証明(1896年)はこの分野の一里塚である。ゼータ関数保型関数を研究するのもこの分野であって、超越数論とも関係が深い。
数論幾何学
整数論の問題を、代数幾何の手法で研究する、あるいは代数幾何の主対象である代数多様体(もっと広くスキーム)の整数論的な性質を研究する分野である。ディオファントスによる研究(初等整数論の範疇)から考えても、その起源は古いが、現代的な意味での数論幾何学の始祖はアンドレ・ヴェイユ(合同ゼータ関数に関する研究、モーデル・ヴェイユの定理の証明のほか、任意の体上での代数幾何学の研究など)といえるだろう。1950年代後半以降のアレクサンドル・グロタンディークらによるスキーム論およびそれに関連する各種理論の発展により、爆発的な発展を遂げ、現在では数論の中核に位置しているといえる。

応用

かつて数論は純粋数学の典型であるとされ、実応用を全く想定せずに研究が進められることが普通であったが、コンピュータの発展に伴って幅広い分野に応用を持つようになった。

応用例

  • 公開鍵暗号 - 暗号化と復号化を異なった鍵(数値)で行う方法。一つの鍵で復号化と暗号化を行う場合と比べ安全性と応用性が高まる。
  • 固定ギア自転車のスキッドポイントの分散化 - 前後のギアの関係を互いに素にすると、スキッドポイントと呼ばれる摩耗点が最も分散化される(タイヤの寿命が向上する)。

数論への言及

カール・フリードリヒ・ガウスは次のような言葉を残している。

数学は科学の女王であり、数論は数学の女王である。

歴史

古代ギリシア

数論はヘレニズム後期(紀元3世紀)のギリシア人数学者らに最も好まれた研究対象で、エジプトアレクサンドリアで活動したアレクサンドリアのディオファントスは、自らの名が(後に)冠されたディオファントス方程式の様々な特殊ケースを研究したことで知られている。

ディオファントスはまた、線型不定方程式の整数解を求める方法について考察した。線型不定方程式とは、解の単一の離散集合を得るには情報が不足している方程式を指す。例えば、

ウラムの螺旋。自然数を螺旋形に順に並べ、素数にあたる位置だけを強調表示した図。何らかのパターンが見えており、法則が予想されているが、その予想はまだ証明されていない。

数多く存在するが、その多くに素数分布予測の難しさが絡んでいると思われる。問題そのものは初等的に記述できても本質的に現代数学の概念を要請するものが多い。

関連文献

和書

洋書

脚注

  1. ^ a b c O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “Thabit (831-901)”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews, https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Thabit/ .
  2. ^ a b O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “Al-Baghdadi (980-1037)”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews, https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Al-Baghdadi/ .
  3. ^ a b c d O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “Al-Farisi (1260-1320)”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews, https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/AL-Farisi/ .
  4. ^ Rashed, Roshdi (2002-09-11) (英語). Encyclopedia of the History of Arabic Science. Routledge. p. 385. ISBN 9781134977246. https://books.google.com/books?id=7veIAgAAQBAJ&q=fundamental+theorem+of+arithmetic+discovered+al-farisi&pg=PA385. "The famous physicist and mathematician Kamal al-Din al-Farisi compiled a paper in which he set out deliberately to prove the theorem of Ibn Qurra in an algebraic way. This forced him to an understanding of the first arithmetical functions and to a full preparation which led him to state for the first time the fundamental theorem of arithmetic." 
  5. ^ Costello, PAtrick (2002-05-01). “New amicable pairs of type $(2,2)$ and type $(3,2)$”. Mathematics of Computation (American Mathematical Society) 72 (241): 489–497. doi:10.1090/S0025-5718-02-01414-X. https://www.ams.org/mcom/2003-72-241/S0025-5718-02-01414-X/S0025-5718-02-01414-X.pdf 2007年4月19日閲覧。. 
  6. ^ O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F, Fibonacci, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews
  7. ^ Duthel,Heinz:Squaring the circle-thinking the unthinkable",p.84

外部リンク




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