2代目 S4#型(1962年 - 1967年)
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「トヨタ・クラウン」の記事における「2代目 S4#型(1962年 - 1967年)」の解説
新しい小型車規格に合わせ、先代より長く幅広いボディが与えられた。スタイリングは当時のアメリカ車の影響を強く受けた「フラットデッキスタイル」と呼ばれるものであり、1960年に登場したフォード・ファルコン(Ford Falcon)が直接の手本とされた。「涙目」と呼ばれるテールランプと一体化したバックアップランプ、トヨタの頭文字である「T」をモチーフとしたジュラルミン製のフロントグリルとリアガーニッシュが特徴。フロントグリルに取り付けられる「王冠エンブレム」はこの世代のデザインのものが、11代目まで長らく使用された(12代目以降、一部手直しを受けている)。 一方性能面では、高速道路整備が始まった「ハイウェイ時代」に対応できる自動車としての根本改良が図られた。シャシは初代の低床式梯子形から、より剛性の高いX型プラットフォームフレームとなったが、このレイアウトのシャーシフレームは1957年にゼネラルモーターズがキャデラックに導入、翌1958年にはポンティアックとシボレーにも採用していたもので、1960年代中期にペリメーターフレームに変更されるまで続いた。フォード類型のスタイリングと並び、メカニズム面でもアメリカ車の影響がいまだ強かったことをうかがわせる。エンジンは直列4気筒OHVの3R型(1.9 L)を引き続き搭載したが、エンジンルームは当初から直列6気筒エンジンの搭載が容易な設計とされていた。直列6気筒のM型エンジン(トヨタ初のSOHCエンジンでもあった)搭載車は、1965年11月に発売されている。 バリエーションはセダン(RS40/RS41)に加え「カスタム」と呼ばれるワゴン(RS46G)が加わり、いずれにも半自動トヨグライドが設定された。カスタムはS40系マスターラインのバンと車体を共用していたが、内装を乗用車と同等とし、荷室に2名分のジャンプシート(床収納式の補助座席)を備えていた。 第1回日本グランプリでは多賀弘明がクラス優勝している。韓国の新進自動車(現:韓国GM)でもノックダウン生産されており、新進による生産はその後「クジラクラウン」まで続くこととなる。 この代から、CMキャラクターに俳優の山村聰が起用され、4代目の発売時を除いて1983年の6代目まで、長年に渡り続いた。 1962年9月21日 - 発表。 1962年10月1日 - 発売。 1963年9月 - マイナーチェンジ。グリルの大型化、バックアップランプを矩形に変更してテールランプと別体化、マニュアルトランスミッションのフルシンクロ化、トヨグライドの完全自動化などが行われた。 1964年4月 - 上級車種の「クラウン・エイト」(VG10型)が登場。クラウン・エイトは通常モデルのボディーを前後左右に延長・拡幅して、日本初のV型8気筒エンジンを搭載した。 1965年7月 - マイナーチェンジ。フロントターンシグナルランプのバンパー埋め込み化や、ブレーキ、ターンシグナル兼用の赤一色の丸形テールランプから、横長のコンビネーションランプへの変更などが行われた。同時に個人ユーザー向けグレードとして、デラックスよりも装備を簡素化した「RS40-B」(後の「オーナースペシャル」)が追加された。 1965年11月 - 直列6気筒SOHCのM型エンジン搭載車を追加。この6気筒モデル(MS40型)にはデラックスのほかに、フロントディスクブレーキ、ツインキャブ、フロアシフト、タコメーターなどを装備したスポーティーグレードの「クラウンS」も用意された。「クラウンS」に搭載されたM-B型は、通常モデルの105 PSに対し、大幅に強力な125 PSを発生した。 1966年3月 - カスタム、スタンダード、オーナースペシャルの3グレードに直列6気筒エンジンを追加。 1966年11月 - 最上級グレードとしてパワーウィンドウなどを装備した「スーパーデラックス」を追加。 1967年2月 - オーストラリアン・モーター・インダストリーズにて、オーストラリアにおける現地生産を開始。 1967年9月 - MS5#・RS5#型へのモデルチェンジで販売終了。販売終了前月までの新車登録台数の累計は約25万台。 4ドアセダン(1962年型) カスタム(ワゴン) シングルシートピックアップ (1965年型 オーストラリア向け)日本国内では、バンとピックアップはマスターラインの車名を用いる。
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