鏡の国のアリス症候群患者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 20:52 UTC 版)
東雲 あづま(しののめ あづま) 主人公。見た目は142センチメートルという低身長と相まって小学生のような幼い外見をしているが、実際には14歳(中学2年生)である。学校へはあまり通っていない。父親とは死別しており、母親も行方が知れないため、叔父の家で暮らしているが、叔父一家全員から凄惨な児童虐待を受けている。「文鳥ちゃん」という名前のセキセイインコを大事にしていたが、従兄に殺されてしまい、その亡骸をいつも携えている。 日本A-1に属する特異点で、最も「終世主」に近い存在。当初は戦闘に乗り気ではなかったが、「世界鬼を1体倒すと身近な人間が1人死ぬ」という事実を知ってからは、叔父一家への復讐として殺害するために積極的に戦う。しかし、最後の復讐の対象だった叔父が自殺したことで母とひじりが死の対象に繰り上がってしまい、世界鬼討伐に躊躇するようになる。終盤にて、反陽子爆弾を使用し、壁に庇護された王以外の全て(アリス、チェシャ鬼、ワンダーランド)を無にする。よって、あづまは予備タンクの消費を避け、無事帰還する。 宇藤 耕太郎(うとう こうたろう) 漫画雑誌の編集者。大の漫画好きで主人公願望が強く、予備タンクシステムを知るまではワンダーランドという世界を楽しんでいた。 レンズに★の意匠を施した眼鏡を掛けており、毎晩違うジャージを着ている。 後に佐伯と恋人関係になる。第五夜転送直前にギーガー特務官に頭を撃ち抜かれて死亡、世界鬼となる。しかし、メーズの塔破壊後、一旦立ち寄ったワンダーランドで佐伯咲希の顕在化により、人間に戻る。 佐伯 咲希(さえき さき) ボーイッシュな見た目と性格をした少女。都内のアパートに同性の親友とルームシェアをして暮らしている。アリス症候群の恐ろしい幻覚のせいで、常に傍に誰かがいないと落ち着くことができないという、非常に依存心が強い性格になってしまっている。 自戒鬼にとどめをさしたことで親友が亡くなったことを知り、足立の一件と合わせて予備タンクシステムが発覚するきっかけになった。自分のせいで親友を殺してしまったことによる自責の念で精神バランスを崩していたが、間接的な要因を作り同じように苦悩していた宇藤に支えられて後に恋人となる。そのため、宇藤の死体を顕在化させたことがある。 瀬木 ひじり(せき ひじり) 「アリスメンバー」で唯一、素性が一切判明していない謎の青年。沈着冷静に見えるが、戦闘後に出現したチェシャ鬼に即発砲する等、好戦的な性格。「初夜」から何かとあづまを気にかけている。 正体は、あづまが可愛がっていた文鳥ちゃん。その事実にあづまが気づいた後は、「セキちゃん」と呼ばれる。 足立 輝(あだち てるき) 生花店でアルバイトをする浪人生。顎髭を蓄えたやや強面の顔をしているが、妹がいるためか幼いあづまを特に気にかけたりと実際には面倒見のよい性格である。大宮市在住。 問題を抱えているアリスメンバーの中ではかなりまともな部類で、特におかしな性質を持っているわけでもなく特殊な環境に置かれて育ったわけでもない。なお、プロフィールには「頭が悪く、卑屈っぽく、繊細で面倒臭がりでモテない青年」と記載されている。あづまも印象が良いらしく「会いたい人」として足立の名前を挙げている。 世界鬼からの計8回にも及ぶ致死攻撃により、メーズ側の悪意と同調、メーズとゼラの縮図となり、王の壁を破れるようになった唯一のアリスになる。奇怪鬼にとどめをさし、現実世界で母親が亡くなった。 大倉 快人(おおくら かいと) 服役中の元自衛官。薬物中毒の同性愛者。担当看守の山口とは元同僚であり恋人同士。 初期は薬物により狂った描写が多かったが、基本的には善人で常に誰かを救うために戦おうとする。銃火器や兵器、戦闘への知識と経験に富んでいる。 患者の大半が子供のアリス症候群において、年齢的にも精神的にも成熟した数少ないアリスで、のちに第8の特異点として覚醒する。第5.5夜、王の送り込んだ世界鬼と対戦し、死亡。第6夜のワンダーランドで使界鬼としてギーガーの軍勢に混ぜられていた様で、快人自身の意思により、王の攻撃から日本A-1のアリス全員を守りぬいた。 黒江 稔(くろえ みのり) 援助交際を繰り返すセックス依存症の女子高生。実家は毎年増えていく兄弟のために貧困化し崩壊した。望まない妊娠を機に恋人に捨てられ、子供がいなくなれば元のようにセックスができると妄信している。市川市在住。 予備タンクシステムを利用して胎児を殺そうと暴走した結果、一時的ではあるが特異点として覚醒する。しかし、自我の芽生えていない胎児は予備タンクとしての役割を果たさず、ルッキョンとの出会いで考えは一転、胎児を産むことを決意。5年後の様子を描いたエピソードでは、「天使〈るっきょん〉」という名の子供を抱いていた為、黒江自身が産んだ子供と推測される。 山口隆玄(やまぐち りゅうげん) 大倉快人と共に戦場を駆け回った元自衛官。大倉と同じ薬物中毒者。 予備タンクの事実を知った快人がその事を打ち明けると、「もう自衛官じゃねえが、守られる側になったつもりはねえぞ」と大倉に銃を渡した。第5夜、ギーガーからの攻撃で破壊された刑務所にて自身のロッカールームから銃を持ち出してきたり、火事場ドロから奪った薬物で奇行に走る等する姿が描かれている。王の「作品」を殺した大倉快人の予備タンクとして第5夜で死亡。
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