番組に対する主な抗議など
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「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」の記事における「番組に対する主な抗議など」の解説
2000年11月28日放送の「よみがえれ日本海」では、ナホトカ号重油流出事故に際して神戸から来た災害ボランティアが、発生地・福井県の青年会議所を指導して「三国重油災害ボランティアセンター」を作ったことになっているが、実際には当初それぞれが受け入れ窓口を作り、話し合いで一本化したものであった。 2001年6月19日放送の「父と息子 執念燃ゆ 大辞典」は『広辞苑』を岩波書店から刊行した新村出・猛親子に焦点を当てた内容だったが、『広辞苑』が同じ新村出を編者として1935年に博文館から刊行された『辞苑』の改訂版であったことに一切触れず、新村親子の努力で『広辞苑』がいきなり発売されたかのような内容になっていた。同社の後身である博文館新社から抗議を受けたため、書籍版では博文館および『辞苑』について加筆を行った。 2001年7月10日放送の「白神山地 マタギの森の総力戦」では、白神山地の道路建設に青森県・秋田県が起こした反対運動について取り上げられた。その際、秋田県側が青森県側に呼びかける形で反対運動が始まったかのように描写されたが、実際には当初反対運動は青森県と秋田県で別々に発生し、後にそのことを知った双方が話し合って一本化していた。関係者の抗議を受け、この回のビデオソフト化および書籍版への掲載は見送られている。 2002年1月8日放送の「あさま山荘 衝撃の鉄球作戦」では、「極寒の中で地元住民が機動隊員に対して毎日大量のおにぎりを作って協力した」と放送されたが、実際にはおにぎりを作ってはいたものの極寒の中でおにぎりはすぐに凍り付いてしまう状況であり、温かい食事にありつけたのは外周警戒の者達だけだった。最も役に立ち食されたのは、本番組でも前年に放送された「カップヌードル」である。 2002年9月17日放送の「革命トイレ、市場を制す」では、住宅機器メーカーの東陶機器(TOTO)が1980年に開発したウォシュレットが国内初の温水洗浄便座とされていたが、実際には1967年に同根同業の伊奈製陶(現在はLIXILのINAXブランド)から発売された「サニタリーナ61」が国内初の温水洗浄便座である。また、番組内で「停車車両から伸びるアンテナを見て伸縮式ノズルを考え出した」、「雨の中でも故障なく動く信号機を見て防水仕様のハイブリッドICの使用を思い立った」ともあったが、これらの機構は「サニタリーナ」で既に実現しており、これらを参考にした可能性もある。番組内では「サニタリーナ」の存在自体が全くなかったかのように描写された。メディア広告にしても、予てから各媒体に出ていたし、ウォシュレットのテレビコマーシャルも発売当初から行っていたのにもかかわらず、「ご不浄だから」と雑誌には断られ続けてきたと言い、1982年にサン・アド制作の戸川純が出演するものが同製品初のCMだと事実と異なる説明をしていた。 2002年10月28日放送の「カーナビ 迷宮を走破せよ」では、音響機器メーカーのパイオニアが地図データの供給を巡り、住宅地図メーカーのゼンリンから「俺達はソニーと組む」と突き放された、と紹介されたが、実際にはカーナビゲーションソフトの規格統一を提言したゼンリンからの申し出をパイオニアが断って独立した歩みを選択したものである。さらに、パイオニアのカーナビゲーションが発売された時、既にマツダ・ユーノスコスモのオプションとして世界初のGPSカーナビゲーション(三菱電機との共同開発)が搭載されており、パイオニアは後付け型カーナビゲーションを最初に市販したことでしかなかった。 2005年5月10日放送の「ファイト!町工場に捧げる日本一の歌」で、採り上げられた側の大阪府立淀川工業高等学校(現・大阪府立淀川工科高等学校)が、事実とは異なる点があるとして訂正・謝罪要求を申し入れた。放送では「淀川工業高校は荒れていて音楽など全く縁がなかったが、新任の国語教師(高嶋昌二)が他の職員の反対を押し切りグリークラブ(男声合唱部)を設立。合唱を通じて生徒を更生させ、合唱コンクールに出場する。しかし、コンクール会場にはパトカーが来ているなど、淀川工業高校の参加に対し主催者側が大きな警戒感を露にした」となっていたが、実際には「当時淀川工業高校は荒れていない高校であり、前々から吹奏楽部があって全国大会で上位のレベルであった上、グリークラブ設立の際も校長自ら早期に賛成している。合唱コンクール参加時も、主催側は数ある参加校のひとつとしてしか考えておらず、警戒する理由はなくパトカーも来ていなかった」など、事実とは異なる表現であった。NHK側もこの回については行き過ぎた点があったとし、同年5月28日放送分の『土曜スタジオパーク』でこれまでの経緯を説明し、担当部長が生出演して謝罪した。また、5月31日の番組終了後にも国井雅比古が謝罪のコメントを行った。公式サイトからはこの回の紹介ページが削除され、ビデオソフト化及び書籍版への掲載も見送られた。
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