生涯と教育とは? わかりやすく解説

生涯と教育

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 22:29 UTC 版)

メアリー・サマヴィル」の記事における「生涯と教育」の解説

メアリー海軍中将サー・ウィリアム・ジョージ・フェアファックスの娘で、父ウィリアム名門フェアファックス一族出身である。母レディ・マーガレット・チャーターズはスコットランド複数名家親戚関係にあったメアリースコティッシュ・ボーダーズジェドバラにある牧師館生まれた。この牧師館はおばの家であり、このおばは母マーガレット姉妹で、『わが生涯思い出』(My Own Life and Times) の著者トマス・サマヴィル博士1741年 - 1830年)の夫人であったメアリー子ども時代ファイフのバーンティスランドにある家で過ごした。海から戻ったウィリアムは、10歳メアリーが「野人のようだ思い、マッセルバラの非常にお金のかかる寄宿学校1年間行かせることにした。メアリー1年後戻ってきたが、ようやく読み書きができるかという程度の状態であった簡単な算術とほんの少々フランス語学んでいたという。 この後メアリー公的教育の外で初歩的な地理学天文学教わったが、男の兄弟受けた教育比べる限られた内容であった本人考えていた。そのため、教育の不足を補おうと、おじであるトマス・サマヴィル博士からラテン語習ったトマスによると、メアリーは熱心な生徒であった。あるとき、兄弟数学個人授業受けているのを小耳挟みメアリー兄弟がわからなかった箇所答えた驚いた家庭教師非公式にメアリー数学授業を受け続けることを許可したエディンバラ社交界一員としてメアリー舞踏会パーティへの参加楽しんでいたが、本人によると学問のほうが主な関心であったという。 メアリーエディンバラでアレクサンダー・ネイスミスから美術習ったメアリー透視図法習い、これに感化されユークリッドの『原論』を入手し独学学び始めた同時に社交的な催し出席し感じ良く礼儀正しいふるまいをするという縁故の多い良家の娘の伝統的な役割果たし続けエディンバラ社交家たちの間では「ジェドバラ薔薇」と呼ばれていたという。しかしながらこの頃、妹が10歳亡くなってしまった後に、勉強のしすぎが娘の死に関係あると信じた両親によってメアリーさらなる勉強禁じられてしまった。それでもメアリー秘密裏独学研究続けるのを止めることはできなかった。本人回想によると、アイザック・ニュートンの『自然哲学の数学的諸原理』などを独習したという。1804年メアリー遠縁親類であるロンドンロシア領事、キャプテン・サミュエル・グレイグと結婚したサミュエル海軍大将サミュエル・グレイグの息子である。メアリーサミュエルの間には2人の子どもが生まれ息子のヴォロンツォフ・グレイグは法廷弁護士及び科学者となった夫妻ロンドン住んだが、メアリーはこの時期不幸せであった以前よりは勉強がしやすくなったとはいえ、夫は女性学問的関心探求する能力持っているとはあまり考えておらず、女性学問をすることに対して偏見持っていた。夫が1807年亡くなるとメアリースコットランド戻った当時エディンバラ大学自然哲学教授だったジョン・プレイフェアメアリー勉学継続をすすめ、プレイフェアを通じてメアリー数学者ウィリアム・ウォレス文通はじめた書簡の中でふたりは雑誌数学宝庫』(Mathematical Repository) に掲載されている数学の問題について議論した1811年メアリーこのうち1問の答えについて銀メダル受賞している。 夫の遺産おかげでメアリー知的関心探求する自由を得た1812年メアリー別の親戚で、陸軍医療委員会査察官であるウィリアム・サマヴィル博士1771年 - 1860年)と結婚した。夫ウィリアムメアリー物理科学研究強く後押しして、妻の研究対す熱意能力きわめて高く評価していた。ウィリアム王立協会会員選ばれたため、ふたりは当時随一科学サークル迎え入れられることとなった2度目の結婚メアリーは4人の子どもを生み、同時代の最も傑出した科学者たち知遇得たこうした人々の間でメアリー自身才能注目をあびるようになっていった。メアリー天文学情熱傾けていた。メアリーは、天文学は数と量、静止運動組み合わせた科学であるという点において、物理科学が最も大規模に結びつきあう例であると信じていた。 メアリー広く名声を得る前にピエール=シモン・ラプラスから、「私のことを理解してくれる女性は3人だけです。サマヴィル夫人あなたとカロライン・ハーシェル、それから何も存じ上げていないのですけれどもグレイグ夫人とかいう方です」と言われことがあるラプラス気付いていなかったようだが、もちろんメアリー最初の「サマヴィル夫人」でありかつ3番目の「グレイグ夫人両方である。 メアリー1834年ジュネーヴ物理学自然史協会名誉会員選ばれ同年王立アイルランドアカデミーの会員にも選ばれた。1835年に、メアリーカロライン・ハーシェル王立天文学会初の女性会員になった同年からメアリー政府より300ポンド年金を受けることになった1857年にはアメリカ地理統計協会の、1870年にはイタリア地理協会会員選ばれている。1869年には王立地理学会パトロンズ・メダル当時は「ヴィクトリアメダル」とも呼ばれていた)を受賞している。アメリカ哲学協会会員にもなった。 1838年メアリーと夫のウィリアムイタリア行き生涯のほとんどをそこで過ごすことになった1868年91歳で亡くなる4年前にメアリージョン・スチュアート・ミル女性参政権求め請願署名したが、この請願うまくいかなかった。 メアリーナポリ1872年11月29日亡くなり同地イングランド人墓地葬られた。

※この「生涯と教育」の解説は、「メアリー・サマヴィル」の解説の一部です。
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