リヒャルト・クーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/21 05:22 UTC 版)
Richard Kuhn リヒャルト・クーン |
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生誕 | Richard Johann Kuhn 1900年12月3日 ![]() ウィーン |
死没 | 1967年8月1日 (66歳没)![]() ![]() ハイデルベルク |
主な受賞歴 | ノーベル化学賞(1938) ゲーテ賞(1942) |
プロジェクト:人物伝 |
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リヒャルト・クーン(Richard Kuhn, 1900年12月3日 - 1967年8月1日)は、オーストリア=ハンガリー帝国生まれのドイツの生化学者である。カロテノイドとビタミンに関する研究で知られ、1938年にノーベル化学賞を受賞した。
生涯と教育
クーンは1900年12月3日、オーストリア=ハンガリー帝国のウィーンで生まれた。父はフランツ・クーン、母はテレジア・クーン(旧姓シーセン)である。ウィーン大学で化学を学び、1922年にリヒャルト・ヴェイヒェルによる指導のもと、「2,4-ジオキシキノリンのメチル化と加水分解生成物について」と題する論文で博士号を取得した。
その後、ミュンヘン大学でリヒャルト・ヴィルシュテッターの研究室で助手として働く。この時期に酵素の研究に興味を抱き、後の研究に大きな影響を与えた。
研究と業績
クーンの主要な研究は、生体内の有機化合物の構造と機能の解明に焦点を当てていた。特に、天然色素であるカロテノイド、およびビタミンB群やビタミンAといったビタミンに関する研究で顕著な業績を残した。
1933年にはドイツのハイデルベルク大学教授に就任し、カイザー・ヴィルヘルム医学研究所(現在のマックス・プランク医学研究所)の化学部門を率いる。この研究所で彼は、リボフラビン(ビタミンB2)の構造決定と合成、およびカロテノイドの異性体に関する研究を進めた。これらの研究は、栄養学および生化学の発展に大きく貢献した。
1938年、「カロテノイドとビタミンに関する研究」の功績によりノーベル化学賞を受賞した。しかし、当時のナチス・ドイツ政府の政策により、ノーベル賞の受賞を辞退せざるを得なかった。第二次世界大戦後、彼は再度ノーベル賞のメダルと賞状を受け取った。
戦後の活動と晩年
第二次世界大戦後も、クーンはハイデルベルクのマックス・プランク医学研究所で研究を続けた。彼は癌の研究にも取り組み、生化学的な視点からそのメカニズムを解明しようと試みた。
1967年8月1日、西ドイツのハイデルベルクで66歳で死去した。
参考文献
- "Richard Kuhn – Biographical". NobelPrize.org. Nobel Media AB 2024. https://www.nobelprize.org/prizes/chemistry/1938/kuhn/biographical/ (2025年5月21日閲覧)
- "Richard Kuhn". Wikipedia. https://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Kuhn (2025年5月21日閲覧)
出典
- リヒャルト・クーンのページへのリンク