リヒャルト・クロチャックとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > リヒャルト・クロチャックの意味・解説 

リヒャルト・クロチャック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 05:12 UTC 版)

リヒャルト・クロチャック(Richard Krotschak, 1904年12月30日 - 1989年3月9日)は、ウィーン国立歌劇場管弦楽団ならびにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で首席奏者を務めたチェリストである[1][2][3][4][5]。「弦楽器のウィーン楽派を代表する人物」と評されている[6]


注釈

  1. ^ なお、同時期にはサモヒルがリーダーを務めるウィーン・フィルハーモニア弦楽四重奏団も活躍していたが、シュナイダーハンが第一コンサートマスターとなったことにより、シュナイダーハン弦楽四重奏団は短期間で「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団筆頭の弦楽四重奏団」と目されるようになったとされる[25][26]
  2. ^ ただし、「クロチャックは1938年にはウィーン・フィルを退団し、のちにフルトヴェングラーの助けでロンドンに亡命した」という記述も存在する[39]
  3. ^ 1950年にエルンスト・モラヴェッツの後を継いでシュナイダーハン四重奏団に加入した[15]
  4. ^ ウィーン楽友協会の総裁であったルドルフ・ガムスイェーガーが「ムジークフェライン(楽友協会)弦楽四重奏団」の名前でコンサート・シリーズをやらないかと提案してきたことにより、バリリ弦楽四重奏団は史上初めて、協会の名前をもつお抱えの弦楽四重奏団となった[45][44]。この結果、楽友協会主催の演奏会では「ムジークフェライン弦楽四重奏団」、それ以外のコンサートでは「バリリ弦楽四重奏団」の名で活動することになった[45]
  5. ^ バルトロメイはギムナジウム4年のときにクロチャックの前で演奏し、「君をぜひ自分の弟子にしたい」と言われた。なお、その際にクロチャックはチェロに専念するようアドバイスしたため、バルトロメイはギムナジウムを中退し、1960年9月に音楽アカデミー(のちにウィーン国立音楽大学に改称)の2年に編入された[63]
  6. ^ なお、ヴィオラ奏者のエルンスト・モラヴェッツともに、ヴィクトル・デ・サーバタの指揮でも『ドン・キホーテ』を演奏している。デ・サーバタはこの曲を暗譜しており、ピアノ伴奏も行ったという[64]
  7. ^ なおクロチャックは、バルトロメイが国立歌劇場管弦楽団の補充要員として演奏するようになった頃からその活躍を喜びつつも、オーケストラの勉強でなくソリストの勉強に時間を割くようアドバイスしていた[66]

出典

  1. ^ a b c Richard Krotschak” (日本語). geni_family_tree. 2020年10月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i フランツ・バルトロメイ『この一瞬に価値がある バルトロメイ家とウィーン・フィルの120年』坂本謙太郎監訳、坂本明美訳、音楽之友社、2016年、ISBN 9784276217010、67頁。
  3. ^ a b オットー・シュトラッサー『前楽団長が語る半世紀の歴史 栄光のウィーン・フィル』ユリア・セヴァラン訳、音楽之友社、1977年、18頁。
  4. ^ ハンス・ヴァイゲル『ウィーン・フィルハーモニー讃』信岡資生訳、白水社、1972年、152頁。
  5. ^ ベッキ (1982)、78頁。
  6. ^ a b c d e f g h i j バルトロメイ (2016)、66頁。
  7. ^ a b c d e 村田武雄監修『演奏家大事典 第Ⅰ巻』財団法人 音楽鑑賞教育振興会、1982年、862頁。
  8. ^ シュトラッサー (1977)、90頁。
  9. ^ シュトラッサー (1977)、93-94頁。
  10. ^ a b シュトラッサー (1977)、168頁。
  11. ^ オットー・シュトラッサー『ウィーンフィルハーモニー 第二ヴァイオリンは語る』芹沢ユリア訳、文化書房博文社、1985年、64頁。
  12. ^ シュトラッサー (1977)、165頁。
  13. ^ a b c 植村攻『新版 巨匠たちの音、巨匠たちの姿 1950年代・欧米コンサート風景』東京創元社、2011年、ISBN 9784488024666、244-245頁。
  14. ^ a b シュトラッサー (1977)、169頁。
  15. ^ a b 幸松肇『世界の弦楽四重奏団とそのレコード〜第2巻ドイツ・オーストリア編』クヮルテット・ハウス・ジャパン、2011年、ISBN 9784990641320、85頁。
  16. ^ a b c d シュトラッサー (1977)、170頁。
  17. ^ a b 幸松 (2014)、131頁。
  18. ^ メルラン (2020)、231-232頁。
  19. ^ a b c d シュトラッサー (1977)、171頁。
  20. ^ 幸松 (2014)、134頁。
  21. ^ シュトラッサー (1977)、80頁。
  22. ^ a b シュトラッサー (1977)、172頁。
  23. ^ シュトラッサー (1977)、191頁。
  24. ^ シュトラッサー (1977)、212頁。
  25. ^ 幸松 (2014)、132頁。
  26. ^ 幸松 (2014)、133頁。
  27. ^ a b シュトラッサー (1977)、209頁。
  28. ^ シュトラッサー (1977)、210頁。
  29. ^ シュトラッサー (1977)、216頁。
  30. ^ シュトラッサー (1977)、217頁。
  31. ^ a b シュトラッサー (1977)、201頁。
  32. ^ シュトラッサー (1977)、219頁。
  33. ^ a b シュトラッサー (1977)、213頁。
  34. ^ a b シュトラッサー (1977)、205頁。
  35. ^ シュトラッサー (1977)、197頁。
  36. ^ a b c シュトラッサー (1977)、198頁。
  37. ^ a b c シュトラッサー (1977)、199頁。
  38. ^ シュトラッサー (1977)、196頁。
  39. ^ a b ヘルタ・ブラウコプフ、クルト・ブラウコプフ『ウィーン・フィルハーモニー オーケストラは語る』芹沢ユリア訳、文化書房博文社、1989年、163頁。
  40. ^ シュトラッサー (1977)、231頁。
  41. ^ シュトラッサー (1977)、240頁。
  42. ^ シュトラッサー (1977)、262頁。
  43. ^ a b バルトロメイ (2016)、68頁。
  44. ^ a b c ワルター・バリリ『ウィーン・フィルとともに ワルター・バリリ回想録』岡本和子訳、音楽之友社、2012年、ISBN 9784276217935、128頁。
  45. ^ a b c d e バリリ (2012)、130頁。
  46. ^ 野村 (2002)、35頁。
  47. ^ 幸松肇『ウィーンの弦楽四重奏団200年史 弦楽四重奏の魅力にとりつかれた演奏家たち』クヮルテット・ハウス・ジャパン、2014年、ISBN 9784990641375、143頁。
  48. ^ 幸松肇「ウィーンの名弦楽四重奏団たち」『ストリング』第24巻3号通巻270号、2009年、66頁。
  49. ^ バリリ (2012)、132頁。
  50. ^ 幸松 (2011)、106頁。
  51. ^ 幸松肇「ウィーンの名弦楽四重奏団たち」『ストリング』第24巻4号通巻271号、2009年、69頁。
  52. ^ a b 幸松 (2014)、151頁
  53. ^ 幸松 (2014)、149頁
  54. ^ a b クレメンス・ヘルスベルク『王たちの民主制 ウィーン・フィルハーモニー創立150年史』芹沢ユリア訳、文化書房博文社、1994年、ISBN 4830107030、531頁。
  55. ^ ヘルスベルク (1994)、545頁。
  56. ^ ヘルスベルク (1994)、548頁。
  57. ^ アダルベルト・スコチッチ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団元団員/チェロレッスンなら【アンドビジョン】”. www.andvision.net. 2020年10月2日閲覧。
  58. ^ ヘルスベルク (1994)、530頁。
  59. ^ Schülerabend Richard Krotschak” (ドイツ語). musikverein.wien. 2020年10月2日閲覧。
  60. ^ シュトラッサー (1977)、173頁。
  61. ^ フランツ・バルトロメイ Franz Bartolomey | アーティスト - CAMERATA TOKYO”. www.camerata.co.jp. 2020年10月2日閲覧。
  62. ^ a b c バルトロメイ (2016)、143頁。
  63. ^ バルトロメイ (2016)、149頁。
  64. ^ シュトラッサー (1977)、18頁。
  65. ^ バルトロメイ (2016)、144頁。
  66. ^ バルトロメイ (2016)、156頁。


「リヒャルト・クロチャック」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  リヒャルト・クロチャックのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「リヒャルト・クロチャック」の関連用語

リヒャルト・クロチャックのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



リヒャルト・クロチャックのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのリヒャルト・クロチャック (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS