特徴まとめ
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「著作権法 (フランス)」の記事における「特徴まとめ」の解説
一般的に大陸法系の国々は、著作者本人の権利を著作者人格権と著作財産権に分ける二元論を採用している。その中でもフランスでは、著作者人格権を著作財産権に優先させている点が特徴的である。知的財産法典は「精神の著作物の著作者」という条文表現から始まっており、著作者の人格を尊重するフランスの立法精神がうかがえる(L111条-1)。 またフランスでは、著作権は「所有権」であると考えられている。フランスを含む大陸法の国々では、著作物とは著作者の人格を投映した成果物であることから、ほかの誰でもない著作者の所有物であり(人格理論)、著作物の創作にかかる労力に見合った利益を享受する権利がある(労働理論)という考えに基づいている。 これらの考え方は、英米法諸国とは対極的である。たとえば英国のアン法を模倣して発展してきた米国著作権法は、あくまで産業・文化の振興という目的を達するため、その手段として著作権保護があると捉える「産業政策理論」や「功利主義」に立脚している。その結果、著作権は英語ではCopyright(コピーする権利)と表現されるように、英米法における著作権は、著作者以外に無断で複製させず、著作者の財産を守る権利だと狭義にとらえられてきた。 著作者の人格を守ることを重視し、権利の範囲を広くとらえるフランスでは、著作物が著作者の元から離れたあとでも人格は投映されたままであることから、著作権法で保護を与え続けている。著作者人格権を例にとると、著作者本人の死亡により消滅すると考える国もあるが、フランスでは死後も永続するとされる(L121条-1-3)。また、追及権を世界で初めて認めたのがフランスである。この追及権とは、絵画や彫刻などの美術品を創作した美術家が、その作品を売却したのちも、オークションなどで転売されるたびに売買価格の一定割合を得ることができる権利である。 著作者の人格が投映されていれば、その表現形態がいかなるものであれ、著作物として認められる。著作物というと、書籍や絵画、音楽、映像など視覚または聴覚を使って鑑賞する作品をイメージしやすいが、フランスではさらに嗅覚に訴える香水にまで著作権を認めた判例があるほどである。また、美術作品については純粋美術のみ認め、実用品のデザインといった応用美術に対する著作権保護を否定する国もあるが、フランスでは応用美術も保護対象としている。 職務著作についても、フランス著作権法は創作した個人を尊重する態度をとっている。一般的に職務著作とは、職務の一環で雇用主の命で創作された著作物は、創作した個人ではなく、雇用主に著作権が帰属するという考え方である。しかしフランスでは、単に雇用契約や発注契約を締結していたからといって、自動的に雇用主や発注主である企業・団体に著作権が認められるわけではない。 著作財産権の観点では、一般的な著作権法で認められる「頒布権」および「消尽論」がフランス著作権法では認められてこなかったが、21世紀に入ってインターネットを通じた海賊版が横行した結果、これらを明文化する法改正を行っている。頒布権とは、著作権者が独占的に著作物を社会に流通販売できる権利である。また消尽論とは、その著作物の購入者は中古売買(再販)するなど自由に処分できる(すなわち著作権者の独占権は、購入者の行動にまでおよばずに消え尽きる)という考え方である。この消尽論に則ると、たとえばデジタル楽曲の購入者は、インターネット上で楽曲ファイルをシェアすることができてしまう。しかし、2006年のDADVSI(フランス語版、英語版)(情報社会における著作権・著作隣接権法)と、2009年のHADOPI法によって著作権法が改正され、頒布権が著作者に認められることで、このようなファイルシェアは頒布権を侵害していることになり、刑事罰の対象となった。 また、米国などで採用されているフェアユース(公正利用)の法理は、フランスをはじめとする欧州各国では否定されている。米国のフェアユースは、著作物を第三者が無断で利用しても著作権侵害にあたらないとする抽象的な一般基準を条文で定めたもので、具体的にどこまでを合法とするかは、もっぱら司法判断に任されている。フランスではこのような一般基準ではなく、著作権法の条文上で個別具体的な基準を設けており、それ以外は原則禁止としている。これは、功利主義的な米国では、著作物の利用がどこまで社会的・文化的に価値があるのかの線引きするのは著作者ではなく裁判所だととらえるのに対し、フランスなど著作者の権利 (droits d'auteur) 意識が強い国では、あくまで他者による著作物の利用は「例外」でしかないためである。
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特徴まとめ
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「ディコトモクラディウム」の記事における「特徴まとめ」の解説
新属の記載文としては以下のようになっている。 胞子形成菌糸は基質菌糸から直接に出てまっすぐか斜めに立ち上がり、単一か分枝し、胞子形成部を側面から出すか、あるいは先端の上に出す。胞子形成部は数回二叉分枝をした構造からなり、その枝の一部は伸び出て不実の棘状突起となり、そうでないものはその先端が膨らんで角張った、あるいは丸っこい頂嚢を形成し、この頂嚢の上に小さな柄のある小胞子嚢が形成される。不実の棘状突起は真っ直ぐか曲がりを持ち、表面に配置する。小胞子嚢の柄は細くて円筒形で、先細りとなっている。小胞子嚢は単胞子性でほんの小さな柱軸があり、球形から楕円形で、表面の壁は細かな棘状突起があり、薄くて持続性である。柱軸は切れ込みがあって凹んでいる。胞子嚢胞子は大きさ、形共に小胞子嚢とほぼ同じ。接合胞子嚢は球形から亜球形で壁は暗色、粗い突起によって表面が装飾されている。配偶子嚢は明かな形で残り、暗色で表面は滑らかかざらつく。接合子はH字型。 学名の意味は dichotomus (2つに割れた)と cladodes(枝)を合わせたもので、胞子形成部の側枝が二叉分枝をしていることに基づく。
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