特徴の概観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/03 06:07 UTC 版)
いくつかの適用例を以下に詳しく説明する。簡単な概要は次の通り。 エミッタノードに対する増幅器の入力インピーダンスRinは非常に低く、およそ次のように与えられる。 R in = r E = V T I E , {\displaystyle R_{\text{in}}=r_{E}={\frac {V_{T}}{I_{E}}},} ここでVTは熱電圧であり、IEはDCエミッタ電流である。 例えば、VT = 26 mVかつIE = 10 mAの場合、Rin = 2.6 &Omegaである。IEを下げてRinを大きくすると、トランスコンダクタンスが低くなる、出力抵抗が高くなる、βが低くなるなど他に考慮すべき結果がある。この低入力インピーダンスの問題に対する現実的な解決法は、入力に共通エミッタ段階を配置し、カスコード増幅器を形成することである。 入力インピーダンスが非常に低いため、ほとんどの信号源はベース共有増幅器のRinよりも大きい信号源インピーダンスを持っている。その結果、信号源が電圧源であっても電圧ではなく「電流」が入力に供給される(ノートンの定理によるとこの電流はおよそiin = vS / RSである)。出力信号も電流の場合、増幅器は電流バッファであり、入力と同じ電流を供給する。出力が電圧とみなされる場合、増幅器はトランス抵抗増幅器であり、負荷インピーダンスに依存した電圧を提供する。例えば抵抗負荷RLの値が増幅器の出力抵抗Routよりっもはるかに小さいときvout = iin RLである。つまり、この場合の電圧利得(以下で詳しく説明)は下式になる。 v out = i in R L = v s R L R S ⇒ A v = v out v S = R L R S . {\displaystyle v_{\text{out}}=i_{\text{in}}R_{L}=v_{s}{\frac {R_{L}}{R_{S}}}\Rightarrow A_{v}={\frac {v_{\text{out}}}{v_{S}}}={\frac {R_{L}}{R_{S}}}.} 信号源インピーダンスでRS ≫ rEの場合、出力インピーダンスはRout = RC || [gm (rπ || RS) rO] に近づく。 非常に低いインピーダンスの信号源という特殊な場合では、ベース共通増幅器は以下で説明する例の1つである電圧増幅器として機能する。この(以下で詳しく説明する)RS ≪ rEかつRL ≪ Routの場合、電圧利得は次のようになる。 A v = v out v S = R L r E ≈ g m R L , {\displaystyle A_{v}={\frac {v_{\text{out}}}{v_{S}}}={\frac {R_{L}}{r_{E}}}\approx g_{m}R_{L},} ここでgm = IC / VTはトランスコンダクタンス。信号源インピーダンスが低い場合、Rout = rO || RC。 ハイブリッドπモデルにrOを含めると、増幅器の出力からその入力への逆伝送が予測される。つまり増幅器は双方向的(biliteral)である。この1つの結果は入力/出力インピーダンスは負荷/信号源終端インピーダンスの影響を受けるため、例えば、出力抵抗RoutはrO || RC ≤ Rout ≤ (β + 1) rO || RCの範囲で変化する可能性があり、信号源抵抗RSに依存する。増幅器はrOの無視が正確(低い利得および低から中程度の負荷抵抗に対して有効)である場合、一方向的として近似することができ、解析を単純化できる。この近似は分離設計で行われることが多いが、能動負荷が通常使われるRF回路や集積回路設計で精度が低下する可能性がある。
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