能動負荷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/03 06:07 UTC 版)
電圧増幅では、図1のように抵抗負荷RCを用いた場合、このアンプで許容される出力電圧振幅の範囲は電圧利得と関連する。これは大きな電圧利得には大きなRCが必要であり、RCでの大きなDC電圧降下を意味する。与えられた電源電圧に対してこの降下が大きいほどトランジスタのVCBが小さくなり、トランジスタの飽和が生じる前に許容される出力振幅が小さくなり、結果として出力信号にゆがみが生じる。この状況を避けるためには能動負荷、例えばカレントミラーを使うことができる。この選択をした場合、上表のRCの値は能動負荷の小信号出力抵抗(一般的に少なくとも図1の能動トランジスタのrOと同じ大きさである)に置き換えられる。これに対して能動負荷でのDC電圧降下は決まった低い値(能動負荷のコンプライアンス電圧)を持ち、抵抗RCを使用した同等の利得で発生するDC電圧降下よりもはるかに小さくなる。つまり、能動負荷の出力電圧振幅に対する制限が小さくなる。能動負荷であってもなくても、大きなAC利得は大きなAC出力抵抗と結びついているため、大きな負荷RL ≫ Routを除き出力での電圧分割は不十分になる。 電流バッファとして用いる場合、利得はRCの影響を受けないが、出力抵抗は影響を受ける。出力における電流分割により、駆動される負荷RLよりもはるかに大きいバッファの出力抵抗を持ち、大きな信号電流を負荷に送ることができるようにするのが望ましい。図1のように抵抗RCが使われる場合、大きな出力抵抗が大きなRCに結合され、出力での信号のゆれが制限される(電流が負荷に供給されたとしても通常、負荷への大電流信号は負荷にわたる大きな電流のゆれも意味する)。能動負荷は出力信号の振幅への深刻な影響がはるかに少ない、高いAC出力抵抗を提供する。
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