水上艦艇による突入案とは? わかりやすく解説

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水上艦艇による突入案

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 20:51 UTC 版)

坊ノ岬沖海戦」の記事における「水上艦艇による突入案」の解説

戦艦座礁させて砲台として用いるという発想は、1943年昭和18年12月中旬時点大本営海軍部(軍令部)と連合艦隊司令長官古賀峯一海軍大将参謀長福留繁海軍中将)の間で俎上にのっていた。 1944年昭和19年2月頃より、日本海軍では東条英機内閣嶋田繁太郎海軍大臣更迭倒閣運動)および終戦工作への動き本格的にはじまっていた。海軍側では、岡田啓介海軍大将二・二六事件当時内閣総理大臣)が積極的に動いていた。戦局がますます不利になる中、海軍省教育局第一課長である神重徳大佐高木惣吉少将依頼を受け、海軍中央の課長級東條嶋田体制打倒流れをひろげることになった同年6月中旬連合軍サイパン島来襲して上陸作戦開始サイパン島の戦い)、日本軍あ号作戦発動する6月19日から20日にかけてのマリアナ沖海戦日本海軍機動部隊司令長官小沢治三郎中将)は惨敗その頃日本海軍東条英機内閣打倒嶋田繁太郎海軍大臣更迭巡って紛糾していた。昭和天皇高松宮宣仁親王天皇弟宮軍令部大佐)の間でも、今後の方針について激論になる。高松宮密かに鈴木貫太郎海軍大将首相にする動きすすめていた。 同時期の神は高木とともに東條英機首相暗殺計画具体的に計画しており、この動き岡田高松宮宣仁親王知っていた。一方、神は戦艦巡洋艦による突入作戦具申したこともあった。神自身は、扶桑型戦艦山城もしくは長門型戦艦長門艦長希望するそのとき軍令部作戦部長である中澤佑少将に「砲を撃つには電気系統生きてなければならない」と却下された。神は岡田当時岡田東條内閣打倒運動実施中)を訪問しサイパン取られてはおしまいだ(B-29による本土空襲がはじまるため)。海軍いつまで大和・武蔵のような大艦保存していてもしようがない。護衛機があればサイパンまで近接できる。せめていまサイパン守りおおせば、しばらくゆとりが出来てその間作戦を練ることができる」と主張し軍令部へのとりつぎ依頼した大本営海軍部(軍令部)はサイパン島奪還作戦具体的に検討し、「海軍特攻隊考え方でやる」という方針決死思いであったという。「サイパンをとられて(本土空襲がはじまれば)、大和武蔵残して何になる」という神や、大本営熱意対し連合艦隊サイパン島奪還作戦消極的だった6月下旬サイパン島奪還作戦中止。神は高木サイパン島奪還作戦大和型戦艦突入水泡帰った無念訴え嶋田繁太郎軍令部総長伊藤整一軍令部次長決断出来ないのは終生恨みだ」「たとえ失敗しても、大和武蔵惜しんで後でどこに使い道があるというのか」「その代わり海軍はこれでお終いですが」「(仮にサイパン島奪還成功しても)得られる時間的余裕は六ヶ月」と発言している。 7月17日嶋田繁太郎海軍大臣軍令部総長海軍大臣職を野村直邦大将に譲る。翌7月18日東條内閣総辞職追い込まれ7月22日小磯内閣小磯國昭内閣総理大臣重光葵外務大臣杉山元陸軍大臣米内光政海軍大臣など)が成立した米内野村軍事参議官に、井上成美中将海軍次官に、多田武雄中将軍務局長任命した軍令部総長8月2日より及川古志郎大将元海大臣となった7月13日附で海軍省から連合艦隊参謀転じた神は、その後水上艦艇による突入作戦立案した。なお水艦艇による突入作戦は、軍令部連合艦隊第一機動艦隊7月下旬実施検討した図上演習でも、たびたび実施されている。捷号作戦における第二艦隊司令長官栗田健男中将)による水上艦艇突入案(戦艦の砲力と巡洋艦魚雷戦を活用)と空母囮案は、第一機動艦隊司令長官小沢)から出された。第一機動艦隊水上艦艇突入作戦案に大井篤海上護衛総司令部参謀反対意見をのべたが、第一機動艦隊は「第二艦隊水上突入作戦が必要である」と反論した第二艦隊水上突入作戦は(目標敵艦隊とするか輸送船団にするかで見解の相違があったにせよ)、軍令部連合艦隊機動部隊一致した次期作戦指導方針であった昭和19年12月中旬連合艦隊参謀長草鹿龍之介中将連合艦隊参謀の神は、日本陸軍ミンドロ島逆上陸を強硬に主張する。これに呼応して第二遊撃部隊第二水雷戦隊司令官木村昌福少将)による礼号作戦実施された。

※この「水上艦艇による突入案」の解説は、「坊ノ岬沖海戦」の解説の一部です。
「水上艦艇による突入案」を含む「坊ノ岬沖海戦」の記事については、「坊ノ岬沖海戦」の概要を参照ください。

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