民族形成期とは? わかりやすく解説

民族形成期(1795年 - 1910年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 07:55 UTC 版)

アフリカーナー」の記事における「民族形成期(1795年 - 1910年)」の解説

19世紀アフリカーナー歴史アフリカ勢力伸ばしたイギリスとの対立主要な矛盾となったフランス革命戦争中の1795年オランダ領だったケープ植民地イギリス占領され1799年12月31日オランダ東インド会社オランダ本国占領したフランスによって解散させられると、ケープ植民地農業従事していた植民者たちは帰る故国失ってしまった。また、イギリスによる占領以後イギリスからの移民アフリカ南部流入しとりわけ1820年にはイギリス政府からの補助金得たイギリス人多数入植した。更に、イギリスによるケープ領有後、イギリス国内キリスト教人道主義者による奴隷制度廃止運動成果もあって、イギリス1828年に第50法令ブッシュマン始めとするカラード白人対等権利与え1833年には奴隷廃止法可決し1834年12月1日ケープ植民地内の奴隷解放された。イギリス統治下で英語が公用語となるとアフリカーナーは英語に不得手だったためにイギリス当局から二級市民扱いされた。 イギリスによる奴隷解放によって無償労働力奪われアフリカーナーは、イギリス支配嫌って1830年代から1840年代にかけてグレート・トレック呼ばれる沿岸部から内陸部への再入植行ない、ンデベレ人やズールー人などのバントゥー系民族諸王国と戦いながら再入植先でナタール共和国トランスヴァール共和国1852年建国)、オレンジ自由国1854年建国)などのアフリカーナー共和国建国した。1835年から1840年にかけてグレート・トレック旅立ったアフリカーナー6,000人は主にケープ植民地中でも貧し階層属す小農民であり、混血者の従僕約5,000人を伴った彼等は、少数ながらも1838年12月16日血の川戦いでズールー王国のディンガネ王を打ち破っている。オランダ語で「アフリカ人」を意味していた「アフリカーナーと言う言葉は、18世紀には黒人奴隷を、19世紀前半にはイギリス人を含む白人一般意味していたが、1870年代より進んだ『聖書』アフリカーンス語訳を始めとして、文法書雑誌などアフリカーンス語書物出版されたことを経て次第ケープ植民地入植したアフリカーンス語を話す白人を指す言葉となっていった。また、ポール・クルーガー始めとするアフリカーナーはこの19世紀後半時期に、オランダ改革派神学者アブラハム・カイパーの新カルヴァン主義の「公共恵み」説を発達させて、神の選民自任し奴隷制神学的に肯定する理論得たアフリカーナー建国したトランスヴァール共和国オレンジ自由国二次にわたるボーア戦争イギリス交戦し1880年から1881年にかけての第一次ボーア戦争ではイギリス退けたが、1899年から1902年にかけての第二次ボーア戦争敗北両国ともイギリスの支配下に置かれた。第二次ボーア戦争最中に、イギリスホレイショ・ハーバート・キッチナー将軍ゲリラ戦術抵抗するアフリカーナー12万人強制収容所送った戦時中イギリス建設したアフリカーナー強制収容所近代世界初強制収容所であり、また、第二次ブール戦争死亡したアフリカーナー34,000人の内、約65%が16歳以下の少年少女であった。『マンチェスター・ガーディアン』紙特派員として第二次ブール戦争取材当たったイギリスジョン・アトキンソン・ホブソンはこの経験から『帝国主義論』(1902年)を著しウラジーミル・レーニンの『資本主義の最高の段階としての帝国主義』(1917年)に理論的影響与えた。このボーア戦争以後アフリカーナー反英感情尖鋭化させていった南アフリカ共和国の白人2009年推計国民の9.1%を占めている)は、イギリス系19世紀末から現在に至るまで金とダイヤモンド鉱山経営によって経済面主導的立場担ってきたのに対しアフリカーナー基本的に農民として暮らす人が多かったドリス・レッシングの『歌っている』にて用いられるプア・ホワイト」という言葉使われ方興味深い当時南ローデシア(現ジンバブエ)では、どれほど貧しくてイギリス人のことは「プア・ホワイト」とは呼ばず、この語はあくまでアフリカーナー指したという。これは、同じヨーロッパ系植民者の間にも差別感情根強くあったことを示している。

※この「民族形成期(1795年 - 1910年)」の解説は、「アフリカーナー」の解説の一部です。
「民族形成期(1795年 - 1910年)」を含む「アフリカーナー」の記事については、「アフリカーナー」の概要を参照ください。

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