民族学的考察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 06:09 UTC 版)
神話収集に寄与した、ドイツの民族学者らは前時代的解釈に縛られていたが、これを進める役割をアードルフ・イェンゼンが担った。彼は農作物の始原を語る神話の一種「ハイヌヴェレ型神話」と初期栽培民文化の関連性に、さらに儀礼のタイプを考慮に加えてひとつの一貫した世界像を洗い出した。この世界像を基礎に据えて初めて、各神話や儀礼を正確に解釈できるとイェンゼンは主張した。 ヘルマン・バウマンは、イェンゼンと逆の手法で神話を解釈した。彼は各創世神話に見られる宇宙観に着目した。このような世界観を構築するには、それぞれの文化がある程度発達していなければならず、バウマンは過去の研究者が未開状態の人類が創った神話から順を追ったのに対し、高い文化社会の神話を分析の対象とした。これによって、高文化地域の神話が周辺の未開社会へ影響を与えることが明らかとなった。
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