正教会の聖書翻訳とは? わかりやすく解説

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正教会の聖書翻訳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 18:59 UTC 版)

聖書翻訳」の記事における「正教会の聖書翻訳」の解説

ギリシャ語訳聖書」、「ロシア語訳聖書」、「正教会スタディバイブル」、および「日本正教会訳聖書」を参照 正教会奉神礼では、プロテスタント教会礼拝またはカトリック教会ミサのように、信者聖書朗読参加することはなく、一般的にいって聖書全書旧約新約)を読むあるいは求め需要比較少ない。しかし、神品聖職者)あるいは聖書専門家による聖書翻訳綿々とおこなわれてきて、上の参照ギリシャ語ロシア語、英語、日本語の例見られたい。

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正教会の聖書翻訳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 09:45 UTC 版)

日本語訳聖書」の記事における「正教会の聖書翻訳」の解説

詳細は「日本正教会訳聖書」を参照 ウィキソース我主イイススハリストス新約原文あります正教会からは1861年ニコライ日本での宣教開始し着実に信徒増やしていた。その布教実績について、プロテスタント教会上回っていたという評もある。しかし、祈祷書など1877年ごろから刊行していたとはいえ聖書翻訳についてはカトリック同様に立ち遅れ漢訳聖書プロテスタント刊行教書用いて布教していた。 1880年代には詳細な注解書の翻訳複数現れたものの、聖書について翻訳委員社中の『新約全書訓点版を正教会式に固有名詞読み替える形で使用するとどまった。この正教会式の訓点本1889年公刊された。正教会初の聖書翻訳1892年現れ上田将訳『馬太伝聖福音』とされるが、これとは別にニコライ中井木菟麻呂ロシア語聖書辞典をもとに和訳語の検討重ね1895年から1896年にかけて新約聖書を粗訳、その検討経て1901年に『我主イイススハリストスノ 新約』を公刊した。一般にこれは日本正教会翻訳位置づけられている。底本教会スラヴ語ギリシャ語ロシア語聖書とされ、2種英訳聖書なども参照された。ニコライ自身日記には、上田訳を参考にしたことも書かれているが、カトリックプロテスタントの訳は意識的にであれ無意識的にであれ影響されることを嫌い、一切参照しなかったという。翻訳に際して大槻文彦落合直文林甕臣国語学者の意見仰ぎ細部文法にまで配慮なされた日本正教会では今日奉神礼ではこの翻訳のみが使用される。なお正教会礼拝奉神礼)で用い聖書は、誦読のために編纂分冊された『福音経』『使徒経』の二冊で、これらは西方教会由来である章節区切り取らず、端とよばれる正教会に独自の区切り構造をもっている。 旧約部分についてもニコライ日本での活動初期から翻訳始めており、1877年から1878年頃に石版印刷されたと考えられる朝晩祈祷曁(および)聖体礼儀祭文』に収録され聖詠詩篇)の抜粋は、日本語訳された詩篇の訳として最古部類属するとも指摘されている。聖詠奉神礼頻繁に使われるため『聖詠経』(1885年)として全訳されたが、他の部分については、各祈祷書旧約朗読箇所部分的な訳のみにとどまったニコライ没する直前まで祈祷書翻訳をしていたが、旧約聖書全訳完成されないままとなった。なお、ロシア正教会では伝統的に七十人訳聖書教会スラヴ語訳が重んじられており、1876年聖務会院ロシア語訳 (Russian Synodal Bible) を作成した際にも、七十人訳読み取り込まれていた。ニコライ当初祈祷書翻訳では聖務会院訳を重視しており、『聖詠経』の翻訳に際してもそれを底本とし、北京宣教団訳『聖詠経』(漢訳)なども参照していた。しかし、晩年翻訳では、七十人訳回帰し読み多くなっている。 日本正教会訳聖書では、固有名詞表記教会スラヴ語ロシア語再建音に由来する表記反映している。スラヴ系転写経ている上に、その教会スラヴ語表記コイネー中世以降読み継承していた(他方西方教会表記古典ギリシャ語再建音を主に継承した流れであった)ため、他の日本語訳聖書とは表記大きく異な結果生んだ。たとえば、イエス・キリスト中世以降ギリシャ語ではイイスス・フリストス)は「イイスス・ハリストス」、ヨハネ(同・イオアンニス)は「イオアン」等となる。 日本正教会訳聖書は、正教徒高橋保行が「教派かかわりなく使える、もっとも信憑性の高い聖書」と評しているのは勿論だが、明治プロテスタント宣教師にさえも使徒言行録ヨハネによる福音書については「現在あるどの訳よりも格段に優れている」と評する者がいた。プロテスタント藤原男のようにその文体をあまり評価していない者もいるが、現代聖書事典などでは「端然荘重な文体」、「正確な訳文と言われる」等と紹介されている。他方で、この翻訳難解なのは事実であり、1930年代には正教徒からも改訂の必要を訴える声は上がっていた。しかし、生前ニコライ自身正教会教え正しく理解してもらうことによって信徒理解翻訳方に引き上げるべきで、逆に民衆おもねって訳文正確さ損ねることには反対であった1930年代論争でも、中井木菟麻呂ニコライ緻密に組み上げ訳文一部だけを崩すことは困難である上、その荘重な文体維持せねばならないため、改訳必要に理解示しつつも、安易な改訳には反対意向示していた。結果、今に至るまで日本正教会訳当初のものが守られており、そうして長く受け継がれてきたこと自体評価できるとする意見もある。

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