正教会の聖伝
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正教会における聖伝の伝える内容に則り、その概略を述べる。聖伝の伝える台詞等の詳細は参考文献・外部リンクを参照されたい。聖伝の理解においては、教会における教えにおいても世俗における宗教学においても、その細かい台詞の数々が示唆する象徴的表現などについての理解が必須なのではあるが、スペースの問題上やむなく割愛して概略にとどめた。 以下の内容と文体は歴史的事実としての記述ではなく、あくまで正教会の伝える聖伝の概略を示したものである事に注意されたい。
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正教会の聖伝
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以下の内容と文体は歴史的事実としての記述ではなく、あくまで教会の伝える聖伝の概略を示したものである事に注意されたい。 以下はエウセビオスによって正教会に伝えられる伝承である。 シリアのエデッサを治めていた王・アウガリ(アブガル)は癩病を患った。当時、多くの病の癒しの奇蹟をイイススが行っている事を聞き知っていたアウガリはイイススのもとへ使者として画家アナニヤを送った。アナニヤはイイススの肖像画を描く事も命じられていたが、現地に着くと、イイススが遠く群衆の中にあったこと、そしてその顔が光り輝いているために描く事ができなかった。するとイイススはアナニヤの存在に気付き、自らの許に招いた。 アナニヤに持たせた手紙の中でアウガリは、多くの癒しはイイススが神の子であるからだと告白し、ユダヤ人がイイススに危害を加える計画を立てているそうであるが、自らの町ならば安全を保障出来るので、是非とも自分の町に来てもらいたい、そして病を癒して欲しいと、辞を低くして懇請していた。 イイススが顔を洗い、自らの顔を布に押し当てると、イイススの顔が布に写るという奇蹟が起きた。この時の布が自印聖像と呼ばれるイコンである。そしてイイススはアナニヤに手紙を持たせた。手紙にはアブガル王の信仰について「見ずして信じる者はさいわいである」事について書かれていた。また、アウガリの町に行くことについては、自らの受難を予言した上で断った。 イコンと手紙を見た王の喜びは大きなものであり、らい病はたちまち良くなった。イイスス・ハリストスの昇天の後に、アウガリはファディ(タダイ)から洗礼を受けた。アウガリはクリスチャンになった最初の王と伝えられる。 王は城壁の門の上にこの自印聖像を掲げた。その後、時代が下ると紛失・再発見を繰り返していたが、エデッサからコンスタンティノープルに一度移された。この事を記念するのが8月29日(修正ユリウス暦使用教会では8月16日)である。しかし第四回十字軍の時代に失われて以降、本物の自印聖像の行方については各種伝承が各地に伝えられているものの、本当の所在は分からなくなっている。
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正教会の聖伝
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正教会は、神の啓示を信仰の基盤としている。そして連綿と受け継がれてきた神による啓示に基づく信仰と教えを、聖伝と呼ぶ。聖伝を伝えていくにあたっては、聖神゜(聖霊)の導きがあるとされる。 聖伝は、文書や単なる事件の記録、記念物といったものにとどまらない。聖書・聖師父の著作・全地公会議による規定・奉神礼で用いられる祈祷書といった文書となっているものも主要構成要素として挙げられるが、聖伝の本質は、教会を形成していく人々の生きた体験の記憶である。 聖伝は過去にあったものが現在においても体験されるものであり、ゆえに聖伝と教会的意識は同じものであるとされる。従って、聖書・聖師父の著書・全地公会議の規定・奉神礼等は個々別々な現れであり、これらの構成要素を網羅すれば聖伝全体を表すことにはならない。 正教会では、聖書と聖伝は範疇の異なるものとは捉えられず、聖書は「聖伝」の一部であるとされる。何が聖書であるかを定めた(正典化した)のは聖伝であるとされる。聖書は、聖伝の中核であり、使徒らが残した最も公的な啓示であると考えられている。聖伝が生み出した聖書は、その後の聖伝を基礎付けるものとなった。 次のものが聖伝の主要構成要素であるとされる。 新旧約聖書 七回の全地公会議決定 地方公会(教会会議)決定 信経、教義議定(公会で制定されたニカイア=コンスタンティノポリス、ニカイア、カルケドンの三つ。使徒信条やアタナシウス信条は公式には認められていない) 奉神礼 聖歌やイコン、教会建築などの教会芸術 教会法 聖師父の教え・聖人伝 教会を形成していく人々の生きた体験の記憶 これらの構成要素は互いに密接な有機的関係を持っており、聖神゜の導きがあるゆえに発展・成長を続けるとされる。 聖伝(Holy Tradition)は、個々の教会や民族の文化的・歴史的遺産である伝統(traditions)とは区別される。
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