日本国内にある神殿
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「日本の末日聖徒イエス・キリスト教会」の記事における「日本国内にある神殿」の解説
末日聖徒イエス・キリスト教会で「神殿」と呼ばれる建築物はこの教会の特色の一つである。同教会の信徒たちはこの建物の中で教えを受け、礼拝上の儀式を行う。教会員同士が永遠に結婚する場合はこれらの神殿で儀式を行う。2016年時点で日本国内には3つの神殿がある。 末日聖徒イエス・キリスト教会日本東京神殿 - 1980年(昭和55年)設立。 日本東京神殿は、末日聖徒イエス・キリスト教会がアジアで初めて建てた同教会の神殿である。末日聖徒イエス・キリスト教会として20世紀に建てた神殿の18番目になる。日本東京神殿は1975年8月9日に起工式が行われ、1980年10月27日に大管長スペンサー・W・キンボールによって奉献された。東京都港区南麻布5丁目8-10にあり、最寄駅は地下鉄広尾駅である。この神殿の近くには日本支部である管理本部がある。日本では後に福岡と札幌にも末日聖徒イエス・キリスト教会の神殿が建てられた。 末日聖徒イエス・キリスト教会日本福岡神殿 - 2000年(平成12年)設立。 日本福岡神殿は、末日聖徒イエス・キリスト教会が建てた同教会第88番目の神殿である。日本国内では東京神殿に次いで2つ目の末日聖徒イエス・キリスト教会の神殿である。日本福岡神殿は1999年3月20日に起工式が行われ、2000年6月11日に奉献された。福岡県福岡市中央区平尾浄水町9-15にあり、最寄り駅は地下鉄薬院大通駅である。神殿の隣には福岡市動植物園がある。 末日聖徒イエス・キリスト教会日本札幌神殿 - 2016年(平成28年)設立。 日本札幌神殿は、末日聖徒イエス・キリスト教会が建てた同教会151番目の神殿である。日本国内では福岡神殿に次いで3つ目の末日聖徒イエス・キリスト教会の神殿である。日本札幌神殿は2009年10月3日の同教会の総大会において同教会の大管長トーマス・S・モンソンによって建設計画が発表され、神殿竣工後の2016年8月21日に同教会の十二使徒定員会会長ラッセル・M・ネルソンによって献堂された。奉献後は一般の来訪者は建物の内部には入ることはできないが、神殿敷地内にある庭園は一般に開放されている。北海道札幌市厚別区大谷地西1丁目6-1にある。 日本札幌神殿の高さは38.7m。建物面積は約4500m2、敷地面積は約3万9700m2である。中階部分あたりまでは、どっしりとした四角形に近い形状になっており、その上の中央に、階段状の大きな塔が立っている。中央の大きな塔の周りには四つの小さな塔があり、小さな塔の屋根は、日本の五重塔の屋根に見られるような、先端が少し上にカーブした特徴的な形状になっている。神殿の外壁には厚さ4cmの中国産の御影石が使用されており、日本の伝統的な模様である青海波も刻まれている。また、窓ガラスの模様には、麻の葉や七宝の模様もモチーフとして使用されており、日本文化を思わせる雰囲気を持っている。神殿の庭園にも日本の文化的要素が取り入れられており、それは、京都などの日本の伝統的な建築を思い起こさせる石庭、石造りの橋、人工の滝や池等に見られる。また、同教会の神殿の多くに見られる特徴であるが、札幌神殿も他の神殿と同様、中央の塔の上にはラッパを持った金色の天使の像が立っており、建物の入口上部には「主の宮」「聖きを主にささぐ」の文字が刻まれている。 日本札幌神殿の竣工後数週間は、一般の来訪者に神殿内の各部屋が公開された。建物の奉献後は、同教会が発行する推薦状がなければ内部に入ることができず、一般の来訪者が神殿の内側に入ることはできない。推薦状は同教会の浸礼を受けて、教えを守って生活していることが認められた者に対してしか発行されない。同教会にとって神殿が極めて神聖な礼拝施設であると考えられているためである。しかし、一方で、建設後から奉献までの間に「オープンハウス」と呼ばれる一般公開の期間が設けられ、その期間は神殿内部を案内するツアーが催されて、一般の来訪者も簡単な説明を受けながら神殿内部の各部屋を見ることができた。ただし、建物内での写真撮影は禁止された。また、同教会は公式に撮影した神殿内部の写真や映像をメディア向けに公開しており、動画による疑似的な一般公開ツアーを同教会の公式Webサイト上に掲載したり、同教会の機関紙上でも神殿内の各部屋の写真を載せた「誌上館内ツアー」の特集を組んだり等、積極的な公開をおこなっている。2016年7月7日付の『北海道建設新聞』の記事では、同教会から提供された神殿内の部屋の写真が、一般公開の紹介とともに掲載された。 日本札幌神殿内のおもな部屋として、バプテスマ室、ホール、教えの部屋2つ、日の栄えの部屋、結び固めの部屋、花嫁の部屋がある。バプテスマ室で最も特徴的なものは、バプテスマフォント(浸礼盤)である。イメージとしては、「バプテスマ」すなわち「浸礼」をおこなうために水の張られたプールのようなもので、大人が数人入れる程の広さであり、形状は円筒状である。フォントの材質は分からないが白色または乳白色の大理石のような様相で、フォントの外壁には彫刻のような細工が施されている。フォントの下には12頭の牛の像があり、この12頭の牛は円形状に並び、それぞれが円の外側を向いて立っている。ただし、円上に等間隔ではなく、3頭ずつが少しまとまりをもって並んでいるように見える。フォントは、この円の外側を向いて立っている12頭の牛の中心に、これらの牛の背に乗るような形でつくられている。牛が立っている床にはイスラエル産のギャロタフー大理石が使用されている。牛の上に乗っているため床からフォントの上側までは少し高さがあるが、フォントへの入口や人が行き来する場所は、牛が立っている床よりも高い床になっており、高い床の縁には金色の美しい手すりが設けられている。部屋はおおよそ白を基調としているが、焦げ茶色のマホガニーのような色合いの木材が壁や天井の所々に使用され、それが均整のとれた美しい模様となっている。フォントの入口近くの壁には、キリストがヨルダン川でバプテスマのヨハネから浸礼を受けたときの様子の絵が描かれている。ただし、この部屋は生者(生きている者)が入信のために受けるバプテスマの儀式には用いられない。この部屋は、既に亡くなった先祖たちのために、信徒たちが身代わりでバプテスマを受ける際に用いられる。
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