政教分離原則の広がりとは? わかりやすく解説

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政教分離原則の広がり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:54 UTC 版)

ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事における「政教分離原則の広がり」の解説

政教分離原則」および「ライクリッキ」も参照 明治時代日本にあっては1872年欧州視察団団長上沢融)に加わり海外教状視察の任にあった浄土真宗僧侶島地黙雷は、渡欧中のパリにおいて先に政府提示していた国民教化原則に対して批判建白書出し帰国後は政教分離信教の自由主張のもと、政府進めようとしていた神道国教化政策抵抗して大教院分離運動推進した一方1868年五榜の掲示によって江戸幕府キリシタン禁圧政策踏襲していた新政府は、1871年派遣され岩倉使節団による視察兼ねた条約改正予備交渉において、欧米諸国立場キリスト教解禁条約改正条件とするものであることを知り国内にあっては啓蒙家中村正直の1872年建白などもあり、帰国後の1873年には従来禁止令を廃止した大教院1875年教部省によって解散されたが、黙新政府維新直後掲げた神仏分離令逆手にとり、神仏分離推し進めるためには教部省そのもの廃止が必要であると訴え1877年には教部省廃止された。1889年発布され欽定憲法大日本帝国憲法においても、「信教の自由」が明記された。 20世紀入り上述フランスの政教分離法(1905年)とそのライシテ原則は、国際社会に対して広汎影響与えた1910年10月5日革命によって王政倒れたポルトガルでは、テオフィロ・ブラガによるポルトガル第一共和政成立したが、ここではイエズス会などすべての修道会廃止され国内教会財産没収された。翌1911年には政教分離法施行しローマ教皇庁断交し、ブラジルフランスの憲法を範とする1911年憲法採択した1917年のロシア革命によって社会主義政権成立しロシア内戦勝利したソビエト社会主義共和国連邦でも政教分離原則採用された。ただし、ここにおける政教分離は、宗教対す敵対ないし非友好の関係に立つ分離であり、政治対す宗教発言学童生徒対す宗教教育禁じられた。このような姿勢中華人民共和国など、のちに成立するほかの共産党政権でも維持継承された。 ドイツでは、1918年ドイツ帝国崩壊してヴァイマル共和政成立し1919年制定ヴァイマル憲法137条では「国の教会 (Stasstskirche) は存在しない」と規定され宗教団体設立の自由と個人宗教の自由保障された。しかし、教会引き続き公法上の社団」とされ、教会税徴収有し137条)、公立学校宗教正規科目とされた(149条)。この規程1949年ドイツ基本法140条でも採用されドイツでは現在でも信教の自由保障される一方宗教団体には社団地位与えられ徴税認められている。このように、ひと口に政教分離といっても、そのあり方は国によってさまざまであるライシテ原則は、1922年トルコ革命にも影響あたえた。その過程生まれたのが「ライクリッキlaiklik)」と呼ばれるトルコ共和国1923年10月29日建国)独自の政教分離原則である。建国の父ムスタファ・ケマル・アタテュルクはこの原則フランスライシテ原則参考にして形成し1937年にはこの原則を含む一連のケマル主義」を確立させた。ライクリッキ原則は、現行の第三共和政憲法である1982年憲法においても継承されており、そこでは、宗教的自由(第24条第1項)、国家の非宗教性第24条第4項および第5項)が定められている。 第二次世界大戦後日本では政教分離について厳格な規定をもつ日本国憲法施行された。この憲法アメリカ合衆国憲法影響を受け、それに類似しつつもいっそう厳格に国家宗教の関係を規律している。欧米諸国から独立したアジア・アフリカ諸国でもまた、政教分離規定制度に関して旧宗主国のそれを引き継いだ国が多い。とくにマリ共和国セネガルなどのフランス語圏では住民多くムスリムであるが、その憲法では明確に政教分離原則規定されている。一方キリスト教イスラームのなかでは原理主義的動きもまた顕著となっており、1979年にはルーホッラー・ホメイニー師を宗教指導者とするイラン革命起こった世俗宗教戦いは今も続いているのである

※この「政教分離原則の広がり」の解説は、「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の解説の一部です。
「政教分離原則の広がり」を含む「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事については、「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の概要を参照ください。

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