フランスの政教分離とは? わかりやすく解説

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フランスの政教分離(ライシテ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 00:01 UTC 版)

政教分離原則」の記事における「フランスの政教分離(ライシテ)」の解説

詳細は「ライシテ」を参照 フランスの政教分離はライシテ (laïcité) の原則に基づく。ライシテとは国家の非宗教性宗教的中立性原則意味するものであったが、1958年憲法では法の下の平等差別の禁止信条尊重を含む概念へと強化され、法概念としては国家の非宗派性、教会と国家の分離などを含んでおり、あいまいさという柔軟性持っているカトリック教会のような特定の宗派優遇冷遇もするのでなく、諸宗に対して中立的平等な対応をとることを定めた制度である。奥山倫明によればライシテ国家宗教との関係定めたものなので、これを日本の憲法学者宮澤俊義述べたような「国家あらゆる宗教から絶縁しすべての宗教に対して中立的な立場に立つこと、すなわち、宗教純然たるわたくしごと』にすることが要請される」という厳し分離解釈していた意味で「政教分離」と呼ぶことは難しいと指摘している。 第三共和制のもとで修道会廃止され公教育機関の非宗教化と、教会国家との分離はかられた。フェリー教育相1881年公教育無償化するとともに初等教育の非宗教性定められた(フェリー法)。1884年憲法改正では議会開会祈り廃止された。1886年には初等教育公立学校から聖職者排除された(ゴブレ法)。ピエール=ワルデック=ルソー1901年修道会政府認可制にした。1902年にエミール・コンブ首相カトリック系学校12,500校を閉鎖。これは教会財産国家接収意味し約3万人修道士女が国外へ亡命した1904年にルベ大統領イタリア王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世訪問するローマ教皇庁フランス政府国交断絶したが、1905年教会と国家の分離に関する法律」(Loi de séparation des Eglises et de l'Etat) が成立しそれまで政教条約フランス政府によって一方的に破棄された。ただし、この1905年教会国家分離法では自由な礼拝保護され、さらに礼拝への公金支出禁止についての特例として学校寄宿舎病院監獄兵営には司祭配置認められており、厳密な国家宗教との分離ではなかった。 ライシテ憲法に規定されたのは、1946年第四共和制憲法である。1958年成立フランス第五共和国憲法に引き継がれた。 La France est une République indivisible, laïque, démocratique et sociale. Elle assure l'égalité devant la loi de tous les citoyens sans distinction d'origine, de race ou de religion.フランスはライックで、民主的または社会的な不可分共和国である。出生人種、または宗教差別なく、すべての市民対し法の前の平等保障される。 — Constitution du 4 octobre 1958 ,Article 1 ルソー論じた市民宗教第三共和政禁止されたが、21世紀現在ライシテを「共和主義市民宗教」とする指摘もある。ボベロはライシテ国民アイデンティティとなって、「共和国の諸価値」と矛盾するイスラム方に問題があるとするように、ここには「市民宗教」が持つ危険性現れているという。現代では「異教徒排除してならない」という宗教的寛容が、イスラム教徒移民問題議論されているが、移民反対論者はかつてのようなレイシズム的な排外主義ではなくてリベラルな価値観受容しない人々排除しようとしているとも指摘されている。

※この「フランスの政教分離(ライシテ)」の解説は、「政教分離原則」の解説の一部です。
「フランスの政教分離(ライシテ)」を含む「政教分離原則」の記事については、「政教分離原則」の概要を参照ください。

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